18話『貴族の娘』
HJ大賞の為に10万文字到達しないと……
「あ、ごめん。普通に約束忘れて堪能していたわ……」
「はぁ。まぁそんなとこだと思ってたよ。まぁいいや。時間的にも早めに冒険者学校行こうぜ」
ルイズが約束を忘れていたのはなんとなく察したし、特には気にしない。それよりも、俺は一刻も早く自分の通う冒険者学校が気になっていた。
「え、えぇ。そうね。で、でも、怒らないの?」
「まぁな。べつに気にしてねえよ。それよりもこれから暮らす寮とかの場所も見とかないといけないし、早く行こうぜ」
「う、うん!」
ちなみにだが、俺達は王都に来たばっかで全くもって冒険者学校の場所なんて分からない。
だからこそ、俺達は誤って魔法使いの学校へと行ってしまったのは内緒だ。
「もう! 分からないなら先に言ってよね! 私は分かってるんだから! 私についてきなさい!」
「は、はい。面目ありません……」
結局ルイズに連れられ、王都の北にある一際目立つ場所へと辿り着いた。
「こ、ここが冒険者学校か……!」
「そうよ! 分かりやすいでしょ!? だから分かるかと思ってたのに真逆に行くし!」
「す、すまん! 俺の中の知識ではここが魔法使い育成学校だと思ったんだよ!」
「はぁ。とりあえず受付して寮へと案内してもらうわよ」
「そんな溜息ばっかついてると幸せになれないぞ?」
「うっさいわね! あんたのせいでしょうが!!」
なんとなく場を和ませようと思った言ったが、どうやら逆に怒らせてしまったようだ。
もはや俺を置いてルイズはどんどん歩きはじめてしまった。
「ちょっと! 貴方邪魔よ。この私の前に男が立つなんて汚らわしいわ!!」
「は、はぁ? ルイズ!ちょっと待ってくれ! 」
「貴方!早く私の前から消えなさい!」
「クロト! 早く来てちょうだい! 二度手間になるでしょ!」
俺を置いてさっさと行ったくせに呼びつけるなんて、と思ったが、声に出さずに俺はルイズの方へと歩こうとした。
だが、何故か俺の肩を掴む手が離れてくれなくて俺は思うように動けなかった。
「ちょっとね。この私が退けと言ってるんだから退きなさいよ!!」
「うるせえな!!こっちも忙しいんだよ!このわがまま野郎!!」
手を振り払う為に、俺はさっきから大声で俺を見下すような声を出している主へと振り返った。
「あ、お、お前は……」
「わ、わがまま野郎ですって!? あなたね!口の利き方が分かっていないみたいね!! ……って、貴方! 門の前で会った汚らわしい男じゃない!」
「汚らわしい、汚らわしいってな。お前、冒険者学校にお前も入るからここに居るんだろ? だったら、お前も俺みたいに汚らわしくなるんじゃないか?」
冒険者になる為に入る冒険者学校の前で汚らわしいとか、冒険者になる者の言葉とは思えないが、おおよそこいつの身なりを見ればなんとなく理解してしまった。
「冒険者が汚らわしいんじゃなくて、貴方が汚らわしいのよ!! 」
周りの注意を引くような目立つ純白の鎧。動きやすさを重視しているのか分からないが、お腹や肩は肌が露わになっている。
しかし、その鎧にも傷一つなく、もはや汚れ一つもない。だからこそ、旅にも使っていた鎧を使っている俺が汚らわしく見えているのかもしれない。
「しょうがねえだろ! お前みたいなやつとは違ってな、こっちはモンスターとも戦って王都に来てるんだよ! 汚れるのだってしょうがねえだろ!」
「違うわ! あなたの装備の話をしているんじゃないの! あなたみたいな辺境の村の平民が私の前に居る事が汚らわしいのよ!!」
「はぁ? 冒険者になるんだから貴族とか階級とかどうでも良いだろ!!」
「ちょっと、クロト? 遅いわよ〜?……って、あなた! さっきからうるさいと思ったら、誰と口喧嘩してるのか分かってやってるんでしょうね!!」
「おお! ちょうど良い! ルイズ! お前もこいつに平民とか貴族の差とかどうでも良い事を教えてやれ!」
なんでルイズまでも驚いているのか全くもって理解出来ないが、こいつはどうせそこそこの街の貴族の娘とかだろう。というより、本当に冒険者に貴族とか階級とかはどうでもいい筈だ。ルイズは理解しているみたいだけど、他の貴族の奴らもこいつみたいにめんどくさいのかもしれない。
「良いわ。貴族と平民の差を分からせてあげる。この私がね!」
「良いぜ。上等だ。平民舐めんなよ!!」
こうして、冒険者学校に入学する前というのに、俺はその冒険者学校の前で貴族の娘との戦闘を始めようとしていた。




