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隣の席の石川さん  作者: 木石 律歌
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隣の席は帰宅中。

 石川さんは変わった人です。

 でも、帰り道が近くなのでよく一緒に帰るということをしています。

 あ、幼馴染とかではありませんよ。

 こんなお馴染みだったら冷静な僕はいませんよね。こんな変人は願い下げです。


『今日の宿題は?』

「国語と数学と技術の下絵です。こんなこと聞かないでください。」

『・・・』

「しょぼーんとしてもだめです。」

『ごめん』

「なにがですか?」

『何か』

「そうですか。」


 帰り道は近くまで一緒です。石川さんと僕の親が仲良くて帰り道の案内を頼まれたんです。

 好きでやってるんじゃありませんよ。

 石川さんをほっておいたらふらっと本屋に行って夜中まで戻ってこないんです。

 あと、石川さんのおこずかいが徘徊のたび消えていきます。

 だから、石川さんのお母さんに「あの子が本屋に行かないように見ていてくれない?」

 と言われたのでこうして一緒に帰っているんです。

 まあ、「条件としてはなんだけど、旭君の好きな作家の本が入荷したらとっておくから。」

 という甘い汁に誘惑されただけですけれど。

 ああ、言い忘れましたが石川さんのお母さんは本屋さんで働いています。


「・・・僕はここまでですよ。」


 無言でうなずく石川さん。


「さようなら。」

『バイバイ!あと、アッキーラは笑ってた方がイケメンだよ!』

「・・・ありがとうございます。」


 そう書いて石川さんは角を曲がっていきました。

 元気に手を振りながら。


 なぜでしょう?頬が赤かった気がします。

 熱ですかね。熱であってください。

 そうすれば


貴方のお見舞いに行けますから。(石川さんのお母さんに本の入荷情報を教えてもらえるから)


 石川さんとの帰り道は疲れます。

 だって、いつもの石川さんを凝縮したようなそんな石川さんが見れるからです。

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