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とある神兵の珍道記  作者: ペロりん
23/24

22話 オルトロスとガドゥン

それにしても女っ気が無いストーリーですわ。

 ロイにこれまでの経緯を教えてもらう。ハンス村長は腕試しをしたかったのだろうか?ギルドマスターとやらも脳筋みたいだから、拳で語り合ったという選択肢も外せないが。

 MMOの可能性が高いって話は避けて、記憶が少し戻った話をした。オルトロスにユグドラシルの事を尋ねると、確かにあるらしいが、かなり南方らしい。記憶違いはあり得ないので、MMOと似て非なる世界なのか、地形が変化してしまったのか…兎に角情報が必要だ。




 そんな話をしていたら、ハンス村長が虎耳マッチョ…じゃなくて、ギルドマスターを連れて戻ってきた。


「アカシ、こいつは俺の相棒だったガドゥンで、ここのギルドマスターだ。…んでよ、ワシが強くなった理由を話せってしつこいんだが、どうしたら良いと思う?」


 おいおい、それって俺に判断を託してる?嫌な予感しかしないから、丸投げしよう。


「それはオルトロスに確認しないと何とも…」

「オルトロス?闇の大精霊のオルトロス様のことか!?」


 何かいきなりヒートアップするギルドマスター。あかん、ハンス村長より暑苦しいタイプかもしらん。


『お主、解っておるではないか!見処があるのう!!聞いたか、アカシ。ワシは、このように敬われる存在なんじゃぞ?』


 うわー、思いっきり思考を垂れ流しやがったよ、この犬。聞こえてしまったのだろう、ギルドマスターはキョロキョロしている。


『ガドゥンと言ったか?此処じゃ、此処じゃ。』


 完全に語り掛けやがった。ガドゥンは、皆の視線がロイの頭の上に注がれていることに漸く気付く。


「あんたがオルトロス様ですかい?私はガドゥン。グラシルの街のギルドマスターにして、白虎人族の戦士だ!…でございます。」


 あ、跪いちゃたよ。大の大人が子供に傅き、その頭の上で頷く子犬…シュールだな、おい。


『うむ。ワシが闇の大精霊たるオルトロスじゃ。苦しゅうない、面を上げい。』


 それ、何てお奉行様なのだろうか?


『ワシがハンス殿に加護を与えたのじゃ。ワシは凄いんじゃぞ?』


 言ったよ、あっさり言っちゃったよ?つか、何で最後は疑問形?


「オルトロス様、加護はどうやれば戴けるんですかい?」

『うむ。それは、ワシに認められるように精進するしかないのう。ワシは凄いんじゃぞ?』

「ハンスはどのようにして、加護を戴いたんですかい?」

『ハンス殿は、言うなればワシの盟友じゃ。苦楽を共にしておればこそ、加護の1つも与えるというものじゃ。ワシは凄いんじゃぞ?』


 何か疑問形の自画自賛がしつこいんだが。つか、これって非常に不味い流れじゃないか?


「では、私ガドゥンもお供しやしょう!認めて頂けるように精進しやすぜッ!!」


 あー!やっぱり駄目な流れだった。しかも1人で完結してないか?オルトロス、今更こっち見んな。


『うむ、いやそれは(あるじ)のアカシに聞かねばのう。のう、アカシ?』


 出来ればのう、NO!と言いたい。だが、NO!と言えない日本人な俺は、皆に助けを求めることにした。


 ハンス村長…目を游がせる。

 ロイ…目を伏せる。

 オルトロス…真正面からじっと此方を見ている。

 まわりの人々…あからさまに顔を背ける。


 …神は居なかった!





「…ギルドマスターという、大事なお仕事があるでしょう?まわりの人に迷惑を掛けるなうな人の同行は認めません。」


 もう、これしかない!と、俺は一縷の望みを掛けて答えた。


「ギルドマスターか、兼任しながらやれば問題ないだろう?うちには優秀なメンバーが揃ってるからな!なぁ、お前達?」


 この人達、ギルドの職員だったんか。ああ、皆渋々だけど、頷いている。

 負けか?負けなのか?…いや、まだだ!


「同行は、オルトロスが加護を与えるまでとします。異論は認めない!」




 こうして、また脳筋の道連れが加わるのだった。




…脳筋が溢れる…。

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