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第3話 旅に出よう。

昨日は結局、ビールを3杯も飲み、みんなで乾杯の歌を歌ったり、お勧めの料理を味見させてもらったり…

朝起きると、水分の取り過ぎで目が腫れていたが、すごく楽しかった!!


店のお姉さんにうまいビールを聞いていたら、飲んでいたおじさんたちもノリノリで話してくれた。

「うちの店はエデルガルトの醸造所のビールなんだけどね、あたしのお勧めはアーデルトラウトのビールかなあ。」

「いや、俺はブルクハルトのが好きだなあ、さっぱりして。」

「え~コクがあった方が美味いっしょ?エッカルトの飲んだことある?」

「いやいや、俺なんか出稼ぎであちこち行ってビールも飲んだけど、ここのビールを飲むと、ああ、帰ってきたなあ、って思うぞ?」

「ああ。」

「そうだなあ。」


結局のところ…みんな自分の地元のビールが好きなのね。


ビールねぇ…面白い!美味いし!


アルコール税の徴収簿を見てきて、ワインやビールの醸造場は国内にいくつもあるのは知っていた。そのうちのいくつかは視察に行ったこともあるし。


よし。ビール飲み比べの旅に出よう!時間もあるし。


元々、国外に出る気はなかった。許可書もなしでの出国がそんなに簡単だとは思っていないし。逆にそんなに簡単だったら、国防力を問われちゃうわよネ?


…しかも、いつかは起こると思っていた第一王子の迷走事件も、陛下が隣国の王太子殿下の結婚式から戻ってきたら、早々に決着がつくだろうし。早くて3か月、まあ、かかっても1年。


奴の今度のお相手が子爵家令嬢だとは知っていた。

陛下が第一王子をあの子爵令嬢のアルマ嬢と結婚させるのは必須。子供出来たって言っちゃったし、公の場での発言だし。覆しようがない。


…ただ、そのまま、陛下の、というより奴の母君である王妃陛下の思惑通り第一王子を王太子にするのかと言われれば、それはどうだろう?する気ならとっくに立太子させているはずなのに保留にしているところを見るに、陛下もおバカさんではないはず。まあ、そのために私が人身御供のように小さいころから徹底的に教育されたわけだし。アルマ嬢をこれから教育する?婚約者のいる男と子ができるようなことをした王妃って…?


どうしても避けたいのは…現王がそうであるように、寵妃を王妃にして、実務を賢妃と呼ばれている側室殿に任せている体制である。私が慌てて逃げたのは、そこ。

たまったものじゃないわよね。一生尻ぬぐいの日々なんて。


賢妃の息子である第二王子を呼び返すか?


まあ、妥当な線だろうな。私が本当に小さい時に見たきりだが、噂に聞いたところによるとまともな人らしい。第一王子と同じ年のはず。

王太子指名争いを避けるように、12歳ぐらいからフルール国に留学してしまった。それ以来、一度も帰ってきていない。


…賢明な策だと思う。


まあ、私にはもう関係ないけどね。

ほとぼりが冷めたのを見計らって、家に帰って、領地で静かに暮らそうと思っている。


さて、国内の地図は頭に入っている。

まずは、一番北にあるエッカルトの醸造所に行ってから、南下してこようかな。








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