ショウ(3)
ショウ:くふふ。それで、久しぶりに、自宅に帰ろうとしてたんだ、なーんだ。アハハハハハハ!
スズ:(М)時間と手間をかけて、やっと掴んだ真相を、本人に馬鹿にされるなんて、腸が煮えくりかえるようだ。
ショウ:たぶん、まだまだだと思うよ……2人だと、思ってる時点でね
スズ:2人、じゃないのか……?
ショウ:まぁ、もうどうでもいいや。バレたから、ここに連れてきたわけじゃないし
ショウ:帰すつもりは元々ないし
スズ:(М)スッと、細めたショウの眼光に背筋が、ゾクッとなった。
ショウ:そんなことで、こんなことしないよ……もっと、簡単なことだよ?
スズ:あ、れ?のどが、渇いて(咳払い)
ショウ:あっ、朝鮮ちゃん。やっと効いてきたか。おーそーい!
スズ:(М)ショウは、近くにあった経口補水液と書かれた、ぺットボトルのキャップを開け、目の前でゴクゴクと飲み始めた。
ショウ:あっ、欲しい?
スズ:あ、あ……くれ、くれよ
ショウ:はい、あ~ん
スズ:(М)恥ずかしさも捨てて、大きく口を開けた……しかし、ほぼ飲めなかった。
ショウ:本当に、素直すぎる。そんなんで、よく人を疑う仕事をずっとしてきたね……ウケるんですけど
スズ:ふざ、けんな、ボ……ゴホッゴホッ
ショウ:ほう、まだ威勢が残ってるんだ。プライド高いね……まぁ、ズタズタにするけど
スズ:慣れんことは、するな……一緒に死にたくないだろ?お前の役割は血抜き、解剖はリュウの担当なんだから
ショウ:へぇ、スズちの推理は、そうなんだね
スズ:や、やめ……
ショウ:大丈夫。生食、生理食塩水みたいなもんだから
ショウ:傷口の洗浄と殺菌は、してくれるから、安心して?
スズ:ダメだ……会話にさえ、ならなくなった
ショウ:この時を、ずうっと待ってた……スズちのものが、俺のコレクションになるのを
スズ:(М)俺の顔を両手で強く掴んで、無理やり天井へ向けられる。まぁ、すぐ視界に入ってきたのは、ギラギラとしたショウの瞳。
ショウ:俺、スズちの大きい目が大好きなの、特に左目(スズの鼻を力強く押える)
スズ:う、うあっ……あ
ショウ:麻酔、いらないよね?いっぱい、喘いでいいから
スズ:(М)俺の瞳に、気持ち悪いほど穏やかな微笑みが映り、金属の冷たさを感じた。