佐々木大和の日常(その1)
佐々木は変人だ。どこが変人かというと
「先生! ご飯で来ましたよ!」
注意をしなければ毎日三食の飯がショートケーキ、チョコレートケーキ、モンブラン、ムース、エクレア、シュークリーム等と言った具合で全てが洋菓子に変わってしまう。一応言っておくが、味覚が狂っているわけではなく単純に甘いものを三食食べたいという願望が表に出すぎた結果がこうなっただけだ。まともな料理も一応できる。
「先生! バリケード設置しました!」
何かから自分を守ろうと対人戦闘術、ナイフ術、護身術等を自分から俺に学びたいと言って来たのでとりあえず適当に全部教えた。(戦闘術はどっちかといえば俺の義弟の方が出来るんだよな……)
「先生! どかしましたか?」
自分の腕から血が沢山流れていてもそれに気づかないぐらいに頭がいかれている。
今回はそんな佐々木の目線で一日を見ていこう。
我輩は佐々木大和である。
人種は影虫。
「今日はいいてんきだなー」
病院の屋上で自分の洗濯物を干す。女の子の下着を男子が干すのは許せないのだ☆
「あるーひー♪ もりのなかー♪ せんせーにー♪」
今日も気楽に歌を歌いながら楽しく過ごす。
「ちまみれのもりーのーなーかー♪ せんせーにーでーあーったー♪」
「どんな替え歌だよ」
「へぶし」
後ろから相変わらず目の下にクマができている先生に煙管でチョップされた。
「何するんですか! 乙女の下着に何か御用ですか?!」
「お前の下着に興味はねーよ」
「じゃあ何ですか?」
先生は白衣のポケットから薄汚い黒い財布を取り出した。
「買い物行って来い」
「えー」
「文句言うなよ、オルフェウスが来てから食料の減りが少し早くなったんだよ」
「じゃあ、あいつ追い出したらいいじゃないですか」
正直言えば私はあいつがどうも苦手なのだ。かっこつけの男は大体ろくな奴はいないって死んだお母さん言ってた。お父さんがそうだったのかな? ともかく嫌だ。
「それは無理だ」
「どうして?」
「何となくだ」
それ理由になってない
「まあ、そんなに嫌ならお前の洋菓子作りのセットを捨てるか」
なんですとぉぉ?!!
「せせえせせえええ、先生! 何で! 何故ですか!!」
「そりゃ一応お前を養っているのは俺なんだし」
くっそー「こいつ何を今更」って顔しやがってー!
「兎も角にも私は、あぎゃっ?!」
また煙管でチョップされた。
「反抗期は止めておけ、後で黒歴史になるぞ」
「むー」
反抗期じゃなくて拒絶反応です。しぶしぶと先生から財布を受け取る。
「洋菓子の材料じゃなくて肉や魚、野菜を買って来いよ。いいな? 金が余ったらそれで買えばいいが……」
ボッソっと先生の小言が聞こえた。
「あ」
? 屋上から下に下りる扉に手をかけた瞬間先生は何かを思い出したようだ。
「そうそう、今回の買い物オルフェウスと一緒に行って来いよ」
「え?」
「お前一人だと目的忘れてすぐにいらない物買ってくるからな、つまり見張りだ」
「はぁああ?!」
「じゃあよろしく」
そういい残して先生は下に降りていった。
「なんで……先生まで……」
大人はみんな自分勝手だ。
登場人物紹介その1
先生
種族:人間? 人種:不明 年齢:不明外見は二十代後半ぐらい
身長:182cm 体重:76kg 誕生日:不明
髪の色:黒 目の色:青 肌の色:日本人
能力:水を操れる能力?