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月下の一群

レムナント

作者: 濱野乱

残りものでお茶漬け作ろ。


髪結さん、あんた不服なの。じゃね、ちょっと待っていなさいよ。鮭もつけてあげるから。


招き猫を見習いな。あんたよりよっぽど福招き磨きまき巻き毛を結っとくれ。


櫛を忘れた。知らないよ。

しょうもないねえ。わっちのことも忘れてくれたらよかったのに。


お茶漬け食べたら帰っとくれ。

鮭は来世の出世払い、少しは鍛えられてくるんだね。


あんた、まだいたの。

お茶漬け食べただろ。この盗人。


代金返金御代人明日の御代も身請けもままならないわっちが、お茶漬け以外何を褒美として与えるというの。


残りもので十分さね。

わっちも、あんたも。

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