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告白のあと
ねぇ、初対面の相手に「もうあなたと会えないってわかって、悲しかった」なんて言われたら、普通はどう思うかな?
困らせたらどうしよう。
おかしな子だなんて思われたら、立ち直れないかも。
だから、こんなにも大切な話なのに顔を上げられなかった。目を見られなかった。
ずうっと、伝えたかったことなのに。
夕空の雲の影が地面に落とした視線の先を横切っていく。そのとき、
ぱたり、
と。落ちたのは、雨でも、わたしの涙でもなかった。
金木犀の花。それは酷く自然に、風に吹かれてもといた場所から零れるようなあっけなさでわたしの前に降ってきた。
彼の、息を呑むような微かな音が届く。