可能性は無限大
侵入者の真っ黒黒助を2人係で2階へ運ぶ。何度か手が疲れて落とした事もあったが……。
「先生、どうします?」
「とりあえず椅子にでも縛っておけ」
「はーい」
佐々木は侵入者を近くの産婦人科と書かれた部屋に引きずっていく。
「そこに何かあったか?」
「バリゲード設置するときに色々置いておきました!」
「そうか」
佐々木の言うとおり部屋のなかには工具や何に使うのか分からない物が沢山置かれていた。
「ささっと縛っちゃいましょう」
数分後
「はっ?!」
「あ、起きましたよ」
「えー……とりあえず……おはようございます」
「何で?」
なんとなくだよ。
「貴様ら……何者だ?」
「何者とは?」
「俺はここへ使命を受けて馳せ参じた光の悪魔祓い師だ!」
「なるほど」
これは……
「中二病ですね!」
お前もだからな。
「先生! 中二病患者です! 痛いです! すっごく痛いです!」
属性過剰娘は楽しそうだ。椅子に縛り付けている侵入者は……
「貴様ら俺をどうする気だ! くっ……何故今出てこようとするもう一人の俺!」
なんと言うか……うん……ツッコミは諦めよう。
「あー……で、お前の名前はオグァでよかったか?」
改めてそいつの姿を見る。ショートカットの黒髪に前髪に赤いメッシュのワンライン、右目は赤く左は黒い、ちなみに右目の下に白い絆創膏をしている。赤いラインが入った黒ずくめのロングコートに黒の革手袋と厚底の黒ブーツ……そして金色に光る十字架のついた鎖。
「個性の塊ですね」
お前もだからな。
「違う! 我が名は!」
名乗ってくれるのか。
「オルフェウス!」
それっぽい名前だ。
「由緒正しき悪魔払い師の血が流れている。」
設定もそれっぽい。
「そう我こそは!」
「もういいから」
話が進まない。
「先生、エクソシストって何ですか?」
「悪魔退治が稼業の厄介な連中だ」
「なるほど」
それにしても
「お前……」
「何だ白衣の悪魔」
「どっちだ?」
オルフェウスの目が少し見開いた。
「先生?」
佐々木にも分かるようにオルフェウスの足元を指差す。
「白い……影?」
展開が唐突過ぎて気づかなかったがこいつの影が曇り一つないほど白い影をしている。
「白影だ。もう殆どいないと思っていたが……久しぶりに見た……」
「びゃくえい?」
「光と影の大戦で光鳥が影虫達を大量虐殺したときに使われた両者ともに忌み嫌う兵器から生まれた後遺症だ。親から子へ遺伝する厄介な病気の1つだ」
「ほへー」
この顔は分かってないな。
「貴様、何故それを知っている?」
それは
「一応医者だからな佐々木専属の」
「医者?」
「先生はお医者様なのです! この佐々木大和専属のお医者様なのです!」
大事なことなので2回言いました。