20話 ここは何処?私は誰?
やっと初期設定の一部が出せました。
ここまでの話で、考えていた流れとだいぶ変わってしまい、修正が大変かもです。
少し時間を遡った教会前。俺は目の前のステータスに言葉を失った。ステータスに対してもだが、記憶が戻ったのだ。前世?のエンジニアという社畜時代の。
どうやら、この体に関することのみ情報が遮断されていたようだ。だから、辻褄が合わない部分が曖昧になってしまっていたのだろう。戻った原因はおそらく先程の光の球だろうが、検証は後でやろう。
急に情報が頭の中に流れ込んできたため、かなり頭痛がする。まだまだ霞がかった部分も多いので、全部の記憶が戻ったとは言えない。より強固な鍵みたいなものが掛かっているのだろうか。
今考えても分からないから、得意の棚おきだ。断じて、塩漬けではない。
取り敢えず、目の前に写し出されたステータスはこうだ。
【名前】アカシ・フォルセティ
【年齢】12
【職業】召喚闘士
【レベル】67(255/255)
【体力】1089(-/9999)
【魔力】1050(-/9999)
【攻撃力】153(-/999)
【防御力】128(-/999)
【敏捷性】203(-/999)
【加護】無し(全能神の加護)
※隠蔽状態
薄々感じてはいたが、年齢がががが。ロイと変わらないくらいか?何故か隠蔽状態とやらで、()の中が本当のステータスらしい。つか、全能神の加護て何ぞ?………ただ…まぁ…うん、間違いない。これ、学生時代から結婚するまでの約十年間ハマっていた、ラグナロックレイドという、MMO[Massively(大規模)Multiplayer(多人数型)Online]のキャラクターだよ。最終登録者数は、大体10万人くらいだったっけ。
ラグナロックレイドは、対人戦を基本とする戦争ゲームだ。一定数(所属1000人)以上にギルドメンバーが増えれば、独立国を作れたり、イベント期間中にのみ出るレイドボスを討伐したり、登れば登るほどゲーム内で使えるお金が報酬でもらえる、マップ中央に聳え立つ ユグドラシル と呼ばれる神木に登ったりできる、自由度の高いゲームだった。
このゲーム、発売当初はマゾ度が高過ぎて初心者が定着しなかった。だって、既存プレイヤーの最大レベル100に、新規プレイヤーレベル1では勝負にならないのだから。
そこで考え出されたのが、力の実などの 神の実シリーズ。力の実、知恵の実、迅速の実等があり、それぞれに設定された値の数値分、ステータスが上昇する。運が良ければ、序盤でも高レベル相手でも戦えるって訳だ。新規登録特典で配布したり、レイドボスを倒すと稀にドロップさせてたっけ。
ただ、運営は嘗めていたとしか思えない。我々ランカーの時間と金にものを言わせたレイドボスの乱獲を。結果的に俺を含めた異常に強いプレイヤーが何人か出来上がったんだっけ。
ここで怒りの声を上げたのは、中堅層だ。新規登録特典は貰えない、レイドボスに勝てない、だから神の実を食べることが出来ない、これは怒るわな。
更にこのレイドボス、相手のレベルに合わせて強さが変わるというくせ者だったから始末が悪い。無課金武器では倒せないのだ。運営会社に殴り込む暴挙に出た阿呆もいて、ネット社会の闇とかって新聞を賑わせたっけ。
何にせよ、プレイヤーの大多数が中堅層のため、運営は無視できなかった。そこで出来たのがレベル上限撤廃だ。最大150➡200➡250と上がっていったんだ。ちなみに俺の255の5は、全部で5回あった、報酬がレベル上限突破というイベントボス討伐を全て達成した恩恵だ。…廃人だったなぁ。このイベントボスで出てきたのが、オルトロスだったな。他にそれぞれが上位精霊の、フェンリル、クラーケン、ベヒモス、フェニックスがイベントボスだった。
ステータスは任意で設定できる。国に住む住人を怖がらせない、強い者ほど強さを隠せるとかいう運営の謎設定の1つだったっけ。
本当のステータスが()で表示されるのたが、(-/9999)等となっているのは、運営が定めた上限を超えたから - となっているのだ。これは、神の実を食べ続けた結果だ。…廃人乙。
このキャラクター、戦闘区域で一定距離を他国の所属者と会わなかった場合に出るNPCに間違われるように態々作り直したやつだ。相手がパーティーを組んでいれば、最大4人と相対することになる。ボッチだから敵の攻撃を捌くのが大変ではあったが、課金武器を使用した高火力で蹴散らす爽快感が堪らなくて。一時期レイドボスに間違われて騒がれたのは良い思い出だ。
ちなみにこのキャラクター、選べる戦士、剣士、僧侶、魔法使い、呪術師、邪術師、狩人、格闘家等の技を全てコンプリートして、更に上位職の大魔導士や大神官とか使えそうなスキルは全て取っている。当時は暇をもて余してたんだ。言わせんな、恥ずかしい。
職業に選んでいる召喚闘士とは、そのまんまで、闘える召喚士なのだ。前衛職と召喚士を極めた時に授かった派生ジョブだ。ジョブの多さも売りの1つだったが、転職する度に弱体化してしまうし、1つのジョブでそれぞれ150のスキルを覚えるのだが、使えるスキルはその中の2割くらい、基本職だと被りが多すぎて途中で萎えてしまう。
多種多様なスキルの組合せは魅力的だが、足りない部分は人と組めばよい。だから、各々1つか2つの職を極めるという人が大多数だった。俺みたいな無駄スキル集めに精を出したのは、上位ランカー、特にトップテンメンバー数人くらいしか知らない。
説明が長くなってしまったが、このラグナロックレイド、最終目的はユグドラシルを登ることだった。ユグドラシルの頂上には神が住んでいて、そこまで登れば神になれる、って設定だったけど、配信終了まで頂上に辿り着いたとは最後まで聞いたことは無い。噂では、トップテンランカーがパーティー最大の4人で組んで登っても200階超えたのが限界だったと聞いている。
もしも、この世界の中央にユグドラシルがあったり、ゲーム機能が使えれば、ここはラグナロックレイドの世界の可能性が高くなる。
「マップオープン。」
…開いたよ。開きましたよ。開いたんだが、今まで来た場所しか表示されていない。MMOなのかの判断は付かないが、機能が使えるのは助かる。
「ログアウト。」
…うん、やっぱり出れないよな。少し期待してしまっていたよ。非常に残念である。
…次が本番だ。これが出来るか出来ないかで、今後の方針が大きく違ってくる。
「…アイテムオープン。」
キター(゜∀゜)━!!開いたよ!俺の夢と希望が詰まったボックスが!!課金にものを言わせて買い揃えた武器、防具、アイテムの数々。加工、エンチャントの成功品、失敗品、大量な水や岩…うん、無駄に素晴らしいラインナップだ。同じアイテムなら99まで同じ枠に入るため、ポーション類は特に充実している。
試しに、魔剣カラドボルグを出してみる。…初めからそこにあったかのように手に握られる。何の気なしに軽く振る。協会に、亀裂が入った…!狙ったつもりはないが、賽銭箱擬きは斜めに真っ二つだった。足早にそこを立ち去る。デブ神官の悲鳴らしきものも聞こえた気もするが、気のせいに違いない。
不信心な俺だが、罰は当てないで下さい、と願うのであった。
MMOって設定にしましたが、MMOの内容に懲りすぎて、別話にした方が良さそうに思ったり。
書きたい部分まで中々到達しません。




