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俺の飼い主 僕の異能力ペット  作者: 一つの装置
怪物獣道ファング 願いを求める500チーム
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75話 厨二蠍の外地蔵

よろしくお願いします!


久しぶりです!



剣山とヤモリが激闘を繰り広げている頃、


「クッ!収まれ!(オレ)の疼きッ!」

「なんだコイツ・・・」

「ソウル・・?やっぱり知らん・・貴様を連れ去った覚えはない!」


サシミ達は目の前に突如として現れたソウルに動けずにいた。ハサミを震わしながら奇怪なポーズをとり、空を見上げるソウル。ブツブツと小声で何かを喋っている。


(オレ)は魂のサソリ、ソウル。黄の泉からサソリの身を纏いこの世に現れた。過ぎ去った事は上を以て聞くな・・・クッ!永くなるから・・・な・・だが・・どうしてもというならばしょうがない。(おれ)は「お主の過去など興味はない!どうやってこの山に入ってきたんじゃ!四方八方、空も地も!糸が張り巡らしていた。ワシとヤモリが承認していない者が入ってこれるわけがないんじゃ!」・・・・・・」


銀が大声をあげるとソウルは震えを止め、兜の中から黄色い瞳を光らせた。片目だけが光っている。銀を睨みつけて、少し離れた場所にある、糸が垂れ下がっている木に近づくと、


「解き放つッ!」

「ッ!」「でちゅ!?」

「・・・・・」


ソウルが叫び、ハサミが開かれると、中から手が勢いよく生えてきた。黒い拳を力強くを握りしめている。


「手・・・・?サソリのハサミの中に手なんてない・・・」

「突然変異・・・しすぎじゃろ・・」

(オレ)をそこらのサソリと一つの緒にするな。修の行いにより、(オレ)はこの力を得た・・・・クッ!どうして、どうやって入ってきたか・・・だったな。応えよう・・・この燃える暁で・・」


ソウルが見せつけるように手を広げると、掌にはオイルライターが乗っていた。


「ライター・・・じゃと・・?」

「その反する応え・・教えてもらっていないようだな。いや、知らないのか。この力を持っている者さえも。自らの弱き点を・・・クッ!」

「ッ!」(サシミ・・・?)


静かにライターを付け、小さな火が姿を表す。サシミはそんな火を凝視しながら小さく身体を震わせていた。ソウルはそのまま、垂れ下がっている糸を炙るようにライターを糸の真下に近づける。


「わかるだろ?よく考えれば、常の識だ」

「何ッ!」「そんな・・・バカな・・ッ!」


すると一瞬にして火が糸全体に燃え広がった。糸は火を纏いながら地面に落ち、少しして火が消えると糸は丸々一本、跡形もなく燃え尽きてなくなっている。


「そんなに驚くか?それを思い込むというのだ。最も強いと思い込むということだ。金の網ではなく、ただの糸だ。造り作もない・・・この能力者は三つ下・・魂より・・いや、他の能力者達より・・・な!」

「バカな・・バカな・・・こんな小さな火にヤモリの糸がッ!そんな・・」


最強だと思っていたヤモリの糸が呆気なく、それも簡単に破られたことに銀は絶望し項垂れた。


「おい・・・」

「・・・・」

「ちょ!サシミ!」


怒り口調で喋ったサシミは立ち上がると、腕を大きく振りながらソウルに近づく。


「つまらねぇ話は終わったか?テメー、俺の顔蹴った事忘れてねぇだろうな・・・!お前も俺のぶん殴リスト入り決定だ!!」

「お前は後だ・・」

「あ!?」


ソウルはサシミを見つめ、ハサミを顔に被せた。反対のハサミから出した手でサシミを指す。兜の中から大きな瞳がいっそう強く、キラキラと光っている。


「まだ話は終わっていない。先に用する事を済ませる。お前らはそこで待ってい・・・・ろ」

「それができたら!ここにいねぇ!!」

「うおッ!」「サシミン!?」


沸を切らしたのかサシミは、右足を怪物化させソウル目掛けて猫ジャンプで突っ込んだ。


「ぶん殴るッ!」


足の怪物化を解除すると、右拳を振り上げ怪物化させる。もう怒りでソウルしか見えていない。一回のジャンプですぐ目の前に迫っていた。







「マフラーを解。候補の頰を陽に。マフラーの右端を陰に」

(あ?)






するとソウルが謎の言葉を呟きだす。意味はわからないが、サシミは少し不気味さを感じていた、次の瞬間、


(ッ!なんだ!急に引っ張られッ!)


サシミは左頬が何かに引っ張られている気がした。目をソウルに向けると、さっきまでクネクネ動いていたソウルのマフラーが動きを止めたと思った矢先、マフラーの右先端が何の迷いもなくサシミに突っ込んできた。


(あ?んだ・・これ)


これがソウルの能力だと思ったサシミはマフラーが左頬に当たると同時に顔をこわばらせたが、痛みは襲ってこず、それどころかサラサラとした感触が頰を撫でた。驚いたのはそれだけではない。不思議なことにマフラーがサシミの左頬にくっついたまま離れないのだ。ソウルは自分の首元から離れたマフラーの左端を乱暴に掴むと、


「フッ!」

「うおッ!」


そのまま斜め下に振り下ろす。サシミは頰がくっついているマフラーに引っ張られ、体勢を崩した。地面に顔からダイブして目に砂埃が入る。その様子を確認すると、ソウルは掴んでいたマフラーを手放した。


「痛ぇっ!クソッ!マジなんだよ!コレ!」


サシミは思いっきり引っ張るが、何か力が働いているのか、離れそうで離れない。頰とマフラーが完全に接着しているわけではない。その証拠にすぐに元の位置に戻ってしまうが、わずかだけマフラーを横にスライドする事ができるのだ。


(オレ)の体を天に。地も天に」

「ッ!」


そんな行為をしているとまた、ソウルが謎の言葉を呟く。すると、目では追えない速さで身体が上空に吹っ飛っとんだ。


(オレ)の体と地を解」

(なんだ・・あの地面。へこんでやがる・)


ソウルはそのまま最も高い位置の樹皮に触れ

、続け様に呟くと、地面に着地する。その場所の地面は円状にぼっこりへこんでいた。


「マフラーの中心を矛に。木を盾に」

「グオォォッ!」

「サシミッ!」


またソウルが言葉を発し、手を木に触れる。するとサシミにくっついているマフラーが凄いスピードでソウルの方へ一直線に突っ込んでいく。サシミは引きずられ、身体が地面に擦れる。やがてマフラーは木の側まで来ると浮き上がり、ソウルが触れた樹皮にくっついた。右へ左へ、頰がくっついて離れないサシミは宙ぶらりんになっていた。マフラーの余った部分がサシミの前に垂れ下がり、周りの景色が見えにくくなっている。


「マフラーの左端を金に。木の真下を銀に」

「グベッ!」


マフラーの余りは動き出すと、ソウルが最後に触れた木の根元にくっつく。空中で暴れていたサシミをシートベルトのようにキツく、拘束した。もう身動きが取れない。


「サシミッ!」

「動いたお前が悪いんだ。くるしいかもしれないが、我を慢してい・・・・ろ。そこの主達もだ。そこにい・・・ろ」「うっ・・」


手を禎にかざし、動こうとした禎達の動きを静止させる。


(なんだクソっ!耳すら動かせねぇ・・こんな手際のいい異能力ペット初めてだ・・能力半径外で能力が使えねぇ。コイツの能力はきっと、触れたものを何かを加える能力。だが何に変えている・・わからねぇ・・)


樹皮に爪を立てて引っ掻こうとしたりマフラーを噛んで破こうとしたが動かせない。マフラーから顔を出すのがやっとだ。


(オレ)はお前に用する事があってここまで来た」

「ホ・・・・?」


ソウルはもうサシミには見向きもせず、何事もなかったかのように銀の元に戻った。座り込んでいる銀の前に屈む。


「解き放つ・・ッ!」

「ッ!」


するとハサミの中から小さな正方形の物体を出した。キャッチすると手を広げ、銀の目の前に持ってくる。


「なんじゃそれは・・何が目的じゃ!!さっきから一体、何がしたいんじゃ!」

「それを答えるのは(オレ)じゃない。お前が話すのは(オレ)じゃない。コイツだ」


物体は赤く点滅すると、





『ハイハイハーイ!やっと繫いでくれたか!待ってたで!お初にお目にかかります。ミミズクさーん!』

「箱が・・喋った・」

(んだ・・・・アレ・)


ノイズ音と共に甲高い関西弁が聞こえてきた。その声はとても大きく、耳を押さえたくなるほどである。


「お主が・・此奴の飼い主か・?」

『は?違う違う。ワイはロキの飼い主や。なんやソウル、アイツおらんのか?」

(オレ)(マスター)は足も行う動きも遅いからな。置いてきた。いずれその姿を晒すだろう」

(コイツの飼い主じゃないのか・・・)


サシミは目を辺りに向けるが、やはりソウルの飼い主の姿は見つからない。


『そうかそうか!まぁ、それは置いといて、ミミズクさん。アンタえらい大きい事してくれたなぁ?たった一夜で実にお見事や。まずは拍手と称賛をアンタに送ろう!パチパチパチ〜』

「・・・・・」


機械の中から一斉に拍手の音と指笛の音が大音量で流れた。誰しもが聞いたことがあるであろうフリー素材の音が鳴り響く。


『これだけの事をするとなるとそれ相当の才能と力、殺しに対して抵抗がないこと、そして復讐心がなければできへん。そんなアンタやからワイはこの機械をソウルに託した・・・』

「・・・・・・・」


ドラムロールが数秒鳴り響き、閉めとしてシンバルを叩く音が聞こえると、


『おめでっと〜う!!ミミズクさん!アンタは『復讐同盟』に選ばれたんや!ワイらの仲間になって、我らが『ボス』を優勝させましょーう!!」

「仲間・・じゃと・・・!?」

(復讐同盟・・?ボス・・・?)


息を大きく吸い込み、大声で高らかに、それでいて嬉しそうに宣言した。また同じように拍手と指笛の音が鳴る。今度は声と混じり音割れが酷い。


「今・・同盟って・・」

「なるほど、別勢力ってやつだね・・」

「ハリ達以外にも協力しているチームがいるってことでちゅか・・?」

「それはいるだろうね。一人よりも二人。二人よりも三人。人数が多ければ多いほど、それだけで戦いに有利になる。侵略の基本さ」

「侵略・・」


少し離れた場所で、禎はその場に立ち尽くしながら。ハリちゃんは禎にくっつきながら。万歳は爪を噛みながら。三者三様に、機械の声に耳を傾けている。


『そう!仲間や!力を合わせて協力や!飛べる異能力ペットが増えるのは大歓迎!視察、偵察ができるからなぁ!ロキの負担が減る」

「視察、偵察・・・・?」


機械の中の飼い主の弁舌が続く中、銀は身体を震わし、モゾモゾ動くと機械に向き直った。


『どうや?悪い話ではないやろ?復讐同盟はお前を歓迎するで?』

「・・・・馬鹿を・・言うな・」

『あ?』


すると銀は力ない声を発しながら機械に顔を近づける。その表情は怒りと悔しさで染まっていた。


「ワシがどれだけ苦労したか知らないから、そんな事が簡単に言えるんじゃ・・・そいつの下につけじゃと?ならワシの願いはどうなる・・ワシは不老不死の願いはどうなる!」

『・・・まぁ、諦めればいいんとちゃう?しょうがないやろ?』


必死に銀が訴えかけているのに対し、飼い主は適当に答える。その態度に銀は顔を更に歪ませた。


「ワシは永遠の命を手に入れなければならないんじゃ!死んでもそいつの足なんて御免じゃ!そうじゃ!お主らがワシの下につけ!今すぐワシを助けろ!そうすればお主らにも永遠の若さを与えてやろう!ワシが命令すれば、ワシの仲間の異能力ペットも一緒に戦ってくれるじゃろう!つべこべ言わず全員!ワシの仲間になれ!」

「まさか、スカウトしにきたら逆にスカウトされるとはなぁ?どうしよーかなー?んー?」


半ば強引に仲間に引き入れようとしてくる銀に、飼い主はかなり悩んでいるようだった。きっと腕を組んでいることだろう。銀は期待の眼差しで機械を見つめる。





「・・・・お前、考えが古くさいガキやな」

「ッ!」




だがそれは、演技であった。最初から了承する気などなかったのだ。先程まで明るかった口調が一気に暗くなる。別人のように。


『見た目がそれでも中身は、積み上げた功績を崩すのを嫌う頑固なアホガキ。折角そのガキな性格が変わるチャンスやったのに。夢が大きい分勿体ないわ〜。もうええわかった。きっともう一匹は復讐心なんでない。終いや終い。ソウル、全員好きにして構わへん』

「待っていた。その言葉・・・をッ!」

「ホウッ!?」


ブーイングの嵐が鳴ると、ソウルは機械を握りしめた。機械は辺り一面に飛び散り、電気がバチバチと音を出す。


『ミミ・・・・ク・・さ・・・・ん・・ワイはア・・タ・・・こと・・・嫌いや・・な・・・いで?また・・会・・・う・・や。生きてたら・・・・や・・ど。頑張り・・・!」

「お、おい!」


機械は潰れ、飼い主がもう何を言っているかわからない。ソウルが声のする部位を力いっぱい踏み潰すと機能が停止し点滅していた部分は消え、甲高い関西弁の声が聞こえなくなった。


「もう遅い。一度切れた交わる渉はもう交わらない。運んだ命を受け止めろ。その道がお前の道ならば・・・胸を張れ。魂はお前の道に立ちはだかる・・」

「何が、何が言いたい・・・!」


再び銀はコチラに歩みを進めるソウルから距離を取るため、後ずさる。しかしソウルは銀には目もくれず、隣を通過した。


(オレ)と戦え」

「なんじゃと・・」(あ・・?)

「お前の能ある力は時を戻し、傷を癒せるのだろう?完の壁だ。お前の主が起きてその傷を癒せばバトル開き始めだ。いいな」


倒れている将也の元へ行くと、腹に足を乗せ、またもや奇怪なポーズを取る。


「意味がわからん・・お主になんのメリットがある・・・」

「メリットならあるさ・・お前はこの時をもって、候補なのだから・・なっ!」


なっ!と同時に銀を指さす。表情は全くと言っていいほどよめないが、その声は徐々に声のトーンが高くなり、今から行われる戦いに胸を躍らせているのがわかる。



「候・・補・・・?」

「ああそうだ・・・・ここからだ・・・頑に張ってもらおう・・・・・」


黒い甲冑のような甲羅と鋭い尻尾が月に照らされ、怪しく光り輝く。月と同じ色の瞳も透き通った綺麗な黄金に変わる。






「只の今より、ここにいる異能力ペット全て・・・(オレ)の・・『好敵手候補』・・・だ・・・!」








ドォォンッ!







残り・402チーム





ありがとうございました!


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