管理者との対面
牛ホルモンめっちゃうまかった!
「ようこそ、幻影列車へ」
目の前の少女は、外見こそ幼そうだがその口調といい大人びた雰囲気を持っている。なんかアニメとかにいそうなキャラだな。だけどこういうキャラっていうのは、意外と幼いところあるんだよな~ただそれをここで言ったら100%殺されるよな!だってさっき気づいたんだけど、レウスさんさっきまでなかった刀がいつの間にか腰にあるんですけど!これってあれだよね。無礼なことしたらグサって殺られるな。と、いかんいかん。うっかり自分の世界に入ってしまうところだった。たまにあるんだよな~なんか脳内議論始めると止まらなくなるっていうか......うんうんまぁ仕方ない。
「さて、立ったままで話をするわけにもいかないでしょ。空いてる席に座って。」
席に座れって言われても、見た感じ結構高級そうなんだけど。と、恐る恐る座った。すごい!なにこれ!この椅子めっちゃ座り心地いい。一個くらいもらえないかな。
「まず、今日は幻影列車にご乗車ありがとうございます。私は幻影列車の管理者エルっていうから。普通にエルって呼んでいいよ。さて、一応聞いときたいんだけど、君たち彼女のことはもう覚えてないんでしょ?」
「すみません、彼女とは誰のことなんでしょう?」
彼女って言われても、さすがに俺そこまで友達がいなかったわけでもないから彼女って言われただけでは分らないな。
「輝覇美華君たちと同い年の子。」
その名を聞いた瞬間、右目に激痛が走った。な、なんだこれは......激痛の中、頭に何かが思い浮かんでくる。その何かを激痛に耐えながらつかもうとするがあと少しのところで消えてしまい、それと同時に右目の激痛も止まった。なんだったんだ今のは。優衣と慶が不思議そうにこちらを見ている。
「おい、大丈夫か!しっかりしろ!」
「あぁ、多分大丈夫だ.....」
しかし右目に激痛って、魔眼でも覚醒するのか。
「やっぱり、ムネモシュネのばあさんの呪いがかかっているようね。レウス、ムネモシュネのやつぶっとばしてくんない?そしたら記憶が戻ると思うんだけど。」
ムネモシュネ?確か、記憶をつかさどる神だったけな。てか今の話の内容的に、俺に呪いがかけられてるらしいんだけど。
「おいエル、あいつの近くにはメジェドのやつがいるだろ。それに、あいつを殺したところで記憶が戻らない可能性の方が高いだろ。」
あの~勝手に話すすめられまくって全然ついていけないんだけど......
「ったく、レウスはつまらないね。まぁ、いいわ。この子たちにはまずアルファの話からしようかな。」
「すみません、さっきから何を話しているのかわからないんですけど。あと僕たちそろそろ帰らないと...」
あまり気にしていなかったが、もうかなり時間がたってしまっている。そろそろ帰らないとやばい。
「敬語はなしなし!話にくい。で、そのことなら安心していいよ。今君たちはこっち側の世界にいるから。まぁ、わけがわかんないと思うけど大丈夫だからさ。とにかく今このまま帰ってしまうことは君たちにとっても良くないと思うよ。」
「いや、まったく意味が分からないんだけど。というか、あんたらは何がしたいの?俺たちにどんな用があるんだ?」
彼女の態度と言いなぜか腹が立ってしまった。しかし彼女は気にせず、
「どんな用って言われたら、そりゃ君たちを助けるためだよ。だって君たち、このまま放ってたら君たちの世界は来年の春には消滅しちゃうんだよ。それでもいいの?」
は?来年の春?消滅?なんかすごいことをさらっと言われて脳がフリーズしかけた。てか嘘でしょ、消滅とかないない。ただ、エルが嘘をついてるようには見えない。
「なぁ、ちゃんと説明してくれない?」
慶の奴が珍しくまじめな顔をしている。まぁこんな状況だったらみんな真面目になるか。
「分ったよ、じゃあはじめっから話そうか。アルファについて。」
彼女はそう言って話し始めた。もう一つの世界のことを......