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深海特急オクトパス3000  作者: 夜神 颯冶
 存在証明のパラドックス    
4/9

                                ─4─          



車両のあちこちにきざまれた血の痕跡こんせき



車窓しゃそうり付いた血の手形。




その合間あいまで流れるのあまの銀河。




 死と幻想。




その対照的たいしょうてきなコントラストが、

極上ごくじょうのアトラクションのさまで流れ続けていた。



その夢の狭間はざまで、ただ胸から伝わる小さな温もりだけが、

僕を現実世界にとどませていた。



胸の中の小さな命が僕に勇気をくれた。



前方の壁には大きなモニターテレビが備え付けられ、

その左右に1つづつ次の車両に続く扉がついていた。



テレビからはザーザーという無機質な砂嵐が、

延々(えんえん)れ流されていた。



その砂嵐の中から、

何かがじっとこちらを見つめている気がして、

僕は目をらす。



その嵐の向こうに、

座席に座ったままこちらの世界を見つめる、

血まみれの老人が見えた。



僕は瞬間に込み上げた恐怖に硬直し立ち止まると、

胸の中の少女が顔をもたげ、

こちらをあおぎ見ていた。



『どうしたの?』



「なんでもない」




僕はその声に冷静さを取り戻し再確認する。



前の座席にはザクロのようにはじけた頭蓋ずがい



地獄行きの座席にぽつりと老人が一人、

目を見開いたまま脳髄のうずいれ流し死んでいた。



モニターに写り込んだのはこの老人だった。



それを改めて確認する。



そして再び少女の顔を手で目隠しすると、

胸に押し付け次の車両の扉を開いた。




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