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とある神兵の珍道記  作者: ペロりん
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15話 力の実と加護

ロイは力の実を食べた!

『大体150体は居ったのじゃないか?100超えた辺りからは分からぬ。』


 スケルトンを1度にそのくらいは召喚できるらしい。魔力があれば、何度でも追加召喚可能。他にも、数は少なくなってしまうが、ヘルハウンドという犬の姿をした黒い妖精や、人にデーモンと呼ばれる悪霊の類いの召喚が得意らしい。俺がスケルトンに焦った姿を見せてしまったためか、終始ドヤ顔である。


『他にはこんなこともできるぞい。』


 徐にロイの足元に飛び降りるオルトロス(子犬)。そのまま、ロイの影に吸い込まれるように消えた。そこから顔を出し、


『ほれ、こういったことも可能じゃ。』


 地味だが悪くない。見えない護衛として最適かもしれない。只、首だけ出した姿は夢見が悪くなるから止めれ。






 ようやく、街が見えてくる。遠目ながら、立派な門が確認できる。門近くで演習を行っている騎士団らしき姿も確認できる。

 ふと、街で確認しようと思っていたことを思い出す。赤色に明滅するクルミ大の種の事だ。ハンス村長の魔法袋から取り出し、オルトロス(子犬)に見せる。


「オルトロス、これって何か分かるか?ドラゴンゾンビが落としたみたいなんだが。」


 ロイの膝の上で前肢を器用に使い受け取るオルトロス(子犬)。暫く種を捏ね繰り回してから、納得したように頷き語り出す。


『これは神が極稀にお与えになるという 力の実 じゃな。今では殆ど見られることはないのう。恒常的なステータスアップの効果があり、全くデメリットの無い優れものじゃ。何故使わぬのじゃ?』


 そう言われ、オルトロス(子犬)から種を受けてる。明滅が気になっていたが、体に害があるものじゃなくて良かった。


「持ち歩くだけってのも何だし、食べてみるか。」

『待て待て。アカシ、オヌシが食べてどうする?オヌシが食べても増えるステータスは誤差のようなものじゃ。ここはロイ殿に与えてみたらどうじゃ?』


 どれだけアップするのかは分からないが、誤差って言葉で食べる気が無くなる。ロイも食べてみたそうだったから、保護者のハンス村長に確認するが 良いんじゃないか と軽い返答。なら問題ないか、と種をロイに渡す。


『安心して食べるのじゃ。』

「オルちゃん、食べるね。」


 何が安心なんだ?と思っていたら、あっさりと種を口に放り込み食べるロイ。素直な君は眩しい。…本当に眩しい!全身から正に光を放っている!!、、、え?


「ロイ、大丈夫か!」


 孫の異変に気付き、馬車を急停止し、荷台に飛び込んでくるハンス村長。焦りがこちらまで伝わってくる。


「あれ、僕凄く光ってるよね!?」


 ロイは何だか楽しそうだ。徐々に光は収まりをみせる。ロイは、手を開いたり閉じたりしながら、自分の体を確認していた。それから、顔を上げて頷いている。


「よし!強くなってたら良いなッ!!ステータスオープン!」


 ロイは自分のステータスの確認をしている。何度か、ふふっと笑いを漏らしている。


「じいちゃん、アカシ、見てよ!ステータスオープン!」


 …ロイのステータスは軒並み上がっていた。


【名前】ロイ

【年齢】10

【職業】村人

【レベル】10

【体力】103/103➡2206/2206 NEW!

【魔力】130/130➡1260/1260 NEW!

【攻撃力】15➡230 NEW!

【防御力】18➡136 NEW!

【敏捷性】23➡146 NEW!

【加護】闇の精霊の加護(大) NEW!


 …この世界の人の一般的な強さは分からないけど、…これ、既に人外じゃないか?それに、加護って…。ハンス村長をギギギッと音が出そうな感じでぎこちなく見る。

 頭部全体が真っ赤だ。タコマッチョ再びである。


「孫の方が強いなんて!ロイ、じいちゃんは負けないからな!!一緒に鍛練するぞ!!」


 何か思っていた方向とは違う。孫と張り合ってどうする?俺なら心配するぞ?脳筋は一味も二味も違うらしい。


『安心せい。ハンスにも加護を与えておる。』


 オルトロスさん、加護の大バーゲンですね。何が安心なのか、全く分かりません。


 自分のステータスを確認したハンス村長は大燥ぎ。ロイとの会話を聞くに、ハンス村長の方が総合的に上になったらしい。良かったね、脳筋。


 ちなみにロイのステータスアップの内訳は、以下の通りだ。

【力の実による効果】

 体力1000⬆魔力500⬆攻撃力100⬆防御力50⬆敏捷性50⬆

【闇の精霊の加護(大)による効果】

 全てを2倍




 力の実の効果も大概だが、闇の精霊の加護(大)の効果も大概だな。オルトロスが言うには、精霊が姿を顕すことも稀だし、加護を与えることも稀らしい。うん、少し安心したよ。ちなみに、俺には加護を与えられないらしい。自分より上位の存在等には与えられないらしい。…大精霊の上位て…俺は何なんだよ 。

 加護大を与えられるのは大精霊だけらしい。人が術を使う際に力を借りるといわれている、火のサラマンダー、水のウンディーネ、土のノーム、風のシルフの四大精霊は加護(小)しか与えられないらしい。オルトロス…君、凄かったんだね。




 人は鍛え方により各々の特色が出るが、【攻撃力】・【防御力】・【敏捷性】は、基本的には、レベル1上がる毎に1上がる。相当鍛えていたり、運が良ければ2上がるといった具合らしい。最上位の冒険者でもレベル100近辺らしい。ロイ、もうそんな人達と互角以上だ。…どんな子供だよ。

 そんなロイよりも総合的に強いハンス村長…人類最強を名乗れそうだ。そりゃ浮かれるわ。


 脳筋共は全く考えてもいないようだが、最早ロイは平凡に生きることはできない気がする。最初から子供にしては強かったとはいえ、これはやり過ぎだ。種を与えた責任を感じるわ。

ロイは呪われてしまった。(普通に生きられない呪い。)

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