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第3話:空港内散策、そして

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜




H空港内のあまりの広さに、彼女は戸惑っていた…。


 それもそのはず、都心部を含め最大級の広さを誇るこの空港は三棟に分かれており、国内線・国際線は当然の如くあるのだが()()()()のサービスが豊富すぎる故、一棟一棟がデパート並の規模なのである!(ちなみに彼女が今いる棟は他の棟よりも規模が広く、地下1階から数えたら最大8階もあるのだ。)


(・・・・・ハッ! いけない すっごく広かったから、つい驚いちゃってた… とりあえず荷物受け取りに行かないと)


 少し呼吸を整えた後近くにある「手荷物受取場」へ行き待つこと1分少々、特徴的で大きな彼女のキャリーバッグが流れて来た。 色は桜色のパステルカラーなのだが、母が「他の人のと間違わないように」と心配し()()()のステッカーをデカデカと目立つ箇所に貼ったのだ。


無事に()()を受け取ってから、ふとスマホの時計を見る。


(13時15分かぁ…… まだ時間もあるしお腹もすいたし、お昼ご飯食べよっかな)


 約1時間25分後に来るリムジンバスに乗る予定なのだが時間に余裕があるので昼食を摂る店を見付けつつ、歩みを進め空港内を散策し始める。


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「呢件事之後我哋要去邊度…?/冇錯,我哋去睇吓嗰座出名嘅塔啦!!」


「Heus, quo in terris eat……/Nos paenitet nos observare exspectantes, ad balneo!」


 国内線の棟だと言うのに他国の言語が飛び交っており「きっと、日本国内を長期に渡り旅行中なんだろうな」と思いつつ歩いていたら、目の前を(はかま)を履いた集団が横切った。


(へぇー 弓道? 剣道の遠征かなぁ……?)


 物珍しそうに集団の方を見ていると、何やら集団の左側辺りから視線を感じたので、ふとそちらに目線を向けた。


「・・・・・。」


(えっ……何あの人 目つき怖っっっ!!)


 目付きが悪いその人は、彼女のことをじーっと見つめていた。 そして何か言われるのかとたじろいでいたら、何も言わず()()()その場から立ち去ってしまった…。


(………??)


 妙な出来事に多少の不安感と不思議に思いつつも散策を続けていたら、お洒落かつスタイリッシュなサンドイッチ店を見付けた。


(美味しそー………そうだ、ここにしよっと!)


店前の自動ドアがスムーズに開く。


「いらっしゃいませー」


 店内に入るとカウンター席ばかりであまり広々とはしていない様だが、空港内の店舗なのでそれは仕方が無いのだ。

 その分入ってすぐの場所に店員がサンドイッチを作るスペースがある事に興味を示した彼女は、その過程をしばらくの間見入ってしまった。


「………あのお客様、御注文は何にしますか…?」


「……あっ!ごめんなさい えぇーっと───」


 初めて利用するので種類やシステムを知らず、しばらく迷い考える。


「…じゃあ BLTのセットで、飲み物はアイスティーとポテトはふつうで……っと、生地はゴマ入りので野菜は多めで、、、それとドレッシングはマヨネーズでお願いします…!」


「分かりましたー、、、ではこちらのレジでお会計が済まれたら横にズレてお待ち下さーい」


「わっ分かりました(これがセルフレジなんだ……初めて見たぁ…)」


 初めてのセルフレジでの会計が終わり、注文した料理も出来上がったみたいで受け取った後に着席し、いざ実食。


(((いただきまぁーす!)))


 まずはサンドイッチを口いっぱいに頬張る、すると(たちま)ちに生地の香ばしさ、野菜の瑞々(みずみず)しさ、肉の旨味が口の中で一気に広がりまるで楽しくなるハーモニーを(かな)でているかの様であり、それを支えるマヨネーズのまろやかな風味も良いアクセントだ。

 続いてポテトも食べてみる。 一口サイズで調度良い大きさに切り分けられておりオマケに皮付き、味付けはシンプルに素材その物の味わいを引き立てる塩だけで、食感も熱々でホクホクとしており絶品だ。


(あつ)っ…!」


 冷まさずに食べたせいか思わず声が漏れる。 味が気になって急いで食べたので一瞬自分が()()なのを忘れてしまっていたのだ。

 少し焦りながらアイスティーを一口、二口飲み口の中を冷やす。


そうしてゆっくりと、しばらく食べ進め完食した後


「ごちそーさまでしたっ」


と満足そうに感謝の意を込め、声に出した。




 店を後にし、まだ40分程時間に余裕がある事に気が付きフロア内の店等を見回る。 このフロア内だけでも十分なくらいの数の店があり、全部の棟を巡るとしたら丸一日はかかるであろう。

 そうして散策を楽しんでいたのも束の間、()()()()になっていた事に気が付き急いで棟の外に出て向かう。 バス乗り場は外に出た通路の一番端っこにあるので足早に向かい、何とか辿り着いた直後にバスがやって来た。


「「「 T市方面行きぃー、T市方面行きぃー 」」」


 車掌にバス下方部のトランクルームにキャリーバッグを入れてもらい、事前にチケットを購入していたのでスマホの画面を提示し乗車。


 これから向かう場所は、明日から通う「都立充心高等学校」の最寄り駅だ。 学校自体も都心部から離れており、今から向かう最寄り駅までも空港からだと約1時間半はかかるのだ。


───そうして、再びバスに揺られる小旅行が始まったのであった。


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 乗車したリムジンバスは空港内のロータリーから出た後海沿いを走り市街を抜け、しばらくすると高速道路に乗り始めた。

 車内の窓から見える風景はというと様々なビルや店、看板、車等が見れ地元では味わえない“視覚的楽しみ”がそこにはあり、飽きずにずっと見ていられる程であった。


 童心の様にワクワクした気分で見ていたらあっという間に時間が経ち、車内アナウンスで目的地の駅の名が出たので降車ボタンを押す。


 無事駅のロータリーに到着したバスは大きな溜め息をつくかの様に停車した後、重々しい機械音と共にその大きなドアを開く。

 シートベルトを外して座席を離れ運転士にお辞儀し、バスを降りる。

 外に出て収めていたキャリーバッグを車掌から受け取り最後に「ありがとうございました」とお礼を言いつつこれからの目的地を再確認していた最中、バスは力強いエンジン音と排気音を響かせながら次の目的地まで乗客を乗せ走り去った。




・「都立充心高等学校前」

最寄り駅の名は至って普通だ。


 だが駅前と言うのもあってか店も多く栄えており、あちらこちらに自然が程良くありつつもその近辺には大きな幹線道路も通っており、改めてこの駅までのアクセスの良さが伺える。


 駅の南側から約3分程歩いた場所に学校があり、更にもう3分程歩いた先に学生寮があるのだ。

 軽く街を散策する様な気持ちで歩いていると、学校が見えて来た。


「ここが、明日から(わたし)が通う学校かぁ…」


 現時点で在学中の生徒数が約700名はいて、この近辺の学校とでは比較的多い方なのだ。

 下校中の生徒がチラホラと見えるのを横目に歩いていたら、()()()()()である学生寮にようやく到着したのであった───。




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※急な話ではございますがこれからのお話で新しい登場人物を出していく予定ですので、とりあえず今出ている主要人物達の特徴(イメージ像)だけでもこの“後書き”に、参考までに書き載せていこうかなと思います。

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○主人公:猫野好芽(ねこの このめ)

・見た目:中性的な顔立ち、猫目、髪型はショートボブ(※髪色は黒、前髪はパッツン、後ろ髪は長め、くせっ毛で全体が所々外ハネ状態)、首元には黒と銀のチョーカー(※黒部分はスエード素材)、身長151cm


○母:(すず)

・見た目:顔立ちや目は普通、髪の長さは肩までくらい(※茶髪)、体型はスレンダー、元ヤンに見られがち、身長155cm


○父:悟朗(ごろう)

・見た目:整った顔立ち、眼鏡(※外したら猫目、主人公のは父親譲り)、髪型は清潔感のある短髪(※くせっ毛なので伸ばしたら大変な事になる)、身長171cm

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