人生相談?
「相談したい事?」
部屋に入って来たオルフェウスをとりあえず部屋の隅っこにあった椅子に座らせる。
「あんた、俺を一目見てこう言っただろ?」
『どっちだ?』
たしかにそう言ったな……
「あんたは、どっちだと思った?」
……
「そうだな……」
改めてオルフェウスの足元……白い影を見る。
白影
影虫と光鳥と呼ばれる人種が戦争をしていた時代が終わり、その数年後に突然起きた奇妙な事件から生まれた
特殊な病気
として有名だったが、現代では怪奇現象、突然変異として語り継がれている。黒い服装や影を好む影虫は「呪い」や「穢れ」として扱い虐めや暴力の対象になっている。その代わりといってなんだが、白い服や光を好む光鳥からしたら「祝福」「先導者」として崇められる。それを踏まえてオルフェウスは
「お前、影虫だろ?」
「よく分かったな」
この人、万年寝不足ってぐらい目の下のくまがすごいのによくそこまで考えれるな……って顔しやがって
「一目見たら佐々木以外誰でも分かる。それでお前は何故俺のところに来た?」
「だから人生相談」
「そうじゃない」
オルフェウスが握っている十字架を指差す
「悪魔祓い師が悪魔の根城に来るなんて根性あるよな」