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11.おなかがすいた とうさま

「とうさま!?」

 びっくりしたガルデニアに、母親のオルキディアは 話しかけました。


「それで?」


「え? それで?」


「お母様といる別のご令嬢に、話しかけたんでしょう?」


「あ! そうです。ソリータはくしゃくけの えっと・・・! ティ ミー デさまとおはなししました。おかあさまからはなれないで、ちいさなおこえでしたけど おはなししてくれて。だから もっとおはなしして おとも

 「待て! 待て 待て 待て 待て どうして私を無視す

  「旦那様、先ずは お部屋にお戻りになって お着替えをいたしましょう。」

 と言ってエルガーは、まだガルデニアに話しかけようと顔を向けている公爵を 後ろ向きに引きずって食堂を出ていきました。

 「・・・ ・・・ ・・・




「とうさまは だいじょうぶなのですか?とてもあわてて かえってきたようです。」


「まあ 大丈夫よ。ニアちゃんが心配するようなことは、お父様には 何も起きていないわ。だってエルガーも慌てていなかったでしょ?」

 と、オルキディアは 少女のような優しい(黒い)笑顔で話しかけます。


「そういえば! じゃあ だいじょうぶですね。」

 絶対的な信頼のあるエルガーの行動に、ガルデニアも安心します。


「きっとお仕事が早く終わったから、少しでも夕食を一緒にとりたくて 急いで帰ってきたのよ。

 もしかしたら お腹がすいていらっしゃるのかもしれないわね。」

 ふふっ と、今度は おかしそうに笑って オルキディアは言います。


「そうなんですか? だったらわたしのぶんもあげます。おなかがすいているのは とうさまつらいです。」


「まぁ! ニアちゃんは本当に優しいわね。大丈夫よ。きっとエルガーが指示しているから。だから、ニアちゃんは しっかりお食事をなさいね。」

 今度は、ちゃんと母親の顔をして ガルデニアに言いきかせました。


 それからも、二人は食事をしながら 和やかに会話をしていました。

 ティミーデ様と話しをしていたら、皇子殿下が 挨拶にきてくれたこと。

 とっても上手に カーテシーが出来たこと。

 そして、最初のお友達になろう。と言われたこと。最初は特別だから、一番のお友達だよ。と言われたこと。

 皇帝陛下に宣言すると、お友達が 直ぐに いっぱいできる。と言われたこと。


 あまりにも聡明な3歳です。言葉はたどたどしくなりますが、しっかりと時系列で話しました。


「そうなのね。それで、陛下たちのところに言いに来たのね。」

 とガルデニアの説明に納得しながら

『第一皇子は 噂以上にかなりの切れ者だわ。油断ならないわね。』と、小声でつぶやいていたオルキディアでした。


「でも、おうじでんかは うそをつきました。すぐに おともだちが いっぱいできるっていったのに、ずっとふたりでおはなししてて ふたりめのおともだちすら つくれなかったです。おうじでんかは うそつきです。」


「あらあら。そうね、あの後は お友達をつくれなかったけど 嘘ではないわよ。今度からは、ニアちゃんのところに いっぱいお友達になりたい人が寄ってきてくれるわ。

 でもね。これから お友達になりたい人が急に増えるけど、ニアちゃんのお友達は 母様も知っておきたいから 当分は一緒にいても良いかしら?」

 と、苦笑いをしながら 提案してきました。


 ガルデニアは満面の笑みで

「そうなのですか! つぎは おともだちいっぱいつくれて、かあさまもいっしょにいるのですか!うれしいです。

 でも いつまでいっしょにいるのですか? おともだち100にんまで いてくれるのですか?」


「そうね。お友達100人できるまで、一緒にいましょうね。」

 ふふふっ と愛おしそうに娘を見るのでした。


「それで、二人で その後は 何を話したりしたの?」

 ワクワクしているのを隠そうともせず、オルキディアは訊きます。


「えぇっと・・・ あるきながら、おはなのなまえを いくつもおしえてくれました。おはなをおって わたしにくれようとしたので、かわいそうだから ことわりました。

 そのあと、すわって おちゃをしながら 『かわいい』『かわいい』っていわれて まるで やしきのみんなみたいでした。

 あ!とうさま や かあさま みたいに『すきだ』とか『あいしてる』ともいわれました。

 そういえば、う~んと 『()()()()()()()』?ともいわれました。なにがなのか わからな


「な~ ん~ だ~ とぉーーーーーーー 」

 着替えたフェルチェ公爵の登場です。

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