双子のシンクロニシティー
ある不思議な双子の姉妹がいた。
片方が怪我をすれば、もう片方にも同じ場所に傷痕そっくりの痕が浮かぶ。
片方が悲しくて泣き出せば、笑っていたはずのもう片方も急に悲しい気分に襲われて泣き出してしまう。
それはどんなに離れていても、二人に同じことが起った。
やがて双子の内、姉が嫁入りして妹とは離れ離れになった。
嫁に入った姉の話だが、旦那との間でなかなか子宝に恵まれなかった。
そこで夫婦で検査をしてみると、妻は妊娠しにくい体質だという事が判明した。
夫婦は一縷の望みをかけて体外受精を行いもしてみたが、それも失敗に終わった。
それから半年後、妻は旦那を連れて実家に久しぶりに帰省した。
「これ、お姉ちゃんのでしょ」
そこには、大きくなったお腹を自分でさする妹がいた。