ちょっと本領発揮
「悪魔の根城に来るなんて根性あるよな」
ガタン
その言葉の瞬間、オルフェウスは椅子が倒れるぐらいの勢いで立ち上がった。
「まあ落ち着け」
「?!」
とりあずオルフェウスの周りをシャボン玉で囲む。オルフェウスは焦った様子でシャボン玉を割ろうと叩いたり蹴ったりしているがゴムボールのようにぐにゃんぐにゃんと動くシャボン玉に翻弄されている。
「なにもお前を殺そうとしているわけでもない」
とりあえず俺も椅子から立ち上がる。オルフェウスに近づきそっとシャボン玉に触れると
パン
とシャボン玉は可愛らしい音を立てて割れた。そしてポケットから煙管を取り出しオルフェウスの首筋に当てる。
「喋ったら死ぬぞ?」
とりあえずにぃーっと笑いかける。
「おまえは悪魔か?」
根性あるな
「さあ?」
「あの人をどうするつもりだ?」
あの人? まあ、考えて佐々木の事か?
「そいつが誰とは言わないが何もしない」
むしろどうにかしてくれ
「じゃあ彼女を解放しろ!」
「それは無理だな」
「何故!」
「それ以上喋ると死ぬぞ?」
「ガァッグァ?!」
オルフェウスの顔に水の玉が現れる。もがき苦しむオルフェウスを数秒観察した後
「まあ」
一回指を鳴らす。すると水は跡形もなく消えオルフェウスは床に倒れる。
「大概の悪魔なら悪魔祓い師って聞いただけで殺すだろうな」
ゲホゲホと咳き込みながら起き上がるオルフェウスに話す。
「まあ、お前が馬鹿なことをしない限り俺は何もしない」
オルフェウスは呆気にとられた表情をしている。
「何故だ?」
「決まっているだろう? 面倒くさいからだ」