再び 平川 大二郎の場合
なし
再び 平川 大二郎の場合
お盆明け
帰省ラッシュと重なりながらも
うんざりの体で
研究室に行ってみれば
「暑い。
なんとかなんないの?」
平川先生が
居られるではないか。
部屋中の窓を開け
ハワイあたりの
アロハに
小粋な短パン
白髪がさらに
ダンディ。
そして
和のうちわ。
あせだくの
御仁。
「クーラー
こわれちゃったのよ」
新宿2丁目。
やや弱氣。
「お盆で
メーカー休みなのよ。
なんとかなんない?」
覇氣のない先生。
これだけ
弱ってる先生を見るのは
久しぶりなので
もう少しほっておきたい。
だんだんと
Sになっていくような私。
弱る先生を見ながら
そういえば
思い出す
ゼミ研。
平川先生が
「やりたいことを相手にやらないのも
いいことなんだ」
とのたまう。
S的M
能動的受動性
とかなんとか・・・
もしや
今、まさにその
状態なのでは。
日頃の恩返し(笑)
「Mな感性を育てなさい」
と一言。
先生の声マネで
言いたかったが
Mという言葉が恥ずかしすぎて
言えなかった。
先生は
あいかわらず
クーラーの前で
いったりきたり。
大学では
物品購入に関しては
一括して
同一業者から
物品購入をすることが多い。
専門の機材もあり
学部毎、学科ごとに
業者を替えている場合も
あるという
うちの音楽教育学部は
事務用品、備品と
教育学等の書籍。
そして、なんといっても
楽器類の業者は別で
音楽部と提携。
備品は
クーラーしかり
机、パソコンなどなど
だめもとで
備品卸の
業者に電話してみる
お盆明けの対応も難しいかと
思いながら
電話する。
人もいないのか
所長が電話にでる
「みんなではらってましてね。
一番で手配しますけど
今日の話になるかどうか。
早くて明日になるかもしれません。
それより
総務課長と副学長から
話、聞きましたで」
不穏な空氣を
さっしたか
弱りもぞする
平川T
素早く受話器をひったくり
何やら小声で
ごそごそと
結局の話
「んで
盛山くん。
今年も年末のやつ
事務局お願い。
そして、今年は
場所
なんと、札幌。」
ひえーーーー。
海をわたってる。
年末の芸術研修
文科省と総務省がついて
話が大きく
なっていた。
なし