16話 初心忘れずゲームセンター
よろしくお願いします!
ゲームセンター 耳 痛い!でも好き!
「私の名前は、雨森 智晴!好きに呼んでね!」
「・・・・」
「ハリは、ハリヤマでっちゅ!ハリちゃんって呼ぶでちゅ!」
「・・・・サシミ」
授業も終わり約束していたゲームセンターに行く前にサシミと初顔合わせをした。
「じゃあよろしくでっちゅ!サシミン!」
「あ?サシミンだ?テメー初対面でニックネームつけてんじゃねーぞ」
サシミは自分の頭をハリちゃんにくっつけて威嚇した。
「ちっちっち〜サシミンは、わかってないでちゅね〜。ニックネームをつける事ですぐに仲良くなることが出来るんでちゅよ、サシミン!」
「俺は、できねぇと思うけどな、お前とは。ただし、コイツ倒していいか」
「駄目だよ!」
「あはははは!」
智晴は腹を抱えて笑いハリちゃんはくるくる体を回転させていた。サシミは今にも怪物化した右拳を振りかぶる寸前であったが禎が必死にサシミを止めた。
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二人と2匹はゲームセンターに行く道を歩いていく。ゲームセンターは、禎の帰り道の近くだった。
(というか、僕みたいな奴が、リア充の3大集まり場所の一つゲームセンターに行っていいのか。しかもクラスの人気者の雨森さんと)
禎は自分が行っていいのかと自分と葛藤していた。ちなみに禎が言っていた、3大集まり場所とは、ゲームセンター、カラオケ、オシャレなカフェである。
「どうしたの?澤畑くん?」
「!な・なんでもないよ」
急に智晴が顔を覗きこんできたので禎はびっくりした。
「そっか、それならいいんだけどさ。そしてそんな話をしているうちにー。ゲームセンターに、着いたぞー!」
「でっちゅー!」
「おおーー」
「・・・」
そのゲームセンターはこの辺りで一番大きなゲームセンターである。
「家の近くにこんな所があったなんて」
「お前本当にここら辺のこと知らないよな。俺は、普通の猫だった時、たまに来てたぜ。中は、入った事ねぇけどな」
「よーし、入ろ!」
「でちゅー!」
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「がー!うるせぇ!」 「でちゅ〜」
「確かに、うるさいね」
「あはは、このうるささがいいんだよ。さぁ!何する!何する!」
ゲームセンター特有のうるささが禎達の耳を襲った。今日は空いており、人はあまりいなかった。智晴は、小さい子どもの様にピョンピョン跳ねながら何をするか目をキラキラさせていた。
「よーし!これやろ!」
智晴はすぐに見つけた、可愛い熊のぬいぐるみが景品のUFOキャッチャーをし始めた。すると、
「ただし、金くれ。あれやりたい」
「あ・うん、わかったよ」
禎はサシミに100円を渡すと、すぐさま目的の所まで走っていった。禎は気になったので顔を覗かせると、
「にひひひ、コイツら叩かれたら「いてぇよー」だってよ!おもしれぇ」
「サシミン、左にでてるっちゅ!」
「しゃ!くらえや!」
「いてぇよー」「ぎゃあー!」「やめてー!」
「おら!おら!おら!おらー」
「でっちゅー!」
アリ・ゲータパニックという、ワニをハンマーで叩くゲームを2匹でしていた。
(なんだ、あんな事言ってたけど仲良く出来てるじゃん)
禎は笑いながら智晴の、いた所に戻った。智晴は、未だにUFOキャッチャーに苦戦していた。
「ぐぬぬー、取れない〜。ねぇ、澤畑くんは、何かしないの?」
「僕は、見てる方が楽しいから」
「そっか」
智晴はそう言うと、またUFOキャッチャーをし始めた。
「ねぇ、雨森さん。一つ聞いていい」
「ん!何?」
智晴は、UFOキャッチャーをしながら返事をした。
「どうして雨森さんは、武捨さんの仲間になったの?」
「・・・・武捨さんの言っている事が正しいと思ったからだよ。私もそう思っていたってのもあるかもしれない。武捨さんに仲間にならないかって言われた時、まだ異能力ペットバトルのこと知らなかったんだ。最初は怖かった。手紙を見た時は。だって「殺す」「死ぬ」って書いてあったんだよ。震えが止まらなかった。だからこそ仲間が欲しかったんだよ。私の震えを止めてくれる仲間。もうあんな思いは、嫌だから」
「え?」
智晴の手は、小刻みに震えていた。
「あ・いやその今のは忘れて、禎くんは、何で仲間になったの?」
「それは・・・・・僕も雨森さんと同じ考えだと思う。関係ない人が巻き込まれるのも間違ってる。だから僕が、そいつらを倒す。それが僕の正義だから」
「そっか、じゃあ頑張ろうよ、私達は、私達の出来ることをやる。そうでしょ」
そう言いながらぬいぐるみをこちらに向けてきた。どうやら取れた様だ。
「やったー!やっと取れたよ」
「雨森さん、何円くらい使ったの?」
「そ・それは、聞かないで」
「あはは」
「じゃあ袋探してくるね!」
智晴は、袋を取りに行った。その直後
「あ〜クソまた取れなかった、おい、グラタンもう200円だ」
「わかったぜ」
「え!」
隣から声がした。禎が隣を見ると、禎と背が変わらない男とサシミと同じ大きさのキャップを被った
ポメラニアンの異能力ペットがいた。
するとポメラニアンが左手を前に出す。すると掌にあるNo.355の文字が光った。その瞬間
チャリン
ポメラニアンの掌から、100円玉が二枚出てきた。
「!・・何あれ」
すると飼い主は、何事も無かったかの様にUFOキャッチャーを始めた。ポメラニアンが出したお金で、
(まだ気づかれてない今なら逃げられる、武捨さんを呼ぼう)
禎は、この場から立ち去ろうと歩きだした。しかし
「おい待てよ」
「!」
隣から飼い主の声がした。
「全部、聞こえてたぜさっきの会話、お前とあの女、
異能力ペットの飼い主だろ」
残り・480チーム
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