第2話「初めての戦闘」
一週間だと言ったな、あれは嘘だ。
ん?何だろう・・・いつの間に寝てたっけ・・・「て、違う!!」
寝転んでる状態から勢いよく起き上がるとそこは森の中だった。
落ち着くために何度か深呼吸をして改めて周りを確認する。
(ここがじいさんが言ってた森か・・・思ってたよりも普通?だな)
ユウキには普通の森がどういったものかは分からないが、近くに猛獣やスライムみたいな魔物が居ない事に安心した。
「取り合えずこの森から出るか・・・ん?何だこのポーチ?」
歩こうとした時に何かが足に当たり確認すると、それは腰に着けるようなポーチだった。自分が生前持っていたものではなく、見た事ない物だった。
一応中身を確認しようと手を伸ばすと。
ピコン!と音がなると同時に手紙が宙に浮いていた。驚く暇もなく手紙が独りでに封を切り声が聞こえてきた。
「この声が聞こえているのならきっと君は無事に転生を果たせたのだろう。」
「じいさんか!」
そう声を出すと自分でも驚いた、自分の声は元より高くなっていて、身長も160㎝くらいまで縮んでいた。顔は髭が一切ないのはラッキーだと思ったが。服は生前来ていた服ではなく、良くも悪くも町民という言葉が相応しい恰好だった。
「この声は手紙に込められたものであって、一方的にしか伝えることが出来ん、じゃから話しかけても君の声は儂の元まで届くことは無い。君にこの世界の常識を伝えるのを忘れておったのでなこの手紙を送ったわけじゃ。」
そういえば金とか物価が何も分からない・・・助かった〜
それからじいさんは一方的に常識を話してきた。色々聞いたが紙幣などは無く、この世界はすべて硬貨であること。
銭貨1枚=1ゴールド
銅貨1枚=10ゴールド
大銅貨1枚=100ゴールド
銀貨1枚=1000ゴールド
大銀貨1枚=10000ゴールド
金貨1枚=100000ゴールド
大金貨1枚=1000000ゴールド
白金貨1枚=10000000ゴールド
お金の価値は大体こんな感じで。成人男性が1日に朝晩食べて宿屋に寝るなら大銅貨1枚もあれば大丈夫だと言ってた。(物価自体は低いのかな?)
「ユウキ君の世界には無かったが、この世界には奴隷制度というのがある。まあ君が思うような不当な制度ではないから安心したまえ。詳しく知りたかったら奴隷商人などの職業もあるから聞いてみるといい。」
奴隷には興味があるけど、さすがにすぐ奴隷が欲しいわけでもないしここら辺はその内だな・・・
「最後にこのポーチはマジックアイテムでな、見た目よりも沢山の物が入るからのう。あとその中には儂からの差し入れが入っておるから使ってくれ。それじゃあ教会に来るのを待っておるぞ〜」
そう言い終わると手紙は燃えて消えていった。
「(じいさん、ありがとう)さてと、まずはこのポーチを【鑑定】してみるか」
[名前]:アイテムポーチ(等級2)
[説明]容量が10000㎏のアイテムポーチ。非常に価値が高く、ダンジョンの宝箱や遺跡などからしか手に入ることが無いため、商人や王族などは喉から手が出るほど欲しがる。
「・・・これ絶対にバレたらやばいやつじゃん」
中に入っていたのは以下の通り。
ポーション(等級6)×10
ポーション(等級3)×5
マジックポーション(等級6)×10
マジックポーシヨン(等級3)×5
食料、水10日分
鉄の剣1本
ダガー2本
ナイフ3本
金貨5枚
大銀貨5枚
銀貨5枚
大銅貨5枚
銅貨5枚
手鏡
旅用マント
隠者の指輪
であった。
「【鑑定】してみても、他の物はアイテムポーチ程ぶっ飛んでるわけでもなくて普通で良かった〜。うん?」
[名前]:隠者の指輪(等級1)
[スキル]隠蔽
[説明]創造神ダークが作った指輪、この指輪を着けている限りどの様な方法であろうと自信のステータスが他者に知られる事はない。
「もう1個あったわヤバそうなの・・・」
この隠者の指輪は自身のステータスを他者から隠すことが出来るマジックアイテム。これでとりあえず[称号]と[ユニークスキル]と[加護]を隠せる。
所で何で手鏡?そう思って自分の顔を見てみると・・・なんかやけに顔が良くなってる自分がいる、もともとの顔は良くて普通位の顔だったけど、今なら学校に一人はいる美少年でいけるレベルの顔に成っていた。
「転生特典?それとも【健康体】か【幸運】の力か?ちょっと落ち着かないけど、普段鏡なんてあんまり意識して見ないからいいか。まずは武器を付けて森を出るか」
アイテムポーチと剣をしっかり腰に着けて、ダガーは1本後ろ腰に着けておく。その上にマントを羽織れば完成!
「さっさと移動するか・・・」
そう考えていると少し先から何か小さな鳴き声のような音が聞こえてきた。
とっさに身を下げてゆっくりと音を出さないように静かに音のした方に移動する。
「ギャァ!ギギャァ」
(何の声だろ?、一応確認だけするか・・・)
ゆっくり移動すると少し先に何か緑色の生き物がいるのが見えた。身長は低く大体120㎝位だろうか、気持ち悪い顔をしていて何かの肉を食べていた。
(もしかして、あれってゴブリンか!)
確認の為とっさに【鑑定】を使用した。
[名前]無し
[年齢]1歳
[種族]ゴブリン
[ランク]F
[称号]無し
[レベル]3
[ステータス]
HP20/20 MP5/5
STR20 VIT13 DEX4 AGI7 INT2 LUC8
[パッシブスキル]
棍術LV1
繁殖LV1
(思ったより弱いな・・・周りには仲間がいる感じではないし、不意打ちならいけるか?)
本来ユウキのステータスなら真正面からでも余裕で倒せるが、もとの世界ではまともに喧嘩もしたことがなかったので安全策で、まずは不意打ちで殺せるかどうかの確認がしたかった。
剣を持ったまま、音を鳴らさないようにゆっくり近づいて行く。
後5歩・・・4歩・・・3歩・・・2歩・・て所でゴブリンが後ろを振り返った。
(!、やらなきゃ殺される!!)「うおおぉぉ!!」
ユウキの持った鉄の剣はゴブリンの左肩から右わき腹までをキレイに切り裂いた。ゴブリンは声を出す暇なく即死した。
「はぁはぁはぁ・・・ああぁ疲れた。ていうか剣道とかやったことも無いのに何となく剣の振り方とか狙う所が分かったけど、これがパッシブスキルなのかな」
ただの一般人だった自分が鉄の剣でゴブリンを一撃で殺せた事が未だに信じられなかった。ましてや今の自分は13歳の子供なのだからなおさらだ。
「そういえば今のでレベルって上がったのかな?」
気になって自分のレベルを確認すると。
[名前]ユウキ
[年齢]13
[種族]人族
[職業]無し
[ジョブ]無し
[称号]異世界の住民
[レベル]2
[ステータス]
HP380/380 MP250/250
STR200 VIT180 DEX130 AGI170 INT110 LUC99
[パッシブスキル]
剣術LV1
体術LV1
身体能力強化 LV5
状態異常耐性 LV5
言語理解
索敵LV1 NEW
忍び足LV1 NEW
[アクティブスキル]
剣技LV1
格闘技LV1
鑑定眼
魔物契約LV1
[ユニークスキル]
幸運
成長期
健康体
[加護]
創造神ダークの加護
レベルが1つ上がってステータスが上がってる、スキルレベルは上がってないけど新しく【索敵】と【忍び足】が増えた。離れた所からゴブリンを見つけたのと、見つからないように動いたからからかな?このままもう少しレベルを上げてから町に向かうか。
それから太陽が真上にくるまでゴブリン狩りをしていた。自分と同じか下のレベルの時だけは真正面から戦ってみた。途中からは剣を使わず、素手で倒してみたけど、ここら辺のゴブリンなら問題はないな。レベルも上がりにくくなったし、早く町に行くか!
ーー神界ーー
「お父様、彼に装備やアイテムを渡すのは何も問題ありません。ですが・・・」
普段は優しい笑みを浮かべる地神エーデが、戦神ですら怯える程のオーラを出しながら創造神を正座させ
「なぜ国宝級のアイテムを渡すのです!せめて等級6のアイテムポーチならここまで怒ることはないんですよ!!」
エーデが言う等級6のポーチは容量100㎏のアイテムポーチで、こちらは商業ギルドなどに行けばまだ安価で手に入る。だが、等級2のアイテムポーチは数が数える程度しかなく、一度話題になれば転生した彼が危険な目に合うのは目に見えていたので怒っていた。
「いや、適当に作った失敗作を選別に1個渡しただけなんじゃが・・・」
「お父様が作るだけで最低でも等級3になるのになんで渡すのですか!いいですか!そもそも・・・」
(慣れんことはするもんじゃないのう・・・)
「聞いてますか!?」
「は!はい!!」
(ユウキ君、早く教会に来てくれーー!!)
ーーそのころのユウキーー
「いやーこんだけ弱いなら今度は群れてるのを叩きに行くか!きっとゴブリンは初心者救済用なんだな、じいさんもいい所に落としてくれた!」
ゴブリンを倒すのに夢中になっていました。
暇なら早く、忙しかったら一週間後です。