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天国にいるチビに

作者: まさのし

チビ、元気か?

親父もそっちにいっただろ?


久しく墓参りもしていないから親父に謝っといてな。


子供の頃チビがそっちに逝ってから俺は犬を飼えなくなった。

今でも飼えない。


またいつの日か、あの日のように尊い命が失われる場面に立ち合うと思うと、どうしても犬を飼う気持ちに成れない。


猫でも亀でも、あの日から私は生き物が飼えなくなった。


あの時のお前の元気な姿、可愛い瞳が脳裏に焼き付いていて、いつでもお前を思い出す。


外でお前の仲間達を見るととてもかわいくて、また一緒に暮らしていきたいと思うけど、出来ない。。


恋と同じで、昔の恋を忘れるには新しい恋をすると忘れられるって言うけど、お前のことも同じで、他の犬を飼えばお前を忘れられるのか??


違うと思う。。

忘れたくないし、忘れられない。


俺はお前を忘れたくて他の生き物を飼おうと思ったことは一度もない。

いや、一度位ある。。寂しい時、悲しい時、辛いとき、生きていくなかで越えなければならない壁に当たったときに君の優しい瞳が恋しくなる。

そして、気をの代わりを探すこともあった。

でも、君の代わりになる犬が見つからない。。


命あるものと生活を共にしていると、いつかその命が絶える時にまた、あの悲しみと苦しみを味う事が怖くて、あの辛さに耐えらそうにないから、あの切なさに打ち勝つ事が未だに出来そうにないから?今もそしてこれからも何も飼えないと自分では思っている。


なぁチビそっちは楽しいか?

仲間はいるか?


あの日のように大きな尻尾を振って元気に走り回ってるか?

そっちは雪は降るか?

雨は降るのか?

彼女は出来たか?

お前の子供は?

聞きたいこと、話したいこと、沢山ある。

そしてあのときのように君を抱き締めたい。


チビ、そこにいるばぁばとじぃじはやさしいか?


ちゃんとご飯食べてるか?

チビ。


いつか、いつの日か

おれもそっちにいく。


今はどうやって逝くか考えてる。


何のための人生か答えがわからなくなっちまった。


そっちにいったらまた遊ぼうな。

また、かくれんぼしような。

チビ。

俺の大事なチビ。

俺を覚えてくれているかな。

チビ。


お前に会いたい。

もう一度君と野原を駆け回りたい。。





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