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零日目-02 最期のモーニング

二年半ぶりに引っ張り出して投稿しようとしたら4日もズレていた……だと………………どういう……ことだ……?

ピピピピッ ピピピピッ ピピピピッ


 目覚ましが朝の到来を無機質な電子音で告げる。僕は静かに目を開け、上半身を起こし足をベッドから下ろした。一般的な起床だ。

 僕は更にその足でクローゼットに赴き、寝間着から半袖ワイシャツの制服に着替える。


「兄さん、弁当出来たから先行くねー。行って来まーす。」


 靴下を履き終えた頃に、下から静次の声とドアが開閉する音がした。

「いってらー。」

 と、僕は弟に適当に返答してクローゼットを閉め、完全防水を売りにした鞄を肩に掛けて、自分の部屋を出た。

 階段を下り右に曲がる。その先のリビングダイニングキッチンのテーブルには、青色の布地の唐草模様の風呂敷に包まれた弁当箱と、六枚切りの食パン二枚の乗った皿と、朝刊が置かれていた。僕は仄かに冷たい食パンをオーブントースターに入れてツマミを少しだけ回し、冷蔵庫からマーガリンを取り出して食卓に置き、朝刊の流し読みを始めた。


 通り魔事件 今月8件目 潟瀬

 新法案の九割 参議院で否決

 小中学生の学力 世界第69位

 不法滞在者数 再び15万人超

 台風4号 明後日には東京へ

 小麦畑一夜にして消失 米国

 堀々結花&瓦文杉 熱愛発覚

 ドラマ「疑妹」最終回 延期


 見出しが暗い。流し読みをしてもはっきり分かる程度に暗い。一般的なワイドショーと比較するならば一般的な蛍一匹の光と太陽光で例えられる程に暗い。とにかく朝刊の全ての見出しが暗い雰囲気を放っていた。

 この調子で本文も流し読みしていくと食欲不振になりそうだと考えた僕は、直ぐに朝刊を閉じた。

チーン


 丁度よく、そう、まるで狙っていたかのようなタイミングでオーブントースターがタイマーを鳴らした。僕は閉じた朝刊を回収袋に投げ入れて、オーブントースターから食パンを皿に移した。

「いただきます。」

 椅子に座り、マーガリンの蓋を開ける。そしてマーガリンを食パンに塗りたくった。

 角の方から食パンにかぶりつきながら、ふと、時計を見る。

 時計の短針は8の数字に近い位置を、長針は4の数字を指し示していた。時計に間違いが無ければ、現在時刻は八時二十分だ。

 寝坊した。ホームルームまであと五分しかない。僕にゆっくりパンを食べている暇なんて無かったのだ。

 僕は一枚の食パンをいちどに口に入れて、そのまま台所に行き、手酌で水と一緒に食パンを流し込んだ。一般的な視点で見ると行儀が悪いが、今はそんなこと気にしていられない。どうせ誰も見ていないのだ。

 更に僕は鞄を再び肩に掛けて、もう一枚の食パンを口にくわえ、制服のポケットから家の鍵を取り出しつつダイニングの電気を消して、玄関を出た。玄関を出たことによって我が家は無人となったため僕は鍵を閉めた。

 外は雨だった。梅雨だから仕方無い、という意見が通用しないほどの大雨だった。昨日から降り続いているこの大雨のせいで、一部交通機関は停止している。にも関わらず、僕の通っている高校は休校の報せを出さなかったのだ。なので、僕は車道の冠水している横を滑らないように且つ普段通りの速度で走って行かなければならない。

 と、ここで僕は気付いた。僕が今、一般的な長靴ではなく普段使っている通気性抜群の白いスニーカーを履いている事に。そう、これではスニーカーとその下に履いている靴下が水分を多量に含み、走行の邪魔となってしまう。だがそんな事に構ってなどいられない。僕は走り出した。

 長靴の置いてある玄関は扉を隔ててすぐだった。しかし今から靴を履き替えれば、ホームルームに確実に遅れてしまうだろう。スニーカーと靴下の清潔感と皆勤賞、どちらを犠牲にするかと聞かれたら、僕は清潔感を犠牲にする。高校に着いたらスニーカーと靴下を乾かして、帰ってからそれらを洗えば済むことだ。まあ、家事全般は静次に任せているのだが。

 そうして走っているうちに、前方に小さな公園が見えてきた。高校から徒歩一分程度の距離にあるものなので、同じペースで進んでいけばホームルームに間に合うはずだ。それと同じくして、前方から光が迫ってきていた。一般的に考えて、車だ。こんな天気だというのに。車は盛大に水飛沫を歩道まであげながら道路を直進して、僕とすれ違った。

「うわっ!」

 僕は水飛沫を避けようとしたが、範囲の広さと歩道の狭さがそれをさせてくれなかった。なので咄嗟に防御の構えをとったものの、結果として僕は濡れ鼠となった。仕方がない。高校に着いたら全部服を脱いで干そう。幸いにもジャージが置きっぱなしだったはずだ。下着の替えは無いが、今日ぐらいなら割り切って我慢できる。覚悟を決めて、次の一歩を踏み出した。

 踏み出した先にあったのは、マンホールだった。しかも何故か蓋がない。このままでは、足がマンホールによって何らかのダメージを受けて、ホームルームまでにたどり着くことが出来なくなる。瞬時の判断で僕は一旦踏みとどまった。

 そう思ったのも束の間、足が滑って、つま先はマンホールの縁を離れた。もう片方の足の勢いで僕は一般的なギャグ漫画のように見事な回転を決めて、頭からマンホールに突っ込んでいく。その不運な過程の中で僕は思った。ああ、そういえば昨日の夕飯は餡掛け炒飯だったな、と。

よくもぬけぬけと戻ってきたな!?

こんな文章量なのに!?

結局主人公のプロフィール分からなかったじゃないか!?

また失踪ですねわかります!?


つもる話はともかく!

次回『異世界生活の始まり』

現れる麗しき神! 容赦なく突き付けられる異世界の惨状! 主人公に与えられるチート能力!

それだけ。

空白が長くとも未だに無計画です。

もしあったら次からは26日投稿にしたいと思います。

尚サブタイトルと内容は予告なく変更される予定があります。

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