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隣の席の石川さん  作者: 木石 律歌
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隣の席は留守番中。

 石川さんは変わった人です。

 石川さんにお留守番をさせてはいけません。

 なぜなら、部室がジャングルになるからです。


「あ、田村君。そこの本取ってくれない?」

「はい。わかりました。」

「あと、今月の図書館の本の貸し出しと当番は田村君だからね。」

「はい。」

「あ、ほかに連絡はない?じゃあ。」


「ありがとうございました。」


 お分かりかもしれませんが僕は委員会に出席していました。

 石川さんは部室でお留守番です。ちゃんと本を置いてきたので勝手に帰ることはないです。

 たぶん。

 あと、部室は図書委員の部屋と近いので割とすぐ着きます。


「いし・・・かわさん?」


 今僕は怒っています。なんでかって?

 石川さんが本を積み上げて埋もれているからですよ。

 

『おかえり』


 本の城とでも言っておきましょうか。本の城から片手を出してPDAであいさつされました。

 

「おかえり。じゃないです。どうしたらこんなことになるんですか?」

「返事がないようですが。本当に何をしたんですか。」

「僕は、今日は帰りますよ。明日、委員の仕事があります。その間にちゃんと片付けておいてください。もちろんジャンル別でお願いしますよ。」


 何にも書いて来ないということはきっと本に夢中なんだろうと思います。

 でも、忘れさせません。

 メモを置いておきます。

 もちろん、ちゃんと名前も書いて。


【石川さんへ。

 よくも僕のジャンル別本棚をバラバラにしてくれましたね。

 明日は委員の仕事で少しの間部活に出れません。

 その間にちゃんと片付けておいてください。

 ちゃんとジャンル別にですよ。

                田村。】


 そんな内容を置いてきました。もちろん石川さんが見そうな本の上に。

 机に置け?前置いたときは栞になってましたよ。

 内容が一切読まれていない状態で。


 そのあと、メールで

【そんな!鬼畜だ。あの量を一人で?】

 なんてきましたが

【自業自得です。ちゃんと、しておいてくださいね。】

 と送っておきました。


 石川さんに留守番をさせてはいけません。

 なぜなら、あとが大変だからです。

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