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転生者の異世界冒険譚!!  作者: まっち
1/7

第1話「神様と異世界」

「あれっ?ここどこ??」



そこは一面真っ白としか言い表せない所だった。

360度どこを見渡しても白しか見え・・何あれ?



ちょうど真後ろの方を向くと、誰かがこっちに手を振っているのが見えた。

周りには自分しか居ない事から自分が呼ばれていると思い小走りで向かった。



「いや〜すまんすまん。少しズレてしまったようじゃ。」



そう話しかけてくるのは黒い髪に立派な髭を生やした優しそうなおじいちゃんだった。



「え〜とすみません、ここはいったい何処ですか?あと貴方は?」



「ん?もしかして覚えてないのかね?」



「えっと何をですか?」

何か話が合わないな・・・



「君は死んでしまったんじゃよ?」



「・・・・・・はっ?」

えっ、どうゆうこと??



「君の世界の神と君が死ぬ所を見ていたが中々酷い死に方じゃったよ。車に跳ねられた後、トラックに顔を・・」



「ああああぁぁぁぁ!!思い出しましたのでもう大丈夫です!出来ればもう思い出したくありません!!」



「まあ普通はそうじゃろうな、自分の死ぬ瞬間なんて思い出したくはなかろう・・・」



そうだった・・・俺死んだんだった。

たしか仕事帰りにバイクで家に向かってる時に、信号無視して来た車が突っ込んできてそこから・・・



「落ち着いたかね?」



「はい・・・少しは。まじかぁぁ、俺死んだのか・・・まだプレイしたかったゲームとか、もうすぐ発売の漫画やアニメの最新話とか心残りがぁぁ!!」



「君、随分落ち着いとるのう・・・」



「よくよく考えたら恋人がいるわけでもありませんし、家族はバラバラですし。まあ良いかなって?」



「普通はもっと泣いたり怒ったりするんじゃがのう、まあこっちとしても話がしやすくて助かるが・・」



「そういえばおじいさんって何者ですか?さっき神とか言ってたような?」



「おお、そういえば自己紹介をしてなかったの。儂の名前は‘ダーク‘。君とは違う世界の神をしておる。よろしくのう」

そう言ってダークは、手を出して握手をしてきた。



「えっと、‘松本優木‘と言います。よろしくお願いします。」

ダークって何か神様よりも邪神って感じがするな〜なんて考えてると。



「邪神ではないぞ」

と、声に出していない筈なのに返事をされた。



「ビックリした!心が読めるとかそんな感じですか?」



「読もうと思えば読めるぞ」



「あまり読まないでもらえるとありがたいです・・・」

すんません・・・読まないで下さい



「まあ普段は読まないから安心しておれ、神だという証拠を見せようと思って読んだだけじゃからのう」

そう言ってニヤニヤ笑っているせいで俺の中での株が下がってるぞ、じいさん。



「俺が死んだって事はここはあの世とかですか?」



「いや、ここは儂の世界の神界じゃ。神やその眷属しか入る事が出来ん、特にここは創造神である儂と上位神しか本来入れん場所じゃ。」



「それにしては何だか殺風景ですね」



「この空間じゃと好きに模様替えが出来るから便利じゃぞ、ほれ。」



そう言ってダークが軽く手を振ると、今まで何も無かった空間が八畳位の広さの和室に変わり、机の上には煎餅まで置いてある。

・・・煎餅食うのか?



「さあ、座ってから話を戻すかのう・・・。まず優木君にはこれから儂の世界で生まれ変わってもらう。」



「えっとダークさんの世界にですか?」



「じいさんでもよいぞ?何なら敬語もいらんぞ?」

と笑って返事してくる。読んでたんかい!



「ならそうするよ。何でじいさんの世界に違う世界の俺が行くんだ?」



「偶然君の死を見たのもあるが、君の魂は儂の世界に行くことが出来るほど強いか

らじゃ。それに君の過去も少し覗かせもらったが君は色々やりたい事があっても出

来なかったりして、少し可哀そうでのう、つい儂の世界で好きなように生きてほし

かったんじゃよ・・・」



「じいさん・・・」

涙目で俺に優しい笑顔を向けてくる神様に俺は・・・



「で、本音は?」



「儂の世界の住民が異世界から勇者を召喚してるのを見て儂もやってみたかった!!」



「ふざけんなクソジジイィィ!!!!」



「まあまあ落ち着いてくれ、これからは君にとって良い話しだからのう」



言いたい事は山のようにあるがまあいいか、これからの方が大切だしな。



「良い事ってのは?」



「まず儂の作った世界‘エアング‘の説明じゃが、優木君に分かりやすく説明すると

ファンタジー世界でいいのかの?中世ヨーロッパ位の文明で。魔法や剣で戦ってスライムやドラゴン、エルフやドワーフがいて、レベルやスキルも存在する世界なんじゃが」



その説明を聞いて俺は震えていた。そんな夢の様な世界が本当にあるなんて!!



「あってると思うぞじいさん!それでそれで!?」



「急に元気になったのう、まず君はあの世界で死んでしまったからこちらで新しく

生まれ変わることになる。その過程で儂から君にある程度のスキルとステータスを

プレゼントするという話じゃ」



なるほど、それはなかなか良い話だな・・・そういえば



「勇者の召喚とか言ってたけどそっちの世界には俺の世界の人がいたりするのか?」



「勇者として呼ばれた者や神隠しでこちらに来た転移者、死んだ際に魂が世界の壁

を越えて新しく生まれた転生者などが何人かいる。まあ運が良ければ会えるんじゃ

ないかのう?」



「勇者とかやっぱ強かったりするのか?」



「最初からレベルが50だったり珍しいスキルを持っていたりしてなかなか優遇されとるぞ。最初はスキルとレベルに振り回されるがな。」



最初からレベルが高いと面倒そうだな・・・やっぱコツコツ強くなった方が良さそうだな。



「そういえば俺にはどんなのが貰えるんだ?」



「君にはまず【言語理解】と【鑑定】のスキルをあげよう。これが無いとまず言葉

が分からないし物を知らなさすぎるのも大変じゃろうしな。そしてここからが大切

な事じゃ、これから儂が幾つか質問をする、それに君が答えていき最終的に君にあ

ったスキルとステータスを渡そうと思う。良いか?」



「自分で選ぶ感じじゃないんだな?」



「過去にそれでえらい問題があってのう、それ以来この方法でしておる。」



何となく想像は出来る。強いスキルを何個も持って、馬鹿みたいに暴れたとかそんな感じだろ。

まあある程度無難な位が丁度いいからいいけど。それにこっちの方がワクワクするしな!



「それじゃあ始めてくれ!」



「では、始めるぞう・・・」



そう言い終わるとさっきとは雰囲気が変わりダークから光が漏れだした、その光景

はとても神々しく、ここが和室であることにとてつもない違和感を感じて笑いそう

になるが必死に堪えた。



「君は新しい世界でどのように生きたい?」


冒険を、誰も見た事が無い生き物や光景を見れる冒険がしたいです。



「剣と魔法、どちらを使いたい?」


剣です、自分の身は自分で守れるようになりたいです。



「君にとって一番の苦痛は?」

自由が無く、逃げられない事です。



「君にとって魔物はどのような存在?」


未知の生き物であり、出来る事なら仲良くなりたいです



「君には三つの力がある、どんな力を欲する?」


良い出会いに恵まれる力。常に成長し続ける力。病気やケガに強い力。



言い終わると、ダークの手から光の玉が出てきてそれが俺の体の中に入っていった。

痛みは無く、なんだか温かい感じがする。



「無事にスキルとステータスは与え終わったぞ、最後にエアングの説明をしようと思うんじゃがどうする?」



「大体でいいよ、後は自分の目と耳で知っていくから。」



「分かった。まず今から優木君が行くのは<ケーライヒ統一王国>と言われる人族の国じゃ、中央にある王都から東へ3日ほど馬車で移動した所にある森の中に転移させる、理由としてはいきなり人が現れたら色々問題があるからのう。あと君の年齢も10年程若返らせてあるから、この世界では成人は15歳からじゃからまあ大丈夫じゃろ」



「年齢はありがたいけど遠すぎないか?」

土地勘も無いのにいきなり森の中はさすがに怖いんだが・・・



「安心してくれ、森の出口はすぐ傍だし森を出て道沿いに3時間も歩けば<カルバス>と呼ばれる大きな壁のある町が見えるはずじゃ。

あとスキルは使おうと思えば使えるからのう、一回自分に対して【鑑定】を使ってみい」



「分かった。」



自分に対して【鑑定】を使おうと念じると目の前にゲームのステータス画面みたいなのが出てきた。



[名前]ユウキ


[年齢]13


[職業]無し


[ジョブ]無し


[称号]異世界の住民


[レベル]1


[ステータス]


HP300/300 MP200/200


STR180 VIT180 DEX150 AGI150 INT100 LUC99


[パッシブスキル]

剣術LV1

体術LV1

身体能力強化 LV5

状態異常耐性 LV5

言語理解


[アクティブスキル]

剣技LV1

格闘技LV1

鑑定眼

魔物契約LV1


[ユニークスキル]

幸運

成長期

健康体


[加護]

創造神ダークの加護



(パッシブが常に発動してて、アクティブは意識しないと使えないスキルって感じか・・・

しかしこの[ユニークスキル]がよく分らんな)

そう思い[ユニークスキル]に意識を集中させると目の前に詳細が現れた。



ユニークスキル:生まれた時にすでに持っていたり、神の加護によって授けられたスキルの事。また、呪いや称号を獲得したりすると稀に手に入るスキルもある。



幸運:このスキルを持つ者のLUCを最大値にまで上げる。また自身や仲間がピンチになった時などに高いボーナスを得る。



成長期:このスキルを持つ者は取得する経験値が通常よりも数倍高い数値になる。自身が強く信頼する仲間にもボーナスが得られる。



健康体:このスキルを持つ者はありとあらゆる病気やケガに対して強い耐性を得る。身体能力強化、状態異常耐性をLV5で取得する。



創造神ダークの加護:この加護を持つ者はありとあらゆる生産スキルに高いボーナスを得る。神に見捨てられない限り、まず死ぬことは無い。



「鑑定眼って便利なスキルだな〜」

これでもう辞書なんかも必要無しだな!



「鑑定眼はサービスじゃ、これで大体は調べられるじゃろ。それに儂の加護もあるからそう簡単に死ぬことはないじゃろうしな・・・おっと、そろそろ時間のようじゃ」



そう言うと俺の周りだけ光輝きだして、足元から消えていく。



「えっ!ちょっと待て!じいさんとはもう会えないのか!?」

色々と聞きたい事や話したい事があったけど、時間が無いから一番聞きたい事だけでも聞かないと!



「時間がある時にでも教会で祈っておればまた会えるぞ。あまり長くは会えんとは思うがな」



「それが聞けてほっとしたよ。またなじいさん、それとありがとう!」



そう言い終えると体全体が光、ダークの前から姿を消した。

そしてユウキが新しい体と共にエアングに居る事を確認してダークほっとした。



「儂自身でするのは初めてじゃったから少し緊張したのう・・・それに儂の加護が付いとるといっても死ぬ時は死ぬしな。」



通常、転生や転移して来る者の相手は上位神の誰かが担当しているものなのでダーク自身、これが

正解かは分からないが問題は無いだろうと温かいお茶を出して落ち着いていた。



するとコンコンとノックされ一人の女性が入ってきた。



「お父様、上位神全員帰ってまいりました」



そう声を掛けてきたのは。上位神のまとめ役でもある女神、‘地神エーデ‘大地を司る女神。農業と豊作の神と言われ、優しそうな笑みを浮かべたウェーブの掛かった茶色の髪を腰まで伸ばし、杖を持った綺麗な女性であった。


「全員帰ってきたか、おぬし達の代わりの仕事はさっき終わったぞ」



「さすがだな父上は!」



そう言って入って来たのは‘海神ゼーメーア‘海を司る神。勇気と運命の神と言われ、青い髪を後ろで一つに結んで、身の丈ほどの銛と錨を持ち褐色肌の人懐っこい顔をした青年であった。



「だよね〜、僕たちすっごく気を使って調整したりするんだもん!すごいよお父さん!ねー!レーベ!!」

そう言い身振り手振りで表現しているのは‘風神ヴィンス‘風を司る女神。冒険と出会いの神と言われ緑色の髪を肩まで生やし短剣を2本腰に持った、楽しそうに笑う少女であった。



「うん・・・父様初めてなのにすごい・・・」

そう言い、眠たげな目をしているのが‘生命神レーベ‘命を司る女神。愛と祝福の神と言われ、ピンク色の髪が足元まで伸び、弓を持った幼女であった。



「俺もあれは面倒だからやりたくねえんだがな〜親父はさすがだなー」

そう言い畳の上に座って胡坐を掻いているのは‘戦神シューゲン‘戦いを司る神。勝利と約束の神と言われ赤い髪を生やし短髪で、様々な武器を身に着け、厳しそうな顔をした男性であった。



「そう難しい事でもなかったぞ、お前達のを参考にしたからのう」



「お父さん!その転生者のステータス見せてよ!!」



「ほれ、これじゃよ」

そう言って手を振ると先ほどのユウキのステータスが皆に見えるよう宙に浮いて見える



「「「「「・・・・・・」」」」」



先ほどとは雰囲気が変わり、全員ユウキのステータスを見て絶句していた。



「ん?お主たちどうした?」



「お父様、私たちが今まで転移や転生して来た人達に与えていたステータスを見たのですよね?」



「勿論じゃ、じゃからステータスは勇者より低いし、スキルも勇者よりも少ないじゃろ?」



「ユニークスキルが3個あるのは?」



「勇者より弱いからのう、サービスじゃよ」



「「「「「何考えてんだぁ!!!!!」」」」」



5人の神全員が怒鳴ってきた。



「えっ!いったい何を間違えたんじゃ!?」



「まず父上!この世界のどこにLV1なのに全ステータス100越えが居るんですか!普通LV1は1桁!優秀な者でも10を超える程度なんですよ!」



「お父さん!スキルはともかくユニークスキルが初めから3個ある例は一度も無いんだよ!歴代勇者の中で一番強かった人でも最高3個なのに!」



「それにLV1でこのステータスは問題だと思う・・・LV50で召喚される勇者でも大体500前後なんだよ?・・・すぐに追いついちゃうし、勇者よりも強くなると思う・・・」



「いや、一番やべえのは親父の加護だろ、親父!創造神の加護は強力だから付けないって300年前に言ってたじゃねえか!!」



「いや・・・だって・・・」



「「「「「だってじゃない!!!!!」」」」」



「儂の加護が付いていたって死ぬ時は死ぬし大丈・・」



「お父様が加護を付けた人は、人族なのに亡くなられるまで1000年生きてたじゃありませんか!!」



「そういえばそうじゃったな!」



「「「「「ふざけんなぁ!!!!!」」」」」



その日1日、神界では上位神達の怒鳴り声が響き渡り眷属達は怯えて過ごしていました。

1週間に1話くらいのペースになるかと思います。

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