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第17話 新しい縁談?

あの後、家族と再会し、陛下に謁見して、頭を下げられた。


第二王子、ヘンリック様の戻る条件が、王妃の幽閉と第一王子の王位継承権の放棄だった。本人が放棄しなかったから、はく奪になったらしい。


貴族籍は速やかに復活されて、私はまた、イグナーツ侯爵家の娘に戻った。

実家には事細かく私のことについて報告が入っていたらしく…時期を見て呼び戻す、ということまで告げられていたらしい。


私の自由は…掌の内、かい?


ヘンリック様の補佐官として翌日から仕事を始め、解雇されていたメンバーを集めなおし、この半年間の間に適当に処理されたとしか思えない事案の再処理と、書類の整理。予算の組みなおしと、裏付けのない出金の精査と損害賠償…不正出金は驚くほどの金額だった。もれなく支払わせたけど。


マルガレータ様が中心となって、王妃の指示したと思われる事件の洗い出しも進んでいる。関係者はとっくに牢に確保してあるし。まあ、時間の問題だろう。


…同じくらい時間の問題なのは…国王陛下の引責辞任、だろう。


いくら世論が騒いだと言っても、いくら王妃の権限といえども、裁判も待たずに侯爵を処刑し、没収させたのは重大な問題になる。たとえ…陛下が蚊帳の外であっても。


今回の、反論した(正論を言った)宰相殿を暴力で抑えようとしたこともかなり衝撃的だ。王妃だからって、何をやってもいいわけじゃない。


…どちらの問題にしても、止めきれなかった陛下の責任は大きい。


「そうなのよ。時間の問題よネ。あまり長引かせるのも得策ではないわ。王妃が使い込んだ経費についても洗っているけど、大変な金額だしね。ま、知ってたけど、口出しできなかったわけよ。」


なんてことないようにマルガレータ様がつぶやく。


「落ち着いたら早々に、ヘンリックの戴冠式かしらね?どう?フィーネちゃん?気が変わらないかしら?」

「変わりませんね。申し訳ございません。」

「そお?」


マルガレータ様が頻繁にお茶に呼んでくださる。その度にこの話題だ。


「フルール国から、王女殿下をお迎えするのが、今のブリア国に最良の策だと思います。交易も増えますし、国同士も安定します。スペーナ国へのけん制にもなります。慶事で世の中も盛り上がりますしね。ヘンリック様も長いことお世話になっていたことですし。」

「だって、あの子はまだ15歳よ?」

「来年は16歳になられますから。」

「だってだって、フィーネちゃんは18歳でしょう?うちのヘンリックにちょうどいいと思うんだけど?」

「……」


そのタイミングでこの方ににっこり笑われると、少し怖い。

いつも同じあたりで、ヘンリック様から助け船が入る。


「また窓から逃げられますよ?母上。」







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