31話『パーティーリーダー』
更新が追いつかねえ…
目的地に着いた俺達は、馬車から降りて周囲を確認した。どうやら、遠征の班事に馬車を降りる場所は違うらしく、既に俺たちの周りには他の班は存在していなかった。
「ふぁ〜……眠ぅ……」
「充分寝ただろうが!」
寝ぼけているルイズの頬を引っ張り、無理やり叩き起こすが、寝起きのルイズは機嫌悪いらしく、何故か俺が逆に殴られてしまった。理不尽すぎる……。
「それでは、遠征の成功を祈っております。命の危機や、どうしようもない場合は出来るだけ早く私たちに知らせてください」
「はい。ありがとうございます!!」
「よっしゃ! 行こうぜ!!」
馬車でここまで送ってくれた冒険者の人に感謝し、俺達は森へと入っていった。ここからが遠征の本当の始まりだ。
「んー。森に入ったのはいいけど、どの辺りまで行く? 深いところまで行けばモンスターとの接近も多くなりそうだけど……」
「私は別に構わないわ。冒険者になるんだもの、モンスター程度にビビっていられないからね」
「あ、俺も別に問題ないぜ! むしろ一旦二手に分かれて捜索とかしてみるか? 一日目に出来るだけ野営できる良い場所見つけた方がいいだろ?」
「それ賛成!!」
「私は別にどちらでも構わない。正直一人でも乗り切れますから」
ユリウスはとりあえず置いといて、今はグレルの提案に乗るかどうかだ。今回の遠征地である森は相当広い。出来るだけ離れない方が得策だが、逆に固まって歩いても危険な可能性もあるだろう。どうするべきだろうか。
「とりあえずグレルの提案通り、二手に分かれましょう。ここに居るクロトは探知魔法も使えるから問題ないわ」
「ちょ、マジかお前。確かに俺は探知魔法使えるけどよ……はぁ、まぁいいか。それじゃ、三人ともとりあえず分かれて探索ってことで良いか?」
「おう! 問題ないぜ!」
「私も大丈夫!」
「でもリーダー。どんな風に分ける? 私は一人でも大丈夫だけど……」
グレルやケイが賛成してくる中、ユリウスは誰が誰と組むかを聞いてきた。ユリウスが一人で良いと言っている原因も、俺とルイズが、グレルとケイが仲が良いように見えているからだろう。
「リーダーってなぁ……もうなんでもいいや。んじゃ、ユリウスは俺とルイズと組む事にするか! グレルはケイと二人だけど大丈夫か?」
「余裕だぜ! ケイも大丈夫だよな?」
「うん! グレルとなら心配ないし!」
俺がいつの間にかパーティーリーダーという事になり、編成を決めてから何時間後に集まるかを決めた。集まると言っても、俺の探知魔法を使って、俺たち側から会いに行くという形になるが……。
「よし! それじゃ、無茶だけはすんなよ!」
「二人ともまた後でね!」
「健闘を祈ります」
先にグレルとケイが俺たちに手を振り、森の奥へと入って行った。そして、俺達は二人とは別の道から森の奥へと入り、野営出来る場所を探し始めた。




