佐々木大和の日常(その2)
佐々木の日常はまだ続くぞ
しらざー言って聞かせましょう!!
暑い
「佐々木」
「なーにぃ?」
何も無い荒野をオルフェウスと二人で歩く。それにしてもこいつはこの黒い服以外持ってないのかな?
「何処まで行くんだ?」
「赤鳥の宿って所に行くバス停まで」
「何故宿屋なんだ?」
えー、説明するの?
「えーっと、宿はちょうど旧光鳥と旧影虫の国の間の地域……まあ、病院と同じ中立の国にあるんだよ」
病院は少し旧光鳥の国に近いけど
「それで?」
「だから分からない? 私達みたいに他の人と違う特徴をしている人間にはぴったりなんだよ」
「ああ、そういうことか」
先生! こいつ自分の影の事をすっかり忘れてるんだけどー!
「でも何故宿なんだ? 他に店は無いのか?」
「そこしかまともな物売ってないんだよ」
もう説明がめんどくさいよーせんせー
「それにしてもバス停まで遠いな」
「歩いて20分と400歩の距離だからね」
「結構な距離だな」
私一人なら光鳥の国で買い物出来たのに……私影虫だけど。
「それにしてもさ、その服装は何だ?」
現在の私の服装が気になるようだ。
「いたって普通のワンピースだけど?」
「そのウサギ模様の白いワンピースがか?」
む、この洋服に文句を言うだと?!
「君こそさ、その格好暑苦しいんだけど」
「この服以外無いから仕方無いだろう!!」
「ぬう……」
だから先生コイツを連れて行けと言ったのか
「宿に服もあったはずだから食料と一緒に買ってあげる」
「ありがとう」
ぶるるるるる
ん? 今何か横ぎ……
ピンポーンパーポーン『コチラハ、チュウリツノクニノ、アカドリノヤドイキノバスデゴザイマス』
不吉なアナウンス
「佐々木あれって」
いやいや、まだ2分と400歩残ってるし
「……やばい」
「さ、佐々木さん?」
「走るぞぞおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「気持ち悪い」
2分と400歩の距離を二人全力疾走してぎりぎりに乗れました。
「オルフェ……」
「うえっ、ぶぁっ、げっごぐぁっ……」
背中をさすってあげた。
※よい子のみんなはバスの中では静かにしろよ☆
「帰ったら体力作りの為に、定期的に運動しよう」
「そ、そうだな……」
まだまだ二人の奇妙な買い物は続きます。