表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
狂おしいほど愛おしい  作者: 詩音
3/12

伊音スズ(3)

タキ:最期まで、とても勇敢な女性だったよ

スズ:おまえら……ぐっ!

リュウ:夜中に騒ぐのは、近所迷惑になりますので。しかし、見た目も中身も綺麗な方だったのを覚えております

ショウ:血色も実際のものも良い献体けんたいだったなぁ、くふふ

スズ:ゆ、ゆるさねぇ……

ショウ:じゃあ、ご褒美に、良いところへ連れてってあげるから……ちょっとだけ、良い子にしててね

スズ:(М)トンッと、静かに首の後ろを突かれたのを最後に、意識がプツンと落ちてしまった。0:翌日、きさらぎ署捜査一課灰崎班のシマ

灰崎:スズのやつ、遅い……これは遅くまで楽しんだんだな。まぁ、6年走ってきたから、しょうがないか。それより、40歳で淡白たんぱくな俺がおかしいのか?

灰崎:(М)出世をし、家庭を持った俺とは違い、スズはひたすら、目の前の事件と真剣に向き合ってきた。下ネタが大好きな変態だが、犯人が女でも遠慮はしないやつ。まさに、刑事の鏡みたいなやつなんだ。

灰崎:(М)特に、トウパイには思い入れがとてつもなく強い。人生を捧げたといっても、いいんじゃないかな。

灰崎:(М)今のところ、わかっていることを整理してみる。マルがいは10~40代の女性で、5人。ホシは2人で、血抜き担当と解剖担当がいる。

灰崎:(М)2014年から、大体年に1回の頻度で1~2人のマトを殺している。

灰崎:(М)犯行は、帰り道のマトをスタンガンで眠らせ、作業場に運ぶ。そこで、全身の血を抜き、移植可能な臓器を摘出する、というもの。

灰崎:(М)なぜ、トウパイと呼んでるのかというと、何の感覚も感じられない無惨な犯行から、ドイツ語で無感覚を意味するトウパイから取ったらしい。

灰崎:(М)まぁ、最初の事件がカラオケ大会常連の10代の女の子で、血液と移植可能の臓器を摘出した後、遺跡跡に埋め、遺体を蝋化ろうかさせたんだからな。

灰崎:(М)刑事2年目のスズと刑事10年目の俺、バディを組んでから7年がたったあの時から……いや、2年前に俺が班長になってからも、変わらずに追い続けてきたヤマだ。

灰崎:(М)ホシが2人とも同じ病院で働いていて、28歳の血液内科けつえきないかの看護師と30歳の移植外科の医師とまで突き止めたのは、スズが足で稼いだ成果だ。

灰崎:スズ、もういいよ。今度はお前が幸せに(班長と呼ばれる)ん?

灰崎:(М)報告書をまとめていた班員の高橋巡査から、1枚の封筒を渡された。

タキ:“そこの刑事さん、無防備むぼうびにふらついてたから、捕まえてきちゃったよ。早く助けに来ないと、俺たちのモノにしちゃうからね。”

灰崎:(М)中には、機械的な文字で書かれた声明文が入っていた。添付されていたカードにはニコニコ笑っているイラストが描かれていた。なんで……こいつが。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ