41話 やばい猫に油断するな
久しぶりすぎです!!
令和です!!
よく晴れた日、芭蕉高校。
「ねぇ!!澤畑くん!!炙りカルビって3回言って!!!」
「へっ?あ・炙りカルビ!炙りカルビ!あるびかぶり!あ・・・」
虎太郎の家に集まり作戦会議をした次の日。学校の教室、智晴が禎に早口言葉を強要して楽しんでいる。
「じゃあ!次はね!「吾輩のことを忘れてないかい?」ふぇ!」
禎のカバンから頭だけをひょこっと出したのはあんころであった。
「ちょっ!あんころ!」
『ん?澤畑?どうしたんだよ?』
「な・・なんでもないよ!」
「ムグッ!」
クラスメイトの男子が振り向いたと同時にあんころの頭をカバンの中に押し込んだ。
「・・・ただしくん、結構痛かっんだけど」
「でも、あんころが・・・」
「あんころちゃん、これからどうするの?」
二人はカバンに頭を入れるほど近づけあんころの話を聞いた。
「今朝に言った事を実行する」
あんころが今朝言った事とは、
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2時間ほど前。高校より少し離れた脇道。
「それでは君達二人にやってもらう事を話す」
「はい」「は〜い」
隆弘は禎と智晴に今日の作戦を伝えようとした。すると近くの草むらがゴソゴソと動き
「で?アイツらはどうしたんだよ?あ?」
「でちゅでちゅ」
サシミとハリちゃんが草むらから顔を出した。サシミの顔はイライラしていた。
「坂出くんは病院。綾くんはめんどくさいとのことだ」
「めんどくさいだぁ〜!俺だってめんどくさいっての!」
「サシミン怒ってばっかりでっちゅ・・魚食べてるでちゅか?骨まで」
「カルシウムの問題じゃねぇんだよ!」
「でちゅ!!」
サシミが思いっきりハリちゃんの頭を叩いた。ハリちゃんは頭を痛そうに抑えている。
「まぁ君達二匹でよかったと吾輩は思っているよ。君達二匹には今から仲間にする異能力ペットの監視をお願いする」
「あ?監視だ?」「協力してもらうんじゃないんでちゅか?」
隆弘の肩に立っているあんころが肩から降りると草むらに隠れている二匹に近づいた。
「もちろんそのつもりだ。吾輩が確認したところ、異能力ペットは学校のグラウンドのさらに奥にいることがわかっている。そして飼い主はずっと動かずに、教室のようなところにいる。別行動をしているのだ。まるで悟られないように」
「それがなんだよ・・」
「そこで、澤畑くんと雨森くんにその飼い主と話をしてほしい」
「へ?」「私達が?」
今度は隆弘が禎と智晴の方へ近づいた。
「今まで出会った異能力ペット達の殆どが飼い主の言うことを聞いていた。それを考えると今回もその可能性がある。飼い主が異能力ペットを別の場所にいるように命令したかも。つまり・・」
「丸め込むんだったら飼い主からってか?」
「そういうことだ。ただしくん達が勧誘中、サシミくん達が異能力ペットを監視、足止めする。これぞ!あんころ最高作戦!仲間どんどん作っちゃえ作戦だ!」
あんころは胸を張ったドォンという効果音が鳴った気がする。
「かっこいいでちゅ!!」
「・・ダッセ!その作戦で大丈夫なのかよ」
「大丈夫。吾輩もただしくん達に同行する」
「はぁ?」「でちゅ?」
サシミとハリちゃんが同時にあんころに顔を近づけた。
(仲がいいのか)
(悪いのか)
「流石に飼い主だけでは不用心だ。吾輩が例の飼い主と話そう。その方が確実に安全だ」
「なら!俺たちでも!」「でちゅ!」
「君達に説得できるかい?」
「こいつにはできねぇだろうな!」
「サシミンにはできないでちゅ!」
「・・・・決まりだね」
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「・・・本当にアイツかよ」
「・・・・でちゅ・・」
サシミとハリちゃんはあんころが教えてた、場所に来ていた。サシミは両手で木の枝を持ち、ハリちゃんは自分の針に葉っぱを突き刺して、木の陰に隠れていた。その目の前には例の異能力ペットがいた。その顔はよく見えないが猫の耳が見えた。
「・・・ハリヤマ・・なんでだと思う」
「・・わかんないでちゅ・」
「なんで・・」
「なんで・・」
「「自分の額を木にぶつけてるんだよ!!(でちゅ!!)」」
「・・・・・・・・・・・・・っ!」
猫はリズムよく額を木にぶつけていた。それはもう勢いよく。すると猫はピタリと動きを止めるとこちらに振り返った。
「!!!」「でちゅ!!」
猫はサシミ達には気づいていないようだった。しかしサシミ達は猫の顔に驚きを隠せなかった。
その顔はホッケーマスクを被っていた。少し茶色いなにかがホッケーマスクにこびりついていた。
「「怖っ!!!!!」」
ホッケーマスクの奥の瞳がギラリと輝くと猫は空を見上げて
「呪!呪!殺!呪殺!!!!!」
大声で叫んだ。呪文のようなものを唱えるように
「「怖っーーーーー!!!!!!」」
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「みんな上手い事やってるかな・・」
夕方、全員が自分の作戦をこなしているとき、隆弘は校門の前をあんころの能力半径外に出ないようにその場をウロウロしていた。先程まで下校していた生徒達でごった返していたが、今は風の音だけが聞こえている。この時間帯になるとその周り一帯全く人が通らなくなるのだ。
「可能であれば学校の中に入りたい!ああ、やはり心配だ!」
隆弘は握り拳を作りながら下唇を噛んでいた。すると
「その場合、汝は不審者という汚れた魂になってしまうぞ。汝よ」
「・・・異能力ペット・・」
後ろから声がすると思い振り返るとその下には目つきの悪い犬の異能力ペットが立っていた。
「やはり汝は所有者か。汝の所有物はいずこ・・・汝だけなのか」
「あんころは所有物なんかじゃないよ。君は何をしに来たんだい。もしかして仲間になりたいのかいそれなら・・」
その瞬間、犬の背中からツルのようなものが生えてくる。どんどん長く、太くなっていき先が尖る。
「所有者だけなら、問題はない。所有物が来る前に汝を天へ・・・
『植物化』
その植物は隆弘に向かって伸びていった。
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「あんころ・・ここ?」
「うん。間違いない」
「ここに異能力ペットの飼い主さんが」
放課後、他の生徒達はほぼ帰宅しておりとてもしずかである。禎達はあんころを鞄に入れたまま飼い主がいるであろう教室の前まで来ていた。その教室の扉にはオカルト部と書かれていた。
「どうしたんだい?早く入ろうよ」
「オカルト部って、怖い噂ばっかり聞くから誰も近づかないし入りにくいっていうか」
「うん!!この場所だけで七不思議コンプリートできるもんね〜」
「なるほど、誰も近づかないなら隠れる場所には打って付けだね」
すると扉が勢いよく開かれた。禎と智晴は肩をビクつかせ、あんころはカバンに勢いよく頭を引っ込めた。扉を開いた男は自分の爪を噛みながら、禎達を凝視した。
「君達・・何?」
「あ・・あの・僕達・・・その・・(上級生だ・)
「すいません!あの「もしかして、入部希望者かな!」へ?」
男は二人の手を掴むと部室の中に引き入れた。
「さぁ入って入って、遂に入部者が来てくれた、呪!呪!殺!呪殺!!!!!」
「!」「!」
(この人が飼い主だ間違いない)
男は二人の手を掴みながら天井に向けて大きく叫んだ。あんころは鞄の中から男を見ていた。
「ようこそぉ!!オカルト部へ!ピロピロ〜」
残り・427チーム
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