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半人半妖の事務所労働  作者: 貴志
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事務員加入!そしてこれから…

事務所大掃除中、ユウヤの幼馴染のコトネ(19歳)が事務所を訪ねてくる。

「コトネ…えっと…久しぶり…だな」


なんて言っていいかわからず、こんな反応しか出来なかった。


「やっと見つけたと思ったら…こんなところで草刈り?人の気も知らないで…」


「え、あ、ごめん!色々落ち着いたら会いに行こうと思ってたんだよ。これは本当に。」


「はぁ~…で、何をしているの?まさか二年近くもずっと草刈りの仕事をしていたわけじゃないわよね?」


「もちろんもちろん!えっと、とりあえず時間ある?話せば長くなるから中でゆっくり話したいんだけど」


「ユウヤ~、夕食どうしましょうか~?」


まあ待てよ。タイミング良すぎだろ。


「あら?そこにいるのはえ~と…コトネちゃんだったかしら?」


「ふ~ん。じゃあゆっっくり話を聞かせてもらいましょうか、ユウヤ?」


コトネ…その笑顔…プライスレス!





「なるほど…」


ふ~、なんとか説明終了!

何故か最初は修羅場っぽくなったけど。

所長が少し楽しそうだったのは気にしない。


「それにしてもあまりに計画性なさすぎではないですか?もっと人員が揃ってから開業できなかったんですか?戦闘要員にユウヤ一人っていうのがまずおかしいです。ユウヤは魔法関係は使えないんでしょう?だったら最低でも魔法使いを一人確保してから動き出した方が効率的だと思うのですが」


あれガチダメ出し入っちゃった。


「それは分かってるわよ。でも早く仕事したかったの!まあしばらくユウヤには頑張ってもらうとして」


え?


「でもまあ予想だけど最初からそんな大きい仕事なんてこないわよ?一応私のコネとか使って仕事はあるとは思うけど、小さい仕事がメインになるわ。で、その間に人員を増やしていくの!そしてその頃にはもう大きな仕事がくるようになってて、人員も揃ってきてるから色々対処できるようになってるってわけ」



本当に天才少女だったのだろうか?

あ、昔は天才だったけど今は別にみたいな感じなのかな。

それとも勉強は出来るけど…て感じなのかもしれない。

それならなんか納得できるぞ。


「ユウヤ?なんか失礼なこと考えてない?」


「いえまったく」


「…会って数日なのに随分仲が良いんですね」


なんか怖い。


「大体コーデリアさんのことがわかりました。それで…一つ提案なんですけどよろしいですか?」


「ええ、構わないわよ」



「私もこの事務所で働いてもよろしいですか?」



なんですと?


「理由を聞いてもいいかしら?」


「はい。現状ではコーデリアさんが頭脳労働、ユウヤが肉体労働という形でいく予定みたいですが、コーデリアさんの負担がかなり大きいと思います。それに仕事内容によっては二人とも事務所にいないという事態が必ず発生します。その時依頼人などが来たら…と考えると最低でも一人は事務所にいないといけません。そして事務仕事もあります。」


「…そうなるとあなたは事務員希望ってことでよろしい?」


「はい。戦闘はできませんが情報には詳しいと思います。パソコン操作も。一年以上誰かさんを探したりして色々調べまわってましたから」


なんかトゲがあった気がしたな。


「でも事務員てなんていうか地味できついと思うわよ?雑用とかもやってもらうかもしれないし。それにあなたには大学があるでしょう」


「常にパソコンやタブレットを携帯して、事務所のパソコンにつながるようにしますので大丈夫です」


「なるほど…決意は揺るがない感じね。わかったわ!コトネちゃんを事務員として仲間にいれます!問題ないわねユウヤ?」


「はい問題ないです」



なんかトントン拍子に話が進んでいったな。

俺かなり空気だったんだけど。


「携帯の番号とアドレスおいておきます。では私は帰ります」


「あ、家まで送るよ」





さて、コトネの家まで一緒に歩いているが空気がなんか重いな。

でも何を話そう?何を話題にしても地雷を踏み抜きそうだし。



なんやかんやで着いちゃったよ!


「じゃあえっと…これからもよろしく!おやすみ」


情けない…まあこれからは事務所で一緒だしまた昔みたいになれるだろう。


「ユウヤ」


「ん?」


「もう…どこにも行かないでね…」



コトネがうつむいてそう言った。

コトネの涙を初めて見た気がする。

いや厳密に言えば小さい頃に何回見たんだろうけど、その時とは意味や深さっていうのかな?が違う気がする。



「…大丈夫。約束する。もし何かあったとしても必ずコトネに逢いに行くから」


「うん。約束破ったら今度こそ許さないからね?」


「ああ」





数日後。

事務所も綺麗になり『コーデリア事務所』と書かれた看板も表にぶら下げとうとう開業した。

俺の最初の仕事はひたすら地域をまわって事務所のチラシを配りまくるというもの。

所長やコトネはパソコンでなんかやってるが俺にはわからない。



開業して一か月程俺は日雇いのバイトみたいなことばかりしていた。

いやわかってるよ?最初からそんな大きい仕事はこないって。

でも仕事中少し暇になると『何やってるんだろうな俺』という気持ちになってしまう。


事務所に帰り二階の俺の部屋で『仕事日記』をつける。

まあ記録みたいなもんだよね。

なんとなく見てみると



・着ぐるみ業務

・施設の警備員

・猫探し

・攻撃魔法の実験体

・引っ越し

・清掃作業



なんか俺の思い描いてた事務所生活とちがうな。

魔物退治!とかないもんな。

『攻撃魔法の実験体』がなんかぽいけどな。

ダメだ、今日は引っ越しやら警備やらで疲れたからシャワー浴びてとっとと寝よう。

おやすみ~。





そして数日後、初めて『大きい』仕事の依頼がまいこんでくる。




コトネ(事務員)加入

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