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忘れられた少女

作者:詞徒
初投稿です。心の広い方々、どうか生暖かい目で見てください(/ω\)

※2018.1.11 改稿
  私は親から貰う愛情を知らずに育った。

 親は私に時間をかけることが出来なくて申し訳ないと昔言ったが果たして本当のことかは私にはわからない。

  母は家の様子と私の生活費を置きに月イチで帰ってくるがコートは脱がないし、私が学校から帰ってきてなかったら私の帰りを待たずに妹がいる病院にすぐさま戻る。

  妹はめんえきりょく?という力を弱くする病気にかかっているらしい。
 だから風邪やウイルスによくやられてしまうらしい。

 でもずっと入院が必要な訳ではなくたまに家に帰るし体調のいいときは病院内の中庭で元気に母と走り回っているのを見たことがある。

 父は弁護士で朝早くに仕事に行き、夜遅くに帰ってきては妹と母のいる病室に様子を見に行き、そのまま自分も母と一緒に泊まっている。

  どうやら妹が入院している病院は父の祖父の長年の友人が経営しており、またその人の息子が父とも仲が良くその人たちの配慮で泊まり込みで看病のできるように部屋を宛がってくれているらしい。それに病院の方が仕事場に近いらしい。

  まだ小さい頃は母と一緒に泊まり込みで妹の見舞いをしていたらしいが全く覚えていない。





  小学校高学年になると母は私に家で留守番させるようになった。

 妹の容態が悪化したようだ。





  家に残されるようになった私は本当に独りになったのだ。





  そんな状態になってからある日、私は淋しくなって母達に会いに行った。病院までは頑張って歩いて行ける距離だったので、吐き出す息が白いのをぼんやりと眺めながら私は病院まで歩いた。







 ロビーに入る前に中庭の方から聞こえた妹のキャッキャッと笑う声が聞こえた。そっちへ向かうと、



 
  母と妹と父がとても楽しそうに遊んでいたのだ。


  溢れんばかりに笑う"家族"。



 降る雪に興奮する妹を優しげに見守る"親"。
 

 その表情からは私のことなど完全に忘れていると言わんばかりの"家族"の様子だった。


 私が居なくても成り立っている一つの家族。

 私の居場所などどこにも無かった。


  それを見て私は怒りも不満も淋しさも全てが身体の中からストンと地に落ちた様な気がした。

 音も、地に足をつけている感触も。

 1度喉の少し下あたりから変な圧迫感が上へ
 とせり上がり、やがて脳がゆれる様な目眩に
 目を瞑って耐えた。










 そこからはもう覚えていない。

 気づいたら氷の様に冷たいあの家のフローリングの上で転がっていた。
 さっきはあまり意識していなかった雪が窓から見えた。


  思い出すのはやはり両親と妹。

  妹の看病で疲れているからと私が作文で賞をとってもあまり喜んでくれなかった母。

  母が大好きで母に似た妹をいつも可愛い可愛いと言って頭を撫でていた父。

  あれが欲しい、これが欲しいと可愛いらしく両親にオネダリをする病室にいた妹。


  両親はよく私に言っていた。



  「あなたより花梨の方がずっと苦しい思いをしているのよ」


  「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい」


  「花梨が大変なの。花梨は風邪をひいたら他の子よりも長引いてしまうからあの子を一人に出来ないわ。淋しくて泣いてしまうの」


「もう独りで大丈夫だよな」


 私は雪を眺めながら静かに涙を流した。







 一人になると不満が爆発した。
 父や母は勘違いしている。
 親から放ったらかしにされて、私なんか遊んで貰ったこともない。
 母の料理なんていつ食べたかすら覚えていない。
 なのに、なのになのになのになのになのになんだよわたはアンタらアンタら(両親)にとって私は、私は…



 なんなんだ…





 苦しい…本当は大声で叫びたい。感情をだれかに受け止めて欲しかった。



 独りにしないで欲しかった。





 次は嫌悪感。両親や自分に対する嫌悪。

 学校の先生がよく言っていた。

「何か言いたいことはハッキリ言いなさい。そうしないとずっとすれ違ったままになってしまうよ。ちゃんと話し合えば解決することはたくさんあるんだよ」と、


 先生、私がちゃんと言えば良かったのかなぁ。そうすれば少しは構って貰えたかもしれない。つまり、私も悪い。両親だけを一方的に責めることは出来ない。
 でも、だからといって許すことは出来ない。だって一度芽生えたこの感情はきっと消せない。
 きっと私はこの家で独りでいるだろう。



 あなたたちが気づいてくれるのを待ってます。






 今日は私と妹が1年違いで生まれたクリスマスイヴだったのだ。

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