異世界に転生するまで
はじめての小説です。
生暖かい目でお願いします
草花が生茂る昼寝したら気持ち良さそうな草原、空を見れば青空が広がる…草原の中1匹ぽつんと座っている黒い柴犬
「あぁ…なぜこうなったのでしょうか…」
ただいま、現実逃避をしている私
なぜこうなったかというとさかのぼること5時間前…
「あぁ〜今日も仕事ですか…いっそのこと異世界とかに行ってのんびりしたいですね…」
そんなことを考えている私、某ブラック会社に勤めている大峰海都35歳の独身男です。
自分のデスクで愚痴りながら、仕事を片付けているのですが、上司は5時になると仕事を私に押し付け帰宅し、新人は定時には上がらないが、仕事のミスも多くその尻拭いに回ることが多々あるのです。私が家に帰るのも24時過ぎることもしばしば。色々とストレスが溜まって今にも叫びたい気分になっています。叫びませんが。
「大峰先輩すみませんでした!また、自分のミスで手伝っていただいて…」
この土下座をする勢いで謝っているのは去年この鬼畜会社に入社した、鈴木亮太くん。垂れ下がっている柴犬の耳と尻尾が見える気がします。すごく元気がいい子なのですが、なんでも仕事を引き受けてしまい自分で処理しきれず、結局私が手伝うはめになっているのです。
「いつも言っているでしょう、自分ができる分だけ仕事を引き受けなさいと。今は、私がいるから何事もなく済んでいますが、今後はそうはいきませんよ」
「うぅ…分かっているんですけど、断りきれなくて…すみません…」
(やはり柴犬の耳と尻尾が見えます。垂れ下がって見えますが。だから私も断りきれないんですよね、柴犬好きな私ですから…)
「はぁ〜。気をつけて下さい。今日のところはこの辺にしましょう。もう、24時になってしまいますし。明日は休みですから、しっかり休んで来週からまた、頑張りましょう。」
「はい、いつもすみません…」
ちなみにこの鈴木くんと家が近く、帰りも同じ方向です。暗くなった道のりを2人で歩いていると
「あっ!大峰先輩見てください柴犬ですよ!可愛いですね」
道路を挟んでこちらを見ている黒柴がいます。
「可愛いですね。ノラ犬でしょうか?触りたいです。」
「先輩柴犬好きですもんね。たぶんノラですね、飼い主らしき人もいませんし…」
そんなことを言っていると、柴犬がこっちにこようとしています。一言言って凄く可愛い。←そんなことを思っていると、柴犬が渡っている道路から車が来ています。運転手は、寝ていて、柴犬には気付いていない様子。
「危ない!」
考えるより先に身体が動いていました。とっさに、柴犬を自分の身体で隠すように抱いた瞬間
ドンッッ
身体に激痛が走りました。
「先輩っっ!!」
(ああまた、耳と尻尾が見えます。今日はずっと垂れ下がっているような気がします。そういえば、柴犬は無事でしょうか?)
「くぅ〜ん」
柴犬は私の顔を鼻先で押しています。そして、大丈夫か?というように舐めて来ました。こんな場面ですが凄く可愛い←
(あぁ、無事で何よりです。撫でたいですが身体が動きません。きっと凄くもふもふなのでしょう←)
「先輩!今救急車呼びましたから!死なないでください先輩!」
「すずきくん、、これからは、、じぶ、、んの、、、ぶ、」
「先輩!」
だんだん視界が暗くなる中で最後に見たのは鈴木くんの泣いた顔でした。
「ここは、どこでしょう?」
気が付いたら、白い空間?にいました。試しに歩いて見ましたが、どんなに歩いても白いです。
「私は、車に跳ねられて死んだはずなのですが。」
「すみませんでした!!私のせいであなたが死んでしまいました!」
突然目の前に、白い服を着ている何故か背中に羽?が生えた女性が土下座をしていました。
「え?」
突然のことにびっくりしている私です。
「とりあえず、頭を上げてください。」
「はぃ」
取り敢えず頭を上げていただきましたが、私が状況を把握できません。普段もそうですが、余程のことがない限りびっくりしない私ですが、今はすごくびっくりしています。側から見たらびっくりしていないように見えますが。顔には出にくいのです。
「取り合えずあなたは誰ですか?あとこの状況の説明もお願いします。」
「はぃ、私はこの世界の地球の神様です。先程も言いましたが本来であればあなたはあの場所では死んでいないのです。私のミスであなたが死んでしまいまして、魂が消える前にこの空間に隔離させて頂きました。」
(話しながら凄くプルプルしている自称地球の神、何を言っているのでしょうか?…と言いたいですが実際車に跳ねられましたからね。)と思いながら黙っていると
「うぅ…自称というか本物なのですが…。本当にすみませんでした!!本来であればそのまま別の魂となりまた、地球に転生するのですが、本来と異なった人生をあゆんでしまった方は転生できずこのまま消滅してしまうのです。」
「えっ、考えていることわかるんですか?というか、私はこのまま消滅するのですか…。」
「はいわかります神様ですから。というかもう少し取り乱してもいいような気がするのですが…。今回は、私のミスなので異世界に転生していただこうかと思います。」
プルプルが収まり冷静になったのでしょうか、私が取り乱さないことに疑問を思っているようでしたが、これが私なのです。
「はぁ〜、そうですね…。分かりました。いいですよ異世界に行きましょう。」
何だかんだ、現実世界に疲れていましたので、丁度いいのではと思い答えたら
「えっ、そんなあっさりいいんですか?というか私に怒ってないのですか?」
ちょっと神が涙目で見てきますが、現実世界で疲れていたので丁度いいような気がしたので、許すことにしました。というか、済んでしまったことなのでと、自分の中ではもう終わったことなのであまり考えていないのです。
「もう済んだ方ですから。いいですよもう。」
「ありがとうございます。えっと、このまま転生するのは申し訳ありませんので、あなたの要望をお聞きします。例えば、魔法が使いたいや、人以外になりたいなど…。転生する世界は、魔法や魔獣が存在する世界です。」
最近流行っているラノベ小説のような展開だと思いながら考えています。
「いくつ要望を聞いていただけるんですか?」
「なんかでもどうぞ。流石に無理そうなのがあれば叶えられませんが…」
神様からの話を聞きながら考える。
「では、取り敢えず。柴犬(黒)で、お願いします。あとは、のんびり過ごしたいので自分の身を守れるような力が欲しいですね…。」
転生してすぐに死んでしまうのも嫌なので身を守れる力と、柴犬が好きな私が柴犬にならないことはないのです。楽しみになってきました。
「柴犬ですか…分かりました。力の方は私の方で謝罪を込めてプラスしときます。あとは、私の方で使うことがあるものを付けときます。」
何かを操作するような動きをした神。作業が終わったのか最後に
「今回はすみませんでした。あちらの世界でのんびり過ごせるようにしましたので…では、こちらの扉を開けるとあちらの世界に行けますので。」
と言い、私の目の前に扉が現れました。扉を開ける前に
「神の名前はないのか?」
「神は神ですから。名前はありません。」
神は少し困った感じで私に言ってきました。
「そうですか、これも何かの縁かもしれませんね…。では勝手に、リリーと呼ばせていただきましょう。」
私が勝手に決めると、驚いたように神改めリリーが嬉しそうに笑いました。リリーからの言葉を聞く前に扉を開けることに、目の前が眩しくなりました。
最低1日1話頑張りたいです。
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