【開幕】幻想入りって割と唐突らしい
どもども、かれーうどんです。
最近まだセミの鳴き声がうるさくて仕方ないです。それはそうと話すネタ無いので、東方物語、はじめましょー!
突然だが、俺は嫌われ者である。
と、まぁそんな事を言う奴はメンヘラやキモオタくらいだろう。よく言えば、よくラノベにある「クールなダークヒーロー系主人公」のよく使う台詞だ。あの手の主人公ってやっぱあれだよな?カッコよかったり悟りを開いてたりして面白くない?
………あ、悪い悪い。今そんな話をしてる場合じゃなかったな。んで、実際嫌われてきたんだよね。いや厳密には避けられてきたけど。
でも仕方なかったんだよね。ちょっとした事情で避けられても仕方なかったんだよね。………まぁその話は後日詳しくしよう。
さて、そろそろ今俺のいる状況の説明でもするか。
ぶっちゃけ言うと、スッゴい奇妙な感じ。赤と紫を混ぜたような空間で、眼球が至るところにあるんだ。所謂トリックアート的な?あ、行ってみたいなんて思うなよ?そんな良いものじゃないと思うからさ?
だってこんなころ、普通気分悪くなるはずだぜ?だって見たこと無い空間にただ一人。しかも目がギョロギョロしてるところに放置でもされてみろ。混乱するか酔いそうになるだろ?
………でも、俺はそんな気分にはならない。むしろ心地よさがあると言うか、気分が良いと言うか?………あっドMじゃないぞ?……恐らく。
でもさぁ、何か見たことあるんだよね、この空間。何だっけ?よく同人誌とかでも見るんだよなぁ………えーと、確か___
「考え事してる所、良いかしら?」
……ん?今綺麗な声がしたな?しかも結構大人の声。幻聴か?いやいや、いくら性欲旺盛の俺でも流石にそこまで飢えてる訳じゃあるまいし………。
そんな事を考えてる途中、俺の目の前に何処からともなく変な裂け目出てきた。切れ目の両端がリボンで結ばれていて、後は何もない。
そこから何が出たと思う?
___少女だったのさ。
金髪ロングで腹辺りまであり、赤いリボンがついたナイトキャップを被っている。スタイルは少女とは思えないほど良く、とてもふくよかな胸がその証拠でもある。服装と言えば中華風に近い白ゴシックで、純白の日傘を差している。
顔は人形のように整っており、日本人に近い顔でもある。その見た目でと妖しい雰囲気を持ってるせいかより美しく感じてしまう__
「さて、何故自分がここにいるのか分かってないみたいね?」
ハッ!つい見惚れてしまっていた!……じゃなくて、早く答えないと失礼かな?そう思った俺は頷きながら答える。
「え、あ、は、はい!」
「正直で宜しい。まぁ端的に言えば___
貴方、神隠しに遭ったのよ」
………え?
……神、隠し?えーとそのー………あれだよね?神隠しって突然人が消えるあの……?
え?まさか俺異世界転移とかなっちゃうの?もしやもしやで俺の人生が変わるの!?こんな中途半端な年頃で波乱万丈、奇々怪々、奇想天外、吃驚仰天の展開が来るの!?
「でも安心して?私に任せてちょうだい」
おおっ何かとても頼もしい!何でかよく分からないがこの人スッゴく怪しいけどそうでもなかった!どうやら俺はとんだ勘違いをしてたみたい___
「神隠しやったの私だし」
前言撤回。犯人この人やったわ。
「まさかの犯人だったぁ!?しかもスッゴい笑顔だしぃぃぃぃぃぃぃぃ!!?」
俺はたまらず声を荒げて叫んでしまう。そのまま膝をついて絶望した。何故なんだ……何故俺なんや………他にもいたやろが………
そんな反応を見て面白かったのか、クスクスと笑ってる少女。何かムカつくなぁ……
「けど、これで良かったでしょ?あんな貴方の世界に未練無さそうだったし」
「うぐっ………それ言われると反論が………」
確かにそうだ。両親もいない、友達いない、彼女いないの三拍子が揃った俺にとっては何の未練もなかった。いや、あるとすれば今日の晩飯とゲームかな?まぁそれはさておき、俺は気になっていた質問を少女に投げ掛ける。
「………所で、ここどこなの?」
「あら、やっぱり気になる?」
「そりゃいきなり連れてこられたところがこんな奇妙な場所ですし、第一前から気になってたし…」
「そうねぇ………簡単に言えば、境界線の間、かしら?」
「境界線の間?………何か聞いたことあるなぁ………」
何かあのゲームに似てるんだよね。ほら、少女達が弾幕で戦うシューティングゲーム___あっ!!
「あ………あ…………貴女、もしや………」
「あら、知ってるの?……と言っても、そっちだと有名かしらね?でも一応名乗ってあげようかしら。私の名前は__」
___八雲紫
目の前にいる少女はそう名乗る。
その名前を聞いた瞬間、この空間の事と今いる状況について漸く理解できた。
そう、俺がいる空間は彼女___八雲紫の能力によって出来た空間。彼女はあらゆる境界線を操る能力があるのだ。その空間に今俺がいると言うこと。それはつまり___
「………俺、もしや幻想郷に送られんですかね?」
そう言うことになる。原作を知ってる人達ならこれだけで分かるだろう。だが一応頭の悪い俺が一から説明するとしておく。
八雲紫という少女は、元々は「東方project」という登場キャラである。
東方projectというのは、1996年にて同人サークルの上海アリス幻樂団によって製作されている著作物である。弾幕系シューティングを中心としたゲーム、書籍、音楽CDなどから成る。東方Projectの作品を一括して東方と称することもある。(ウィキペディア参照)
その人気はかなり広く、幅広いジャンルもあるためその人気は今になっても衰えない。所謂超人気作品なのだ。
俺も一度会ってみたいとは思ってたが、まさかこんな形で出会うとはぁねぇ………。
あっまた脱線してしまった。いかんいかんな、話を戻すぞ。
そのゲームには幻想郷という、所謂楽園があるんだ。その楽園へ行くには条件がある。神様に頼んだり妖怪の餌として生け贄になったりと、色々手段がある。その一つが、八雲紫に頼んで入れてもらうという手だ。
まぁ彼女自体神出鬼没だし、縁がないだろうと思っていたのだが……
「流石に分かってるじゃない?説明面倒だったから助かるから良いけど♪」
ウフフと笑っているが、言ってることが意外とキツイ妖怪である。………だがまぁ、それはそうとして、もう一度あの疑問をぶつけてみることに。
「んで、何で俺なんですか?神隠しするなら他にもいるでしょうに___」
「貴方、それ本気で言ってるの?幻想郷に入っても問題なさそうな存在なのに?」
「…………」
…………それを言われると何も言えなくなる。とまぁ、嫌がる理由もないし、入っても問題なさそうかなと思う。だが、どうしても俺は気になる事があるんだ。
「………それはそうと、一つ気になることがあるんです」
「あら、何かしら?」
「俺の能力ですよ。能力」
そう。それが気になっていたことだ。能力と言うのは、彼女の持っている「境界を操る程度の能力」という名前がある。俺も欲しい。出来れば欲しい。出来るだけ便利な能力がほしいんだ。
「それに関しては安心しなさいな。私が保障してあげる」
彼女はそう言うが不安である。でもまぁ仕方ないから納得しておこう。あっまた何か不安になってきたことが……今のうち聞いておこう。
「所で、今幻想郷はどんな感じで?」
「感じって?」
「いや、今誰が博麗の巫女をやってるのかな~……みたいな?」
「そうねぇ…………そこら辺は着いてからの、お楽しみ♪」
可愛らしくウィンクをされ、俺は少し戸惑ってしまう。二次創作で残念な人みたいな感じで作られたりしてるが、実際出会ってみると意外と可愛かったり綺麗だったりして………
「さてと、そろそろ行ってもらいましょうかね」
「え?」
ブゥン……と横に現れたスキマの先は暗くて何も見えない。恐らく深夜だから見えないのもあるのだろう。
「そこから幻想郷に入れるわ」
「…………本当に良いんですか?俺みたいな奴を入れちゃって………」
「幻想郷は全てを受け入れるわ。例え貴方であろうとね」
食えない表情で笑いかけ、俺は溜め息しか出ない。……まぁ仕方ない。なるようになるさ。
俺はそう不安に刈られながらもスキマの方に向き、歩き始める。
こうして俺は、少し不思議で変わった世界へと入り込むのであった____
◆◇◆◇◆◇
「____やっと入ったわね」
待ちにまったような感じで溜め息をつき、男が自分のスキマへと入ったのを確認してスキマを閉じる。
私____八雲紫はさっき入った少年の事を思い出す。
端から見ればただの高校生。嘴の黄色い雛鳥のようなもの。___端から見ればね。
(………あの禍々しい力を持つ子、人では滅多に見かけないからつい神隠したったけど、どうなることかしらね)
妖怪の賢者とも言われてる私からすれば、あんな危険な存在は見たことがなかった。もしかしたら幻想郷に危害を加えるかもしれない。だが__
「楽しませてくれるなら、それもまた一興というものね」
さぁて、今から何が起こるか楽しみで仕方ない。長年生きてきた中で楽しみ甲斐のある出来事になってきた!
そんな事を考えている私は今、酷く歪んでいるのであろう。だが幻想郷はそれも受け入れてくれる。
「___それはそれは、全く残酷なお話ね」
1話ばかりしかのせてねぇな、この作者
感想、待ってますぜ兄貴姉貴たちぃっ!!