86話 情報を売る
お久しぶりです!去年ぶりの投稿です!
よろしくお願いします!
「クソッ!ねぇじゃねぇか!ハリヤマ達の番号の扉!」
「もう時間がないのに・・・!」
火星ちゃんと別れ、三階に下りた禎とサシミ。走り回り扉のナンバーを一つ一つ確認していくが一向にみんなのナンバーは見つからない。
(もう外に出てる奴らも少ねぇ・・・見かけてももうグループができている。潮時か・・・)
息を切らしたサシミが辺りを見渡しながら諦めようとしたその時、
「旦那達!誰かをお探しでぇ?力になれるかもしれないですよ!」
部屋の扉にもたれかかった、ダルメシアンの異能力ペットが声を掛けてきた。その側の柱には飼い主であろう若い男がファイルを持ちながら段ボール箱に座っている。
「あ?力になれるだと・・・?」
「えぇ、なんせ俺ちゃん達はここで情報を集めてますからね!三階のこの位置は上からも下からも異能力ペットや飼い主が行き来するのがよく見えますからねぇ!四分前に旦那達が上から降りてきたのも確認してますはい」
ダルメシアンは手をスリスリしながら禎とサシミの顔を交互に見やる。その行動を気味悪がりながらも禎達は警戒しながらふたりに近づいた。
「すごい!それならみんなのことも!」
「本当にわかんのか?テメー」
「はいはい!少なくとも旦那達と同じように特定の者を探して走り回っている人は必ず通りますからねぇ!なんの動物か、見た目、色、毛の質、性格、見ただけで俺ちゃんは脳に入れます。そういう癖なんです」
「じゃあ教えろ!雌猫で黒と白!口が隠れたローブ!飼い主はロングコート着てる野郎だ!」
「武捨さんの説明が酷い・・・」
身を乗り出してあんころの特徴を言うサシミ。
「猫ならたくさん通りましたよ。黒と白の猫なら三匹。猫ではないローブを纏った異能力ペットなら二匹見かけましたが、その条件に当てはまる異能力ペットと飼い主は見ませんでしたね」
「そうか・・・ならハリネズミだ!真っ裸の雌ハリネズミと、ずっと笑ってる女子高生だ!」
「説明・・・」
今度はハリヤマ達の特徴を言う。すると、
「ちなみに、お試しキャンペーンが終了したのでこっから先は商売ですぜ旦那!」
「あ?」「へ?」
ダルメシアンは手を前に出し、ニヤケ笑いを続けたまま語りかける。
「金、情報、物々交換、もしくは旦那の能力。なんならその探してる異能力ペットの能力でもいいですぜ?旦那」
「どういうことだテメー!知ってるのか知らねぇのか早く教えろ!」
何が何だかわからない禎とサシミ。イラついてサシミはダルメシアンに噛み付く。
「だーかーらーこっからは商売。有料ですぜ旦那ぁ。こっちの情報や商品が欲しかったらそちらが払う。世の中の基本ですよ?旦那ぁ!」
ダルメシアンは自身の飼い主からファイルを奪い取ると中身をチラ見させる。そこには異能力ペットであろうナンバーや能力などが書かれていた。しかし一瞬で閉じられたので全く見ることはできなかった。
「俺ちゃん達が取り扱っているのは異能力ペットの能力情報から生き抜くための武器まで揃えております!全て物々交換などで入手した安心信頼の商品達!ランダムでこちらの知っている異能力ペットを一匹教えるのまで入荷しました!だけど今一推しなのは・・・コレ・・・」
「ッ!」
飼い主をどかし、段ボールの中を弄って出てきたのは拳銃であった。おもちゃではない。本物である。
「なんでそんなもん持ってんだ・・・!」
「今なら銃弾六発つけてなんと!三十万!生き残ってる三匹の異能力ペットの情報でも可能ですぜ旦那?」
「やかましい!」
気持ちの悪い交渉に対し、サシミは拳銃と弾を平手で弾く。ダルメシアンの手元から離れたそれは自身の飼い主がキャッチした。
「いいから教えろ!ハリヤマを見たのか!!」
「だから情報の場合は先にお支払いをお願いします旦那」
「テメーが何処にいったか知ってたら払ってやるよ!知ってるか知ってねぇかそれを先に答えろ!!」
ダルメシアンのスベスベした肌に掴みかかり、脅すように怒号を飛ばす。しかしニヤケ顔は変わらない。
「それはできません。知ってるか知らないか関係なく先払いなんですよ。それが俺ちゃん達の商売の、この店のルールなんでね。どっちに転ぼうが俺ちゃん達が徳になるようにできてるんです」
「割に合わねぇ・・・ぼったくりだろうが!」
「えぇぼったくりですぜ。でも強要はしてません。嘘もつきません。最後に決めるのは旦那達だ。どうしてもという方が俺ちゃん達の商品を購入するんです。それがたとえハズレであってもね。蜘蛛の糸にも縋りたいというやつですよ旦那」
掴まれている状態でも手をスリスリしたかと思うとお金のマークを手で表す。
「ちっ!いくらだ・・・!」
「え!?買うの!?」
「コイツの所為で無駄な時間食っちまった。賭けるしかねぇだろうが!」
掴んでいた手を離しダルメシアンを睨みつける。買うとわかり機嫌が良くなったのか、更に笑顔になるダルメシアン。スリスリする手が早くなり摩擦で煙が出そうだ。
「一万円、もしくは誰かのナンバーと能力、見た目で問題ないですぜ」
「なら俺の能力を教えてやる!ナンバーは500、身体の一部を大きくして性能を上げることができる。身体が欠損しても短時間で再生することができる。『怪物化』だ!」
「毎度あり!良い情報ですぜ旦那!ちゃんとメモったか?ヒロヒロ!」
「ああ・・・」
自身のナンバーが書かれている右手の甲をダルメシアンに見せながら大声で自身の能力の説明をするサシミ。ダルメシアの飼い主である広広は紙に能力や見た目を書き記すとファイルに入れる。
「こっちの情報は教えたぞ!今度はそっちが教える番だ!」
「ハリネズミ・・・でしたよね。一匹は見ましたが、ローブを纏った雄でした。なので知りませんや旦那。申し訳ありません」
「コイツッ!」
ハズレの情報を教えてもらってイラつき、拳を怪物化してダルメシアンに向けて構えた。
「やめろ!サシミッ!」
「殴るんですか旦那?『怪物化』を使って・・・そういえばこの情報は知ってますか?少しお釣りが出たんで、やすい情報を一つ教えましょう!」
「んだと・・・?」
顔を近づけ周りを見渡すと小声でニヤニヤと喋り出した。
「下の階で殺しがおきたらしいですぜ?」
「ッ!」「・・・」
「異能力ペットが異能力ペットの首を折って殺したんでさぁ。飼い主共々即死だったみたいで、同タイミングで殺しを行った異能力ペットと飼い主は身体がボンッと破裂したみたいです。このチーム集め中暴力は御法度。敗退とはつまり死ぬらしいですぜ!怖い怖い!」
拳の怪物化を解除して上げていた腕を下げると距離を取り睨み据える。
「なんでそんなことを・・・」
「さぁ、気の迷いか偶然か。どちらにせよこちら側にはありがたい情報です。今後この戦いで生き抜くために必要なことが手に入ったでしょう?それで旦那、残り時間3分。もうすぐ閉店時間です。他に欲しい情報や商品はありませんか?」
「ッ!」
いつの間にそんなに時間が経過していたのか、一階どころかもう二階まで見て回る余裕は残されてはいなかった。
「クソがッ!テメーの所為で余計な時間を使っちまった。もう用はねぇ!行くぞタダシ!」
「毎度ありがとうございました!またのお越しをお待ちしておりますぜ旦那!」
ダルメシアンは深々と礼をし、広広は手を振る。それは敬意を表している様子ではなかった。
「行くって!もう時間が!」
「んなこと言ってる場合か!探すんだよ!終わりまで徹底的にな!」
二階に行くための階段へ向かおうと走り出そうとしたその時、
「あの!さっき大声で言ってた異能力ペットの情報って本当に教えてくれるんですか・・・?」
「そりゃもちろん!知っている情報をお教えしましょう!小さい旦那。初回特典は無料ですよ!」
小さな犬の異能力ペットを抱えた小柄な女が一人ダルメシアンの店に訪れた。サシミ達はもうこれ以上この店に時間を取られるわけにはいかないと、一瞥もしなかった。
「なら教えてください!目の赤い、ウサ耳がついたパーカーを着ている!」
「黒いウサギです!」
「ッ!」「ッ!」
だがその言葉はふたりの動きを止め、目は店に立つ女に向けられた。
「「イブ・・・」」
残り・398チーム 現在休戦中
チーム決め 残り3分
ありがとうございました!
次回も気長に待っていてください!
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