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17.あいしょう

このページにきていただいて ありがとうございます。


今回 ほぼ会話文の為、かなり読みづらいと思いますが お許しください。

「今日は、急な訪問を許していただき ありがとうございます。」



 皇帝と公爵が 私室で会話をした翌日、皇帝の願い通り ジェントーレ殿下は公爵邸に訪れました。

 ただし、

 『登城した公爵が、間違って自宅の書類を持ってきてしまったので 従者が馬車で 一度 公爵邸に帰らなければならなくなった。』

 という小芝居をして、皇子殿下と護衛の一人が 誰にも気付かれないようにして馬車に乗り込み 公爵邸に訪問したのでした。

 なので、帰りも この小芝居はしなければいけません。


 目立たない服装で公爵邸に訪問した殿下は、静かに邸内に入りました。

 扉を閉めてから、改めて御出迎えです。


「ジェントーレ皇子殿下、ようこそいらっしゃいました。」

 代表して、フェルチェ公爵夫人が御挨拶します。


 本日は御忍びということで 仰々しくはせず、夫人の他には 令嬢のガルデニアと 家令のエルガー、マルニタを含めた数名の侍女だけでの御出迎えとなりました。


「今日は、急な訪問を許していただき ありがとうございます。」

 皇族として頭を下げられないジェントーレ殿下ですので、目線を少しだけ下にさげて礼を表します。


「こちらこそ。わざわざ御足労くださり ありがとうございます。

 どうぞ ごゆっくり御過ごしください。」


 その後、弟のカルティーボが少し体調が悪いので 夫人は同席できなくなった。という筋書きをなぞり、代わりに エルガーが殿下とガルデニアを 庭園に設けたテーブルまで案内し 付き添います。



「ガルデニア嬢。一月も会えなくてごめんね。」

 少し困った顔で、殿下が謝ってきました。


「 いいえ。  きょうは わざわざきてくださってありがとうございます。」

「こちらこそ ありがとう。元気だった? 」

 今度は、愛しそうな微笑みを浮かべて訊ねます。


「はい。  おうじでんかは おげんきでしたか? 」

「今日は とても元気だよ。やっと ガルデニア嬢に会えたからね。

 ところで、ガルデニア嬢は、普段 邸にいるときも そんな風に話すの? 」


「? えっと?  おきゃくさまがいらしたときは 『はい。』です。」

「じゃあ、お客様がいない時は? 」


「えっと。  かんがえないではなしてます。」

「そうか。じゃあ 僕と二人で話すときも 考えないで話してくれる? 」


「  でも  それは いいのですか? 」

「僕が 普通に ガルデニア嬢と話したいんだ。もちろん、周りの目がある時は お互い無理だろうけどね。

 難しいことを言ってるけど 分かるかな? 」

「う~ んと・・・ たぶん。」

「じゃあ、僕が『デー』てよび掛けた時は 話し方を気にしないで 会話してくれる? 」

「でぇー?? 」

「ガルデニア嬢の愛称だよ。会えない間に考えていたんだ。

 僕に 愛称で そうよばれるのは 嫌かな? 」

「えっと・・・ わたしのあいしょうは 『ニア』だもん。」

「ふふっ。そうだね。皆から『ニア』とよばれて、可愛がられているね。

 だから、『デー』とよぶのは 僕だけ。僕だけの 愛称にしたいんだ。」

「『デー』・・・ 」

「『デー』は 嫌? それとも、僕に 愛称でよばれるのが 嫌? 」

「うぅうん。いやじゃない。『デー』て いやじゃない。」

「僕からよばれるのは? 」

「でんかから よばれるのも いやじゃない。なかよしみたいで うれしい。」

「! 良かったぁ。うん。僕は、デー と仲良しになりたいんだ。」

「はい。」

「いっぱい、いっぱい 仲良くなりたいんだ。

 だからね、デーも 僕のことを 愛称でよんでくれない? 」

「でんかを あいしょうで? でも・・・」

「ふふっ。ねぇ デー気付いてる? 今 僕と 普通に喋ってくれてるんだよ。」

「あれ? ほんとうだ。ごめんなさい。」

「ふふっ。だから どうして謝るの? 僕が そうしてほしいのに。今 とっても嬉しいのに。」

「うれしいの? 」

「うん。とっても嬉しいよ。だから デーお願い。そのまま喋って。」

「うん。わかった。」

「デー ありがとう。」


 ニコニコ。にこにこ。二人とも、とても自然な笑顔で笑い合います。


「そうだ! だから、デーにね。僕のことも 愛称でよんでほしいんだ。」

「でんかの あいしょう? 」

「そう。僕は 家族からは『ジェン』て よばれているんだ。」

「『ジェン』。」

「うん。ジェントーレだからね。」

「じゃぁ 「でもね、デーからも ()() がいいんだ。

 だから『フィー』! 」

「ふぃー? 」

「そう。『フィー』。

 僕の本当の名前は、ジェントーレ=モッツァフィア=ルナルコバリ というんだ。王族はね、セカンドネームをつけられるんだ。」

「せかんどねーむ? 」

「もう一つの名前、とでも言えばいいのかな。とても重要な時にしか使わない。だから 公表もしていないんだ。」

「いま いってよかったの? 」

「フェルチェ公爵邸だからね。大丈夫だよ。

 それに、デーのお父様は知ってるはずだよ。」

「そうなの?」

「ああ、フェルチェ公爵は 僕の父である皇帝のセカンドネームも知っているはずだ。」

「でも、みんなには ないしょね。」

「ふふっ。そうだね、皆には ないしょだね。」

今回から、執事のエルガー を 家令のエルガー に変更させていただきました。

過去の文章も変更しています。

申し訳ございません。

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