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俺の飼い主 僕の異能力ペット  作者: 一つの装置
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム
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77話 転がる頭には好敵手が生えぬ

お久しぶりです!生きてました!

よろしくお願いします!



「オェェッ!ゲボッ!オェェェェッ!」

「で・・・ちゅ・・」

「・・・・・・・・」

「ど・どうしたの・・・?ソウル・・糸が・・」

「見るなアオイ・・・(オレ)がいいと言うまで、目を瞑ってそのまま顔を伏せていろ・・・そこから動くな・・」


禎が吐く音が聞こえたことに不思議になった、蒼が草むらから顔を出そうとした。しかしソウルはそれを止める。


「・・・・うん・・」

「・・・・・・・・・」


言われた通りに顔を伏せ、目を瞑る蒼。ソウルはそれを確認すると、血の池を通り、首無し死体になった銀に近づいた。隣に転がっている銀とバクトの首を交互に見やる。二つの頭は口を開けて涙を流し、絶望して死んだことを物語っていた。その様子にソウルは鼻を鳴らす。


「死んだか・・好敵手ポイント、マイナス20点の減・・・よって0点・・お前は(オレ)の好敵手では無かった・・」

「なんだ・・それ・・・!それ・・だけか・・・・!」

「・・・・・」


目線は合わせないが、鋭い尻尾をサシミに向ける。サシミはマフラーから口を無理矢理出し、怒りを隠そうとせずソウルに睨みを効かせた。


「言うことはそれだけか!ふざ・・けんなよ・・!死んだんだぞ・・・!呆気なさすぎるだろ・・!それが、死んだやつに対する態度か・・・!」

「・・まったく・・実に古典的な・八つ当たりだな・・」


サシミはギリギリと牙を鳴らし、マフラーがなければ今にもソウルに噛みつく勢いである。背中を向けているソウルにもその威圧は伝わった。


「んだと・・!」

「お前もわかっているだろ。殺したのはそこで揺れている血塗れの糸・・(オレ)じゃない・・あの速さ、そしてあの離れた距では助けられはしない。どこにぶつけていいかわからなくなった矛を(オレ)に向けるな・・」


しかしソウルは空気が読めないのか、そんな中でも奇怪なポーズをとり始めた。ハサミを顔に構え震えだす。血塗れの糸が迷いなくソウルに突っ込んでいく。


「コレは異能力ペットバトル。命懸けの戦いだ。甘えだけじゃ勝ち残れない。これから更に死ぬ者は増える続けるだろう。それにコイツは、殺しを行ったんだろ?なら当たり前の対する応えだ」

「・・・・・」


顔を下に向け、赤く光り輝く複数の眼を見開く。無数の手足が腹の上でウネウネと動いている中、糸にかざしたハサミから手を出すと、ライターから火を出し、糸を燃やした。


「殺すということは、殺される覚の悟があるということだ」

「ッ!」


糸は燃えカスになり、風に靡いて消えていく。


「殺しを行う者は皆、蚊と一緒・・・雌の蚊は自分の命を賭けて血を吸う。命を次に繋げる為に。殺す者は命を賭けて他を殺し、血を見る。欲を満たす為に。蚊が死ぬ時は呆れた気が当たり前。人が蚊を殺すのを躊躇うか?いいや躊躇わない・・・・人は蚊を殺して涙を流すか?いいや流さない・・・・人は蚊に情けをかけるか?いいやかけない・・・・殺しを行った者に対しても同じだ・・躊躇わない。流さない。かけない。それが行いをした者への態する度だ・・・」


片足をあげてポーズをとりながら、手をハサミの中に閉まう。


「だからそれだけだ。もう何もこの死んだ体に、言うことはない」

「そうかよ・・・」








「まったくもって理解できねぇなぁ!!そこのジジィは蚊じゃねぇぞ!ミミズクだボケがぁぁ!!お前が勝手に!ジジィの死に顔を選ぶな!!」

「・・・・何・?」(サシミ・・・!)


後ろからギギギと大きな音がした。ソウルは驚き振り向くと、サシミがマフラーに顔を押し当てていた。木はサシミに押されて揺れ、マフラーは張り裂けそうである。サシミは身体中の血管を浮き出させており、無理矢理にでも引き剥がして、コチラに今にも突撃してきそうだった。


「全部間違ってるぜ!そのクソ理論!聞いてて頭が痛くなってきたぜ!!俺はお前の考えを否定する!あのジジィは死を怖がってた!!そんな奴が殺される覚悟なんてある訳ねぇ!」

「お前を全の力で拘束した。微の塵も動かせない筈だが・・・」


構えていた尻尾の力を抜き、サシミを見つめる。ソウルは叫び声に耳を傾けていた。


「この世界のどこを探しても、死んで当然な奴なんているかよ!!どんなゲス野郎の死にも、俺は涙を流す!情けをかける!!その権利はある筈だ!!差別はしねぇ!感情を押し殺すことはできねぇ!!それが俺だ!俺は俺を信じてるからよぉ!!だから!だからこそムカムカするぜ!ジジィが死んだことに!テメーのその態度に!!俺はなんだかムカムカする!!だから!!」





「戦えぇぇ!!クソサソリィィ!!!」

「・・・・」


マフラーに噛みつきながらソウルを睨みつける。怒り、そして楽しみの感情が五分五分になっている表情をしながら。


「・・解」

「うおっ!!」


ソウルが呟く。するとマフラーがサシミの頰と木から離れ、前に力を込めていたサシミは勢いよく体制を崩し地面に激突した。


「成る程、それがお前の考え方の全てか・・まるで善の塊・・・良い考えだ。面白いぞ候補。好敵手ポイント、30点加えよう!」

「どうでもいい・・!」


眼、拳を怪物化して能力が発動できることが分かると、今度は右足を怪物化させ地面にめり込ませ、ソウルを睨みつける。


「ただお前をぶん殴るッ!」

「やはり面白い・・!候補を全て解・・!」


地面を蹴り上げ、ソウルに向けて突っ込む。


「さぁ候補、一からだ・・力を解したぞ。(オレ)はまたお前に触れなければならない。楽しみだ・・・」

(やっぱり触れて発動するタイプの能力だな。嘘をついてはいない。一対一の真剣勝負を挑む野郎のとるアホくさい当然の行動だ。クソサソリは俺への能力を確実に解除した)


足の怪物化を解除して拳を怪物化させるが、ソウルは近づいてくるサシミに驚きもせず一歩もその場所から動かない。


(次また能力に触れれば、さっきの俺やジジィみたいに、何をされたかわからねぇが行動を制限されて自由が奪われる。だから俺が取るべき最善の動きは、やられる前に・・)

「殴りきるっ!」

(オレ)を剣に、マフラーを盾に」


謎の言葉を呟くと同時に、ジャンプをしているサシミの下を通り抜け、後ろに落ちているマフラーの方へスライドし、サシミの攻撃は当たらなかった。拳が地面に突き刺さる。マフラーを手に取ると、首に巻きサシミに向き直る。


「解・・・」

「チィッ!」


拳を軸にして大きく回転するとサシミは振り返り、間髪を入れずまたソウルに突っ込んだ。


(そりゃ避けるよな。アイツは簡単で単純なチャンスを狙ってやがる。俺が隙を見せた瞬間、腹に触れに来るのは明白だ。だから一発で決める!こっちも確実に・・!アイツが触れる直前に殴る!)

「・・・・・・」


足に力を入れてソウルを殴るがまたもや避けられる。だがサシミは焦らなかった。それどころか心の中で笑みを浮かべる。サシミはわざと力を抜いたのだ。その読み通り左隣に避けたソウルのハサミが近づく。


「ドリャアァァァァ!!」

「グフッ!!」


ハサミが腕に触れたと同時に、視認できないほどの速さで、腕をバットのように思いっきりスイングしてソウルを吹き飛ばした。木に背中を打ち付けられ、その場で動かなくなった。


「やった!」「いいの入ったでちゅ!」

「飼い主がまだなんともなってない。まだ気絶してねーな。だが、もう立ち上がることはできないだろうぜ」

「・・・・・・・」


蒼は律儀にずっと眼を瞑っており、何が起きたのかわからず草陰の後ろで挙動不審になっていた。甲羅を殴った衝撃でヒリヒリしている腕を、サシミは上下に振るっている。


「いい攻撃だ。好敵手ポイント30点、加えよう・・」

「ッ!」「でちゅ!」「そ・そんなッ!」


すると木にもたれかかり、腰を下ろしていたソウルがゆっくりと立ち上がった。身体を揺らしながらコチラに向かって歩く。顔半分の甲羅には亀裂が走っていた。


「なんで立ってんだお前・・痛みで立ち上がれねぇ程強く殴ったぞ・・・!」

「痛いさ・・全ての身に激しい痛みが走っている。きっと骨も折れているだろう。蠍という生き物は硬くなどない。踏まれても潰れ、噛まれても潰れる。だがな、それはただの蠍。(オレ)は異能力ペットだ。他の蠍とは違う。大きさもお前と同じ。能ある力もある。そう、能ある力・・・それを使えば候補の攻する撃さえも耐えうるのだ」

「能ある力だと・・?」


体を身構え、崩していた戦闘態勢を元に戻す。ソウルの全ての瞳の赤がサシミを不気味に見つめ、ハサミを向ける。


「折れた骨をくっつけ、固め定めた」

「ッ!!」

「ズレたとしても、バラバラに砕けようが、(オレ)の骨は原の型を崩すことはない・・・もしもの時のために、(オレ)(オレ)の体をずっと前から固めている・・!」


ハサミを顔の前で構え、余裕をアピールしているのか、ポーズをとりまくっていた。


「んなこと・・・できるわけ・」

「できているからこうして今(オレ)は立っている。それが(オレ)の能ある力だ・・・おかげで2箇所、確に・・実に・・触れることができた・・」

「ッ!」


すると、腕に触れたハサミと尻尾をサシミに見えるようにポーズをとる。サシミは無意識に自身の腹に手を添えた。そう、ソウルの尻尾が吹き飛ばされる直前に、サシミの腹に触れていたのだ。


(オレ)の能ある力は発に動き出す・・!」

(マズイッ!)


触れられたことに焦ったサシミは再び拳を怪物化させ殴りかかる。攻撃パターンを読まれようが関係ない。今のサシミは殴るしかない。


「ウオォォォォッ!!」

「候補の腹を肉に、(オレ)も肉に・・!」

「グアッ!!」

(・・距離が・離れた・・・)


ソウルが謎の言葉を呟く。すると銀と同様に二匹が自身の真後ろに吹き飛び、サシミの拳が振り下ろされることはなかった。禎は一言も発さず、サシミ達を見やる。


(オレ)のみ解・・・」

「ガァアアッ!」


爪を地面に立て、勢いを殺すサシミ。ソウルは吹っ飛んだ先にあった木を蹴り、動きを止めた。


「ハァ・・ハァ・」

「木の根元を骨に・・・」

「グォォォォォ!」


休む暇もなく、今度は前方に身体がもってかれた。自由が効かず、踵を地面に突き立てるが動きは止まらない。


(オレ)は木に触れている・・・」

「クベッ!」


ソウルの真横を通り過ぎ、背中を打ち付けていた木に腹がガッシリとくっついた。


「何も反する撃をすることができない・・好敵手ポイントマイナス20点・・だ・・!」

「ゴボッ!」「サシミン!早くその場所から離れるでちゅ!!」


背中にソウルの蹴りが入る。一番痛いところを的確に狙ってきていた。


「おい、どうした候補・・!コレで手詰まりというのか・・?」

「ゴハッ!(クソが・・ッ!くっついたり離れたり拘束したり、マジなんなんだ・・!)」


助走を繰り返し、何度もサシミの背中を蹴り語りかける。木を引っ掻き痛みを我慢するが解放されることはない。その時、





「磁石だ!!!」「ただしん!?」

「・・・・・・・」「ただ・・し・・?」




禎が叫んだ。するとソウルは蹴っていた足をピタリと止め、禎に顔を向ける。赤い瞳全て、冷や汗を垂らしている禎が映る。


「触れたものを操ってるんじゃない。触れたもの同士が磁石になって引き合ってるんだ!違う極同士だから勝手に身体が引っ張られてくっついた!二匹が離れた時も、サソリが自分をサシミと同じ極の磁石に変えたんだ!反発してたんだ・・同じ極同士で反発してたんだ!」

「・・・・・」


口の周りに吐瀉物をつけたまま、ソウルを睨む。足を下ろし、ソウルは禎に向き直った。


「さすが候補の(マスター)だ・・正に解だ・・特に別に、好敵手ポイント10点加えよう」

「ッ!」


自身の能力の正体を知られたのがそんなに嬉しいのか、奇怪なポーズを禎に向けてとりまくる。


「神から与えられた力を(オレ)はこう呼ぶ・・・(オレ)の力の名は・・」






「『超越磁石(マグニティス)』・・・だ・・」







残り・401チーム









ありがとうございました!!


次は早めに更新できるように頑張ります!


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