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Old Remember,Now Me.  作者: 玲於奈
7/15

柳原 邦男の場合 札幌編1

なし

柳原 邦男の場合 札幌へ1


実をいうと

私は思う。


雪は本氣でこわい。


強風が死ぬほどこわい。


時々取材で乗る新幹線

しっかりしなさいと思う時がある


そして

鉄ちゃんとまちがえられそうになるくらい

車用に詳しい。


季節を問わない

日帰り強行スケジュール。


「なんでこんなにタイトなスケジュールなのでしょう。」


「そんなに宿泊できないのはなぜですか。」


最後の決めぜりふ。


「もういいかげん

 地方読モ企画やめましょう。」


何度

のど元まででかかったことか。

でも言えなかった。


今回は読モ企画でない。


勝負を感じた。



そして迎えた12月27日


いつものように

早くから羽田にかけつけるも

夜半からの雪が

降り積もる。


今年は全国いたるところで

雪が降る。


すわ

空港の人だかりをみて

アイドル。

と思いきや

テレビで見かける

スキー選手。



掲示板が

九州方面を

次々と欠航に追い込んでいく。


今回の低氣圧もなかなかやる。


北上の前に

こちらが機上。


間一髪で

新千歳への席。


乗って安心かとおもいきや

魔の手がせまる


東北上空。


おなじみの文句


「氣流の乱れにより・・」



どうしてこうなるのだろう


「当機は、旭川空港に

 着陸致します。

 お急ぎのお客様には

 大変ご迷惑をおかけしますが

 新千歳空港への

 急速な降雪による除雪作業の

 おくれによります・・・・」


だから私は風が憎い。

雪も憎い。


機長続けて


「旭川空港、マイナス15度、

 雪。路面、圧雪です」


祈りは通じなかった。



ホワイトアウト


橋を渡って

ゆるい下り坂での

スピンアウト。


真っ赤なレクサス。


月刊カーアドバイスの

良行さん、

よろこぶだろなあ。


空港で借りるときそう思った。


レンタカーは

もうすでに

クリスマス休暇で出払い


残されたのは代金の

値のはるもの

経費で落ちるかわからかったが

機材もあるのでしかたない。


渋滞の国道をさけての

迂回路山道、


最後の最後で

爆弾につかまった。



氣がつけば天井。


ここはどこ、私は誰。


「いやあ、よかったなし

 おめえさん、真っ赤な車だったから

 たすかったさ」


「ありゃあ、白だと死んでたな」


快活に笑うおっさん


ひとまず私も笑う。


聞けば

おっさんの家脇の

雪山につっこんだそう。


乗っていたのが

そこは高級車。

エアバックに

危険を知らせる、フォーンが鳴り響く。


救急車で病院に運ばれ

助かったらしい。


「ところで

 今、何時ですか?」


「もうすぐ16時になるさ」


やばい。


何としても札幌にいかねば。




「あがるーーーー」


ファンキーな兄ちゃんだった。


人を見た目で判断してはいけないが


金髪で髪がとんがっている。


「すげえ、Lexus Rcfよ」



「おっちゃん

 金持ちやね、1千万はするよ」


同じ年代と思うがねえ

という言葉も発せられず


「おっちゃん」というワードに

ズキリときて傷心。


年寄り扱い、ショックをうけた。


そんなことなど

まったく氣付かず



「よっしゃ、札幌までとばしたる」


すごぶるハイテンションの金髪。




穴をあけるわけにはいかない。

悲しくも

うなずくしかなかった。



なし

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