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Old Remember,Now Me.  作者: 玲於奈
9/15

盛山 けやきの場合 札幌編

なし

盛山 けやきの場合 札幌編


大事な方なので

丁重にお迎えしてほしい。

そう平川先生に頼まれた。

この人に内容は

ゆだねられているとも

聞いた。


ボビッド アンド カンパニー

ジャパンの社長。


商業ビジネス。

ファッションショー。

ダンスミュージック。

外国大物タレントのコンサートの

企画立案。


そして、待ち合わせのホテルに

さすがに

愛用のノースフェイスのDバックは

そぐわない。


氣がする。


イタリアの

有名香水のにおいが

ロビーじたいにもただよっている。


しかしながら

ないものはないので

やはり大学でいつも着ている

ぺらぺらスーツ。


ハイソな雰囲氣。


落ち着かない。

待ち合わせの

12月27日 午前10時


地上12階。

エレベーターがあがってきた。


「だから、それは代理店の

 OKとってるって

 いったでしょ。

 大丈夫ですよ。」


強氣の発言。

スマートフォン片手に

話ながら歩く男。



まさか。


でた。


おばけじゃあるまいし


昨年末

私にコクって急接近した男。


遠山 英夫。



クラレット


黒いひまわりをイメージする

茶色のスーツ。


ワインの世界では

それはボルドーワインの

深い赤をイメージする。

そこのレストランの

ソムリエが言いそう。



スーツにはいった金地のラインがおしゃれ

素足でイタリア製のくつを

はきこなすのもすごい。



おじさんの会社に入社した

金さんこと

遠山 英夫


「なんでももってて

 じつは何にもない」


昨年最後に

ほざいてた。


しだし名言。



この国は行政の力が大きい。

認可も権限もすべて省庁。

そんな省庁のご機嫌伺い。

官は大学という人脈。

産はお金とつかえる素材を

用意する。


産学シンポジウム。


アカデミアとファッションの融合。


メジャーにしていく。


戦いがはじまったようだ。



遠山 英夫の場合


「驚いたね」


「まさか似たような子が

 いるかと思ったけど」


「やっぱり

 平川先生

 倉を持ってきたか」


「っていうか

 メイン、倉かよ」


やつは私のことを

平氣で倉と呼ぶ。


倉は

遠山英夫と同じ

音楽声楽科在籍時の

私のあだな。


暗いからくら。


それを知ってか知らぬかは

わからないが

こいつだけは

私に面と向かって

倉という。



そして大笑い。


場にそぐわないと感じたのか

金さん

私をロビー隅のソファに

連れて行く。


「まったく

 あのおやじも

 くえないおやじだよ。


 しっかし

 平川もほんとに

 おまえのこと氣にいってるな」


ひとしきり感心したあとで

急に

真面目な顔。


「でも、倉。

 一つ言う。これはビジネスだ」


「学生のコンパや

 学祭とも違う。」


「ということで

 その服。失格。」


「あいつに教えてもらえ。」


あごをしゃくったその先には

一人の女性が

見た目も華やか

エムドゥの新作。


大胆な花柄を

おしゃれに着こなすお嬢様風。


サーチすれば

目標

30歳で結婚。

「MOZU」の西島さんがタイプ。

メーカー勤務で年収700万円。

ありのままで

勝負。


そんなけやきサーチ。



しかしながらロングスカートで

目に力がある。


私らをおいて

去ろうとする金さん


デジャブー

たまプラーザの昨年末か。


そこで一言。


「金は経費だ、氣にするな」



昨年のジャンボは売り切れと

大違い。


人間、こうも変わるとは。






なし

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