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13話『再会』

 ポイズンフロッグとの激闘も終わり、俺達は順調に『淀みの湖』を抜けていた。

 時々モンスターとの戦いがあったが、どれもポイズンフロッグよりも弱い敵だった為に、なんとか倒すことが出来た。

 モンスターの死骸はそのままで魔石だけを手にする形となったが、淀みの湖においてはモンスター同士の共食いも多い為に放置してもあまり問題にはならなそうだった。


「それにしても、ここはやけにモンスターが多いな」


「そうね。さっきからモンスターの視線や、遭遇率も中々のものよ」


「そうだよな。─────待て。ルイズ。その場から動くな。俺達じゃ厳しいモンスターが北東の方向に居る。距離も近いし、バレたら厄介だ」


「えっ。どうして分かるのよ」


「探知魔法と視覚強化の魔法を使っているからな。といっても、どんなモンスターかは分からない。ただ、今迄よりは強いのは確かだ」


 ルイズに動かないように指示し、モンスターの注意が違う方に向くことを祈るが、どうやらモンスターは既に俺たちを敵として認識し、奇襲を仕掛けて来る気のようだ。


「駄目だ。もうバレてる。静かに後ろへ下がって、違う道から進むぞ」


「そうね。それが得策だわ」


 音を立てないように静かに後退していたが、モンスターに気を取られ俺は足元を見るのを疎かにしていた。


 そして、俺は足元にあった木を踏んでしまい、朽ちて脆くなっていた木は大きな音を立てて崩れてしまった。


「ルイズ! モンスターに気付かれた! 戦うか、逃げるかどうする!?」


「あんたなにやってんのよ! 今更逃げられるわけないじゃない! 私でももう近くにモンスターが居ることくらい分かるわよ! 戦うわ。えぇ、私たちならきっと大丈夫なのよ!」


「そうだよな! ここで逃げたら冒険者になんてなれねえよな!」


 俺は剣を構え、ルイズは杖を構えている。俺も魔法で応戦していくか迷ったが、魔法を唱えている間に相手の注意を引く必要がある。


「さて、どんなモンスターが出てくるかな」


「あまり強いのとは戦いたくないわね」


 俺達が待ち構えることによって、奇襲を仕掛けるはずだったモンスターの作戦は失敗に終わっている。

 だからこそ、今俺たちの前にのそのそと姿を現したのだろう。

 大きな両目を持ち、鋭い鎌を俺たちへと向けている。


「ははは。こんな所でもう1回会うとはなぁ……」


「あの時とは違うわ。私たちの力を見せつけてあげましょう」


 俺たちの目の前に立ち、こちらを敵視しているのは、幼少期に1度戦ったモンスターの成長した姿である、『キラー・マンティス』だった。

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