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第14話 お迎え。

さて翌日。


新聞はこのあたりには昼頃届く。

道路事情を考えるとまあ仕方がない。


支配人に暇を貰って、新聞を持って事務所に駆け上がる。いったい、ラースの言ったことは何のこと?いつも使っている机に向かって、新聞を開く。


【王妃幽閉!新体制を批判した宰相を拷問か?第一王子を王太子にしようとして画策した10年!】


【第二王子が王太子決定か。第一王子、ついに王位継承権はく奪!王妃は幽閉か?】


あらまあ…思い切ったことをしたわね。


そもそも、いくら第二王子を政治の舞台に引っ張り上げても、王妃と第一王子がいたら足を引っ張られるのは必然。命さえ狙われる可能性がある。宰相殿がそうされたように。…大丈夫だったのかしら?


画策した10年?

10年前、と言えば、第二王子がフルール国に留学したタイミング。あの時…そう、第二王子派だったサムエル侯爵が…<第一王子>を毒殺しようとして…裁判を待たずに処刑されて…爵位はく奪と領地没収…それから公には誰も第二王子を推すことはなくなった。それが王妃の画策だとして…


…え?第二王子って、誰?

名前は知っているわ。ヘンドリック殿下。


王城に10年近く上がっていた私でさえ、今の第二王子の顔は存じ上げない。幼少時の肖像画を見たような気がするけど。

彼自身、ブリア国に寄り付かなかったし、絵姿さえ出回らなかったし…私の居たのが第一王子側だからと言っても、誰も口にしなかった。


え?ちょっと待って。第一王子が命を狙われたのよね?


私が王城に上がったのは、第二王子が留学した直後の10年前。その頃から第一王子は王妃がべたべたに甘やかして、能天気だったわ。命を狙われて、毒で苦しんだとは思えないほど…ある意味、大物?一度、命を狙われたんなら、本人も周りももっとピリピリしない?たとえ犯人が見つかったとしても。


え?じゃあ、ラースって、誰?

もしもよ?第二王子の従者だとしたら、国内の貴族の子息のはず。私の記憶の中には…該当する貴族子息はいないわ。たとえ庶子でも覚えているもの。


…王妃の罪状は追って明かされるらしい、あれも、これもそうに違いない、なんて記事が続く。ほとんどは憶測だろう。いわゆるゴシップ紙の日日新聞の方がより具体的に書かれているのが意外だと思いながら、読み進む。


その、日日新聞の次の文章にくぎ付けになる。


【逃走令嬢が王妃候補か?賢妃呼び戻される】


え?


どういうこと?


コンコンッ、と事務所のドアがノックされる。テオ?


「フィン様、王家からお迎えの馬車が到着いたしました。何も持たずにお乗りください。」


「…テオ?」


「ラース様から申し付かっております。」






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