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ユリ
あの男性が、また私の前に現れた。
ものすごい笑みを溢している。
昨日もおとといも、私の前に現れた。
世界一幸せ、みたいなこの笑い方で。
断っても断っても現れる。
断っても断っても、ものすごい笑みをぶつけてくる。
それがいつしか快感になっていた。
あの男性は好きではないけど、次第に引き込まれてしまっていた。
ストーカーされることに幸福さえ抱くようになっていた。
追われるのは元々なんとなく好き。
興味を持ってくれている感じが、なんとなく好き。
付き合いたいなんて思わない。
でもこのまま私を追いかけてほしい。
男性からお花をプレゼントされた。
花は好きだから、すごく嬉しい。
親友の話によると、この花はオニユリという種類の花らしい。
男性の気持ちが気になり、花言葉をネットで検索してみた。
そこには【嫌悪】の文字がはっきりと存在していた。




