隣の席は食事中。
隣の席の石川さんは変わった人です。
PDAに打ち込まれた文字での会話以外、僕は見たことがありません。
『一緒に食べろ。』
今は昼休みです。で、さっき石川さんにこう言われました。(書かれました)
「なんでですか?」
『何でも』
一回一回打って出してだと疲れないんでしょうか?
あと、僕の文字を読む速度がないと会話ができないです。
「どこでですか?」
『屋上』
早く食べたいのかぶっきらぼうな返信しか書きません。
「わかりました。パン買ってくるので待っててください。」
『了解』
「先に屋上行ってていいですよ。」
『えー』
「何が言いたいんですか。」
『』
何も書かずに差し出されました。何かあるのでしょうか?
でも、聞かずにおばちゃん所に行きます。
早くご飯が食べたいので。
「おばちゃん。パンください。いつものカレーパンで。」
「あいよ。ほい。」
「じゃあ、また明日きますね。」
「じゃあね。」
ちゃんとお目当てのパンが買えました。
限定品です。珍しいです。レアです。レア。
「きました。いきますか?」
『うん』
ちょっと歩いて屋上につきました。
今日は開放日なので数人のグループが食べています。
でも、とくに椅子もないので段差に座るか床に座るかしています。
「なんでですか?」
『あ、あの。ご飯を作りすぎて。その、分けようかと思ったのだが。』
丁寧に言葉の詰まるところまで書き表してくれました。
でも、長い文は読むのも打つのも時間がかかるのでやめていただきたい。
「もらいます。」
『パンは?』
「そんなもの・・・食べれますよ。」
『本当に?』
「まあ、たぶん。」
『あ、ありがとうな。』
この後、石川さんにお手製のお弁当を頂きました。
おむすびに卵焼き。家庭的なものが多かったです。
美味しかったです。
代わりにパンを上げたら
『これ美味いな。なんていうんだ?』
興味津々で聞かれました。
でも、長い文は疲れるのでやめていただきたいです。
今日の昼休みは楽しかったです。