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4.はじめまして

 皇后陛下のお言葉に従って、ご婦人方は 子どもから離れていきます。それぞれに付いていた侍女が テーブルへと案内します。


 母親が離れていくお子様たちですが、ほとんどのご令息は 動揺せず立っていたり 元々面識があるのか 数人で集まられているようです。さすがは 初回から参加される方々です。

 数人、母親から離れるのが不安なようですが なんとか宥めたりすかしたりされて もじもじしながら立っていました。

 ですが一組だけ、母親も離れがたいようで 一緒に残っていますね。これは・・・ まだ出席すべきじゃなかったようですね。さぁ どうするのでしょうか。


 片や ご令嬢方はというと・・・

 これは 酷いですね。ほとんど母親から離れません。皆様 5、6歳の方ばかりで それより上は2人くらいではないでしょうか。ご令息と違って 女の子なので可愛ければ許されるとでも思ったのでしょうか。それとも 一度たりとも機会(チャンス)(のが)さない!! と思ったのでしょうか。


 そんな中、

「じゃあね、ニアちゃん。母様は あちらに行くわね。ニアちゃんも、楽しんでらっしゃい。」

 と言って、ほっぺをナデナデ。今日は お互いドレス姿で 髪もセットしているので、ハグも 頭ナデナデも ほっぺにチューも無しです。


「はい。かあさま、わたし ともだちひゃくにんつくります。」

 ガルデニアはにっこり答えます。やる気満々です。


「ニアちゃん。今日は20人も居ないから、ほどほどにね。」

 と、公爵夫人も微笑んで 歩いていきました。


 そんな母親の後ろ姿を しばらく見つめていましたが、音もたてずに 歩き始めました。


「はじめまして。フェルチェこうしゃくのむすめ ガルデニアともうします。」


 一番近くにいた 母親にくっついているご令嬢に話しかけました。ですが、ご令嬢は じっと見つめるだけで挨拶をしようとしません。

 相手は、筆頭公爵家のご令嬢です。このままでは大変だ!と思った母親は 慌てて膝を折ります。

「ご丁寧にありがとうございます。(わたくし)は、パサンテ伯爵の妻 レルティッチ=パサンテと申します。こちらは、娘のシレンチナです。お見知りおきを。」


 シレンチナは 母親に後ろからつつかれても まったく礼をとろうとしません。これは無理そうです。なので次です、次。時間がもったいないです。

 と ガルデニアが動き始めた途端、シレンチナは なんと ガルデニアを押しのけて走っていきました。


 「!」

 軽く押されただけですが なにぶん3歳の女の子です。倒れそうになりますが、寸前で 騎士の方が支えてくれました。騎士様 凄いです。いつ来ました? しかも 先程案内してくれた騎士の方でした。


 パサンテ伯爵夫人は 顔面蒼白で微動だにしません、というか出来ません。当たり前です。公爵令嬢を 伯爵令嬢が押したんです。大事なことなので 付け加えて 二度言いますよ。()()公爵家のご令嬢を ()()()伯爵家の娘が押したんです。子どものしたことだから とか、お詫びで済む話 ではありません。


 近くに仕えていた侍女も、本人のガルデニアでさえボーゼンとしています。ただし、ガルデニアの頭の中は『あのこ うごいた!』ですが。

 騎士の方も この場をどう納めれば良いのか判断できないでいました。

 身分によって行動を変えなければいけない。とはいえ 通常は “子どものしたこと” で悪質でない場合は穏便に済ませます。

 ですが今回は、貴族社会の “分別(ふんべつ)” がとれる子だけが参加出来ているので 子どもだからということでは許されません。


 この辺りだけ、時間も空気も止まったようです。

 どう納めるのが正解なのでしょう。誰が どう動けば良いのでしょうか。




「よかった。シレンチナさまは おげんきになったようですね。」

 という可愛らしい声が 最初に聴こえて、伯爵夫人に にこー と笑ってから ガルデニアはふり返ります。


「きしさま。また そばにいてくれてありがとうございました。」

 と、綺麗なカーテシーを披露します。本番に強い子です。

 そうして ガルデニアは、別のご令嬢のところへ歩いていかれました。


 残された大人たちは、更にボーゼンとして しばらく動けません。



 さて、シレンチナ嬢は どうして急に動きだしたのでしょうか。走っていった先を見てみると ほとんどのお子様たちが集まっています。

 ですが、あれでは 小さなガルデニアが行っても 気付いてもらえないでしょう。なので、小さなガルデニアは 小さなことから コツコツとすることにしました。

 つまり、次も 一人で居るご令嬢がターゲットです。

 お友達20人!! 父親のフェルチェ公爵も期待してるので、頑張らなければいけません。



 見つけした!

 あちらのご令嬢に、ロックオンです。


 お母様のドレスの陰からではありますが、今度のご令嬢は挨拶をしてくれました。

 ソリータ伯爵家のティミーデ様とおっしゃって、殿下と同じ5歳です。オレンジ色の髪をツインテールにして、茶色い瞳の大人しそうな女の子です。

 これは 初めてのお友達いけるんじゃないでしょうか。ガルデニアがもっと話しかけようとした時でした。




「はじめまして。」

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