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半人半妖の事務所労働  作者: 貴志
11/21

魔法使い編①

霊能力者のサヤカがメンバーに加わったコーデリア事務所。

これで所長、戦闘員、事務員、霊能力者の四人体制になった。

今回のお話は、そんな事務所のちょっとした日常と、次の物語の入り口を書いたものである。


コーデリア(所長)24歳

ユウヤ(戦闘員)19歳

コトネ(事務員)19歳

サヤカ(霊能力者)17歳

ユウヤ、サヤカ、そして所長コーデリアの三人は森を歩いていく。

木々はもちろんのこと川の水も綺麗でとても絵になる。まさにファンタジー世界という感じだ。


二人の前には案内役のエルフが歩いている。

性別は男性。髪は金髪、服は黄緑、耳は人間のそれより長くとがっている。腰に短剣、背中に弓。

そしてイケメンの青年。


「さてもうすぐ私たちの村に到着いたします」


そう二人に告げ四人は森の奥へと進んでいく。


今回の二人の仕事は三つ。


一つは『最近集団で森に住みついている魔物の討伐』

二つ目は『エルフの村や周辺で起きている神隠しなどの調査』

そして三つ目は『魔法使いを仲間にいれること』


である。


まあ三つ目は依頼人に頼まれた仕事ではないのだが。

この世界で魔法といえばエルフなので…という短絡的な考えで、所長コーデリアは依頼人のエルフには内緒で『魔法使い』の勧誘を決行する気だ。

ちなみにコトネはお留守番である。





「はい。これでこの事務所の除霊は完了しました!」


「いや~本当に助かったよ。夜中とかたまに変な声聞こえたりするからたまに眠れなくて。よし!これで安心して寝れる!…てか霊ってけっこういた感じ?」


「いえ三人です。どれも悪霊ではなかったので穏便に済みましたよ」


「いきなり事務所に来て除霊頼んだりしてごめんねホント」


「いえいえ!気にしないでください」


早速だが霊能力者がいるっていいな。


「でもよく家がOKしてくれたね」


「はじめは皆さん反対していましたが、父が最終的に『これからのことを考えると様々な世界を経験した方が良い』と結論をだしてくれて」


「なるほど」


「は~いサヤカちゃん、ちゃっといいかしら?」


「はい!」


早速仕事でも頼むのかな。

まあ霊関係は需要ありそうだしな。


「…ということなの。大丈夫?」


「はい!では初仕事頑張ってきます!ではいってきま~す。」


「行ってらっしゃ~い」



「…いきなり一人で仕事ですか?初めての土地でいきなりはきついのでは」


「ユウヤに同行してもらおうかと思ったんだけどまあ早く慣れさせようみたいな」


「なるほど」


「あ、そうそう『乱獲祭』の懸賞金はちゃんと振り込まれたから一応伝えとくわ。額はこんな感じ」


「お~。…てかやっぱり『乱獲祭』てそんな高くないんですね。構成員もなんか少なかったですし」


「あら、それは少し誤解よ。公安が『乱獲祭』のアジトやその周りを調べた結果、お墓みたいなものがいくつも見つかったんですって。しかもどれも新しかったと。サヤカちゃんの家はうちに依頼する前にいくつかの事務所や賞金稼ぎに依頼してたって言ってたでしょう?で誰も帰ってこなかったと。ようするにその人たちは負けちゃったけど、大分数を減らしてくれてたってわけ。お分かり?」


「マジですか…」


「そ、マジ。だから感謝しときなさいよ」


なんとなく心の中でバカにしちゃっててすいませんでした。





「サヤカちゃん遅いわね。さっき仕事が終わったっていう連絡は少し前にきたんだけど」


「どこかに寄っているのでは?…ユウヤ、少し近くを見てきてくれないかしら。商店街あたりを中心にね」


「了解~」



仕事の場所までは行けたみたいだから帰りの道もわかるはず。

で初めての土地で人気がないとこは行かないと思うし。あ、だからコトネは商店街を中心にって言ってたのか。

とりあえず…飲食店以外の店をまわってみるか。


あ、見つけた。ここは…薬局?

まあ入り口で待ってるか。

…お、でてきたな。


「サヤカ」


「ふえっ!」


「あ、ごめん驚かすつもりはなかったんだけど。あ、拾うの手伝うよ。ん?」


大量の湿布。


「あ、拾ってくれてありがとうございます!」


「…どっか痛いの?」


「えっとその…あ、店の前じゃあれですので事務所で説明します…」


「お、おう」



「えっと…前の儀式で私は武人のヤスナさんの霊を降霊させて、刀を持って戦ったんですけど、その…あの後家に帰ったらいきなり体中が痛くなって…動けなくなってしまったんですよ。普段私は刀みたいな重いものは振り回しませんし、体の動きも普段できないようなものだったので…ようするに…筋肉痛です…」


「なるほど反動みたいなもんか」


「はい、ですからあの日ユウヤさんのお見送りに行けなかったんです」


なるほど全身筋肉痛で死にかけてたのか。


「でもヤスナを体から追い出した直後は普通に歩いてなかった?」


「う~ん…どうやら時間差でくるみたいですね。あれから降霊させてないんでわかりませんが」


「じゃあ『降霊術』は一度の戦闘ではあまり使わないほうがいいね。もしかしたら直後にくるパターンもあるかもしれないし。ピンチになったら使うって感じで。あとは少しづつでもいいんで筋トレとかしましょうか」


あんまりマッチョにはなってほしくないがしょうがない。


「はい、がんばります」





それから事務所には霊関係の仕事がどんどん増えていき、ユウヤ自身にはボディガードなどの仕事が増えてきた。





そんなある日、エルフの依頼人が初めて事務所を訪れる。

そして冒頭にさかのぼる。

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