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狂おしいほど愛おしい  作者: 詩音
6/12

ショウ(3)

ショウ:くふふ。それで、久しぶりに、自宅に帰ろうとしてたんだ、なーんだ。アハハハハハハ!

スズ:(М)時間と手間をかけて、やっと掴んだ真相を、本人に馬鹿にされるなんて、はらわたが煮えくりかえるようだ。

ショウ:たぶん、まだまだだと思うよ……2人だと、思ってる時点でね

スズ:2人、じゃないのか……?

ショウ:まぁ、もうどうでもいいや。バレたから、ここに連れてきたわけじゃないし

ショウ:帰すつもりは元々ないし

スズ:(М)スッと、細めたショウの眼光に背筋が、ゾクッとなった。

ショウ:そんなことで、こんなことしないよ……もっと、簡単なことだよ?

スズ:あ、れ?のどが、かわいて(咳払い)

ショウ:あっ、朝鮮ちょうせんちゃん。やっと効いてきたか。おーそーい!

スズ:(М)ショウは、近くにあった経口補水液けいこうほすいえきと書かれた、ぺットボトルのキャップを開け、目の前でゴクゴクと飲み始めた。

ショウ:あっ、欲しい?

スズ:あ、あ……くれ、くれよ

ショウ:はい、あ~ん

スズ:(М)恥ずかしさも捨てて、大きく口を開けた……しかし、ほぼ飲めなかった。

ショウ:本当に、素直すぎる。そんなんで、よく人を疑う仕事をずっとしてきたね……ウケるんですけど

スズ:ふざ、けんな、ボ……ゴホッゴホッ

ショウ:ほう、まだ威勢いせいが残ってるんだ。プライド高いね……まぁ、ズタズタにするけど

スズ:慣れんことは、するな……一緒に死にたくないだろ?お前の役割は血抜き、解剖はリュウの担当なんだから

ショウ:へぇ、スズちの推理は、そうなんだね

スズ:や、やめ……

ショウ:大丈夫。生食せいしょく生理食塩水せいりしょくえんすいみたいなもんだから

ショウ:傷口の洗浄せんじょう殺菌さっきんは、してくれるから、安心して?

スズ:ダメだ……会話にさえ、ならなくなった

ショウ:この時を、ずうっと待ってた……スズちのものが、俺のコレクションになるのを

スズ:(М)俺の顔を両手で強く掴んで、無理やり天井へ向けられる。まぁ、すぐ視界に入ってきたのは、ギラギラとしたショウの瞳。

ショウ:俺、スズちの大きい目が大好きなの、特に左目(スズの鼻を力強く押える)

スズ:う、うあっ……あ

ショウ:麻酔、いらないよね?いっぱい、あえいでいいから

スズ:(М)俺の瞳に、気持ち悪いほど穏やかな微笑みが映り、金属の冷たさを感じた。


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