ショウ(1)
0:ある廃工場
タキ:さてと、これでやっと、アホどもが騒ぐかな
リュウ:今回も惚れ惚れするような文を、お書きになられましたね。うふふ
ショウ:ほんと、ナイスなラブレターだよねぇ。さすが、リーダー♪
タキ:ふふふ。そんなに褒めないでよ、2人とも。俺っちはいつものことをしただけだし
リュウ:ご謙遜されなくてもいいのに。最初に惚れたのは、あなたでございましたでしょう
ショウ:そうだよ!だから、たっちも楽しんで、欲しいモノもらってね
タキ:もちろんさ、とっておきのモノをいただくから……さっ、ショウ。トップバッター、よろしくね
0:数時間後
スズ:(М)ピチョン、ピチョンと雨雫のような音が、聞こえてきた。しかし、身体に付く感触はしない。雨漏りか……?
スズ:(М)こんな些細なことまで推理してしまうのは、もはや、職業病だな。まあ、伊達に、刑事をやってないことだけは、わかった。
スズ:(М)目を覚ませば、屋内だった。周りには、雑多に置かれた木材や機械が、ごろごろ。
スズ:(М)内装も、剥がれていたり、錆びていたりして、ボロボロ……使われなくなった廃工場って、とこか。まぁ、人を殺すのには、最適なとこでは、あるか。
スズ:(М)ほう。ここが、トウパイの“作業場”な。
スズ:(М)吊られているらしく、見晴らしは、すごくいい。しかも、めっちゃ静か。そりゃあそうか。雨漏りの音が、響くんだもんな。
スズ:さて、推理はここまでにして。今のうちに、逃げるか。ちょうど、誰もいないようだし、さっさと……な?
スズ:おーい、だれかー?おーい、おーーい!……これだけじゃあな(ため息)
スズ:両手を擦らせてみたら、ギーギーと音がして、身体がゆっくり揺れた
スズ:同時に、チリチリと刺さる感触がしたから、なめされていない麻縄で、縛られてるって、ことか
スズ:腕が千切れるくらい固い感じはしないから、痛みを我慢すれば、外せるか………ん?痛い?
スズ:俺は、ぼんやりとしていた違和感に、やっと気づいた。腹から下の感覚が、まったくないことに……くっそ、局所麻酔か
スズ:だから、腕を解いた衝撃で、そのまま落ちる。痛みはないものの、動けないし、落差で気絶。下手すると、死ぬな