『フィフス』ウインドガードナー1
賑わいと言う音は一つの生き物のように街の中を循環する。
本日、青の名を冠した水の都は祭り色に染めあがる。
人が笑えば連鎖して笑い、人が踊れば肩を組んで踊り、今日と言う無礼講は五日間続き、夜も眠らず賑わいと言う生物が闊歩する。
娯楽祭、天原戦争公演祭の開幕である。
「よーし皆! 準備はいい!?」
「「「おー!」」」
テレサの呼びかけに俺たち三人は手を振り上げて応える。
「天原戦争公演祭はこの街の大ホールで五日間、五つの演目に分けて魔界劇団が天原戦争の演劇を行う。魔界劇団だけじゃない。祭りの最中は多くの演劇団や音楽団、フリーのエンターテイナーが集まり、街の至る所で芸術が行われる。私たちのすべきことは何!?」
「「「外より来た人たちに一つでも多くウチの商品を手に取ってもらうことです!」」」
「君たちの役割は何!?」
「街を練り歩き!」
「宣伝をし!」
「あわよくば店に案内することじゃ!」
「その通り! 祭り中はホールに近いところに出店も構えられた。レンは男性客、アニーチカは女性客、ヤミーは子供好きをターゲットに動くのよ! ミッションスタート!」
テレサの声と共に俺たち、ヴァルハライズクラークスの祭りは開始する。




