44話 猫を呪わば穴一つ
またまたお久しぶりです!!!
よろしくお願いします!
「大丈夫なんでちゅか?サシミン・・・ごめんでちゅ・・・・でも・でも」
「・・・・」
「・・・・」
ハリちゃんは手を抑えているサシミに近づいてくる。それはもうあたふたしていてとても心配そうな目をしていたがサシミはハリちゃんよりも火星ちゃんを見ていた。すると
「・・・・・あーーーーー」
『・・・・・あーーーーー』
「な・何してるんでちゅか!?サシミン・・」
サシミが腕を回しながら声を発すると同時に火星ちゃんも声を発した。仮面の向こう越しからでもわかる声だ。その表情は一切変わらず、魂が入っていない。そんな感じである。
(同じ音量、同じ速さ、同じ音程、同じ舌遣い。腕は回してない。コイツが真似してるのは言葉だけ。未だに腕は下に垂れ下がっていやがる。木の棒を手に持ったまま。コイツの能力は真似した奴に自分が受けたダメージをそのまま返す能力なのか?ありえねぇ話じゃねえな)
サシミが火星ちゃんを隅々まで観察していると火星ちゃんの目がギラリと光ると
「呪殺!!!!殺!!!!!!!」
「でっちゅう!」
「っ!おい!テメェ!何しやがった!能力はなんだ!!!」
「呪呪呪呪呪呪呪呪呪っ」
火星ちゃんはまたいつもの調子に戻り、天空に叫ぶ。その様子にハリちゃんはジャンプし、サシミは言葉で噛み付いた。
「と・とりあえず!もう一針でちゅ!!」
「待ちやがれ!ハリヤマ!!針を飛ばすんじゃねえぞ!」
「でちゅ?でも怖いでちゅ!徐々に近づいてきてるでちゅ!」
「呪〜殺〜死〜」
ハリちゃんが前屈みになり針を火星ちゃんに打ち込もうとするとサシミが手を出してそれを止めた。火星ちゃんはフラフラ体を揺らしながら近づいてくる。
(なんだ・・まるでスイッチのオンオフが切り替わったかのようにテンションが戻った。ハリヤマの針が刺さったのに。初めてハリヤマの針が刺さったら少しは何か動きがあるはずなんだ。それなのに・それなのに!!コイツはなんで何も感じてねぇんだ!顔に出ねぇだけか?そんなわけがねぇ。この俺が二回もこの針の痛みを受けて二回とも顔を歪めてんだからよ!それなら・・・)
「呪殺!!!」
「来たでちゅ!!」
火星ちゃんはまた猛ダッシュでサシミ達に向かってくると、サシミも火星ちゃんに向かって走っていった。
「サシミン!!!能力半径外でちゅよね!」
「呪ゥ??」
「それならよ〜確かめるしかねぇよな!!!」
火星ちゃんはサシミを睨みながら踵でブレーキをかけ、サシミも火星ちゃんの目の前でブレーキをかけて止まる。するとサシミはその勢いで右拳を火星ちゃんに振りかぶった。
「仮面猫!!俺の最強パワーの一撃だ!!避けれるなんて思うんじゃねぇぞ!地球!宇宙!全部が吹っ飛ぶぜ!!歯ぁ食いしばりやがれ!!!猫パンチィィィ!!」
「そんな凄技があったんでちゅか!?」
「ドルァァァア!!!!」
「呪!・・・・・・・」
サシミはいつも以上に力を右手に溜め、火星ちゃんの顔を狙いぶっ放した。すると火星ちゃんのギラリと光っていた目は電気が消えたかのように真っ暗になり何も映らなくなった。仮面越しでは尚更だ。ハリちゃんが針を飛ばした時と同じである。ハリちゃんは衝撃に備えその場にうずくまっていた。
(きた!!!ハリヤマの時と同じ!わかるぞ!!あん時と同じ!!!!光がなくなった!能力発動のサイン!見逃さねぇ!)
「・・・・・・」
サシミはそんな火星ちゃんを確認すると自身の右拳を
ピタッ
火星ちゃんのマスクに当たるか当たらないかの距離でその拳静止させた。その衝撃で火星ちゃんの小麦色の毛は風でなびいていたが、全く反応がない。
「・・・・また・俺か?」
「・・・・・・・・」
「・・・サシミン〜どうなったでちゅかぁ〜」
『・・・サシミンーどうなったでちゅかぁー』
「でちゅ!?」『でちゅ・・』
「ハリヤマかよ・・」
今度はハリちゃんと同じ事を仮面の奥で口ずさんだ。ハリちゃん本人も驚いてうずくまっている身体を起こした。
「サシミンの地球滅ぼし猫パンチは?それにこの子何真似してるんでちゅか?もしかして!あなたもでっちゅの民でちゅか?」
『サシミンの地球滅ぼし猫パンチは・それにこの子何真似してるんでちゅか・もしかして・あなたもでっちゅの民でちゅか・』
「・・訂正でちゅ・・真似すんなでちゅ!!!!」
『・・訂正でちゅ・・真似すんなでちゅ・・・・』
「でちゅゴラァ!!」『でちゅゴラァ・・』
「やかましい!!地獄か!!!ハリヤマが二匹いるみたいで頭痛くなんだよ!とまぁ・・・とりあえずためしてみるか・」
サシミはそのままその場で動かずにいる火星ちゃんの頭を掌で軽めに叩いた。すると
「でちゅ!!な・・なんでちゅか!?」
『でちゅ・・な・・なんでちゅか・・』
「・・・確定だ。コイツに行った攻撃は諸々真似してる奴にもふっかかりやがる」
ハリちゃんは何が起きたのかわからず頭を抑えており火星ちゃんは全く動かず、ずっとハリちゃんと同じことを同タイミングで喋っている。
「それってさっきのハリの針も・・」『それってさっきのハリの針も・・』
「だろうぜ。だけどよ、納得いかねぇ。真似してるだけならコイツはどうして動かねぇ。『動かずに真似をする』それがコイツの能力の発動条件で頭に入ってきた奴なのか?それに、なんでアイツはお前みたいに頭を抑えたり俺みたいに手を抑えたりしねぇ。本当に痛みを感じてねぇみたいだ。痛みを・・感じない・?」
「サシミン?やっぱり、部が悪いでちゅ。倒すのはやめ『サシミン・やっぱり、部が悪いでちゅ。倒すのはやめ』「呪・・・殺!!!」でっちゅう!?」
「うお!?」
サシミがハリちゃんと話していると火星ちゃんがまた不思議な言葉を喋り出す。いつのまにか目も光り輝いていた。
「サシミン!!速く!カモンでちゅ!逃げるでちゅう!!」
「呪呪死殺ッ!!!!」
「お前マジでなんなんだよ!!!!」
サシミは火星ちゃんから離れようと、思いっきり足で押し倒そうとした。能力がでないのに勢いは凄まじいものである。
「殺・死・・・・・・・・」
「!!!!」
火星ちゃんは、またまた目の光を無くしている。能力のサイン。それはもうサシミにバレているため問題はない。今サシミにとっての問題は
(連続して!!真似してきやがった!ヤベェ!もう止められねぇ!!勢いを・・つけすぎた!!)
「・・・・・・・・・・」
そう、勢いをつけすぎたのだ。焦っていたのだ。能力が出ることに気がつきはしたがその足はもう止めることが出来ない。サシミが脳に止めるという信号を送ったがもう遅かった。
(ウォォォ!!!当たるぅぅ!!!!止まりやがれぇぇ!!!!!)
『・・・・・・・ぅ』
サシミのそんな思いも虚しく、かなりの鈍い音で火星ちゃんは後ろにとんでいく。それと同時にサシミは身構えた。
「・・・・俺の言葉じゃねぇ・・てことは!!!ハリヤマ!!!!」
サシミが自分の腹を触りながらハリちゃんの方へ勢いよく振り向いた。そこにいたハリちゃんは、
「なんでちゅか?サシミン?話は後回しにして速く逃げるでちゅ!!いい蹴りだったでちゅ!!!逃げ逃げゴーゴーでちゅ!」
「は?」
何事も無いようにピンピンしており、腕を上下に動かしていた。
「お前・・なんもなってねぇのか・」
「でちゅ?何のことでちゅか?」
「何のことって・・・じゃあ!今のあいつは!」
「でちゅ!?サシミン!?」
サシミとハリちゃんは倒れている火星ちゃんに近づくと、まだ目に光はなかった。能力が発動している。しかしサシミが蹴ってもどちらにも攻撃が帰ってこなかった。
「何でだ・・・まだコイツの能力は続いてるぞ・・・・」
「だからどうしたんでちゅか?逃げるでちゅ!逃げるでちゅよ!!」
『・・・・・・・・・
痛・い。なんだ・・・何がおこったんだよ・・・』
「・・・・・」
「・・・・・・」
喋った。この二匹では無い。火星ちゃんが喋ったのだ。
「喋った・・でちゅ!」
「・・・・違う。また真似しているんだ。コイツ・・」
「でちゅ?でも、ハリ達じゃないでちゅ。それにハリ達以外ここには誰もいないでちゅ!」
「・・・・・おい!!お前!立ちやがれ!!」
サシミは身を乗り出して唾飛ぶくらい火星ちゃんに話しかけた。
『なんなんだ・・・まさか・・異能力ペットか・畜生・でてこい・でてこい・・』
「会話が成り立たねぇ。完璧に真似してんだよ。俺たち以外の異能力ペットの」
「でちゅ!?じゃあ近くにハリ達以外の異能力ペットが!見てるんでちゅか!?」
「それならでてこいなんていわねぇし、声が聞こえるはずだろうが。やっぱりコイツの能力にはまだ何かがあるぞ」
火星ちゃんはとても大きな声で何者かの言葉を言っている。サシミとハリちゃんは火星ちゃんから目を離さないように距離をとろうとすると
「サシミ!!!」
「ハリちゃん!」
「!!!ただし!」
「ちはるん〜怖かったでちゅ!」
後ろから禎と智晴そして万歳の三人がいた。ハリちゃんは一目散に智晴に駆け寄ると胸にダイブした。
「なんでここにいるってわかったんだよ。こんな目立たねぇところにいるのに」
「あんころが教えてくれたんだ。あんころなら二匹のいるところがわかるからね」
「で?そのあんころはどうした」
「あんころなら武捨さんのところに向かったよ。武捨さんのところからすごい音がしたらしいから」
「確かにしてたな。そんなことよりも「ねぇ!!、君達も火星ちゃんと同じマゼラブート星人なの!!!そうだよねぇ!!!!!」
あ?なんだよコイツ!」
万歳はサシミの手を掴むとキラキラ光る目をサシミに近づけてきている。
「富士崎先輩は仲間にしようとしている異能力ペットの飼い主だよ。そういえば、異能力ペットは?見張ってるんじゃ」
「ってことは!あの不気味野郎の飼い主か!!おい!!アイツの能力を教えやがれ!気になって!気持ちよくぶっ倒せねぇんだよ!!!」
今度はサシミが火星ちゃんを指をさしながら万歳に顔を近づけたが、その顔からは血相が浮き出ている。
「ちょ!何やってるのサシミ!!仲間にするんだよ!?」
「先に仕掛けてきたのはあっちだよ!!いいからアイツの能力を教えろこらぁぁ!!」
「能力?何それ?火星ちゃんができるのはマゼラブートと交信することだけだよ」
「あ?なんだよそのマゼラブートって」
「異能力ペットのことだよ。先輩、異能力ペットの事、そのマゼラブート星人だと思ってるんだ」
「異能力ペット・・交信・・・交信!ってことは!前にも他のやつの言葉をコイツが喋ってたのか?」
「うん。よく喋ってるよ。きっと他のマゼラブートと話してるんだよ。この前は僕の家で交信してたんだ〜。ピロピロピー」
禎はサシミに耳打ちをし、万歳について話すと万歳はくるく回り、
「「呪呪呪呪死殺!!!!!!」」
「チッ!」「でちゅ!」「うあ!」「ひっ!」
空に手を上げながらそう叫ぶと同時に火星ちゃんもジャンプし同じことを叫んだ。それは能力ではない。ハリちゃんは万歳に驚き、禎と智晴は火星ちゃんに驚いた。火星ちゃんは両足に力をいれながらその場に着地すると、サシミにゆっくりと向かってくる。サシミは火星ちゃんを睨みつける。
「・・・交信・・・・わかったぞ。ハリヤマ・アイツの能力が」
「でちゅ!?マジでちゅか!!」
「おうよ。マジだぜ。最初っから間違ってたんだ。真似をしていることも、痛みを感じないってこともな!」
火星ちゃんは体をくねくねさせながら目の光を輝かせながら。体制を前屈みにしている。
「何かが引っかかってんだったら、考え方を変えりゃあいい。違う方向から考えればその引っかかってたものはきにならねぇくらいにスッキリするだろうぜ」
「どういうことなんでちゅか!」
「アイツが俺たちの真似、つまりアイツが俺たちになってるって思い込んでたんだ。そうじゃねぇ。答えはそんなんじゃねぇ。俺たちがアイツになってんだよ。アイツが動かないのはその身体がアイツの身体じゃねぇからだ。俺たちが喋れば俺たちの身体になったアイツも喋るし、アイツがダメージを受ければアイツの身体である俺たちもダメージを受ける。痛みを感じてないとか、そんなんじゃない。俺たちがその痛みを肩代わりしてるんだよ。だからアイツは無傷なんだ」
サシミはクラウチングスタートの構えを取ると右足を怪物化させた。
「それじゃあ!さっきあの子がなってた異能力ペットはなんなんでちゅか!?」
「・・・ランダムだよ」
「ラ・ランダム・でちゅ?」
サシミは怪物化の右足を地面に擦り付け息を大きく吐いた。
「詳しい事はわからねぇが、オカルト飼い主が言ってたろ。交信って。それってよ、無線通信みたいなものだよな。きっとコイツはランダムで近くにいる奴を無線通信みたいに一方的に交信してるんだよ。異能力ペットをランダムでな!」
サシミは力を込めるとそのまま走り出した。
「死呪ッ!!!」
『猫ジャンプ』
「サシミ!!!!」
「さぁ!俺はこの考えでスッキリしたぜ!覚悟しやがれ!!
交信仮面野郎!!!」
残り・427チーム
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