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隣の席の石川さん  作者: 木石 律歌
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隣の席は掃除中。

 石川さんは変わった人です。

 あと、ほっておいたらいけない人です。

 あの人は掃除さえ一人でできないんですから。


「あ、田村じゃん。おすすめの本ねえ?」

「・・・はい。田村です。おすすめの本はおすすめの棚から見てください。」

「つめてーな。おい。」

「そうですか。」

「あ、そうだ。お前の部室からすごい音聞こえたぞ。ガタンってな。」

「僕の部室じゃありません。あと、何の音かわかりますか?」

「んー。多分机からほんと落としたみたいな?」

「・・・ありがとうございます。」


 そう、すべてこれが元凶だったんです。

 委員の仕事を終えて部室に行きました。

 行ったんです。多分。


「いし・・か・わさん?」

『ななな、何でしょうか?』

「なんで机ではなく床が散らかっているんですか?」

『そ、それはですね。』

「打っている時間ももったいないですよ。その間に何冊本が片付けられるんですか?」

『えっと』

「約3冊はできますよね。」

『そうですね。』

「早くやってください。」

『一人じゃ』

「無理だと後で打つんですか?散らかすのが出来るんですから片付けもできます。」

『鬼畜!』

「なんとでも言ってください。」


 その間に10冊片付けできました。もちろん僕が。


「打ってないでそこにある本、取ってください。」

『うん』

「打たなくていいです。あと、また散らかさないでください。」


 石川さんは机に置いている本の山を崩している。

 もちろんドカンとかガタンと、すごい音をだしながら。


「やめてください。もういいです。そこで本でも読んでおいてください。」

『怒ってる?』

「怒ってません。本は散らかさないように僕の鞄に入っている本を読んでください。」

『はい。』

「2冊入ってますがそのどちらかにしてください。」


 わかったと言わないことはもう読み始めたんでしょう。

 切り替えが早すぎです。それもいいことなんでしょうか。


「はあ、終わりましたか。しんどかったです。」

『終わったの?お疲れ!』

「・・・だれのせいだと思っているんですか?」

『私かなあ?』

「あなたですよ。」

『ごめん。』

「今度から本は読み終わったらすぐ本棚に片付けてから続編を読んでください。」

『わかった。』


 石川さんは片付けも落ち着いてできません。

 でも、本を読むときだけは静かなので落ち着いて片付けしてほしいです。

 まあ、言っても効果はないでしょうが。

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